障害者間での障害者理解、共生について
暮らし出典:Toa Heftiba
一口に「共生」と言っても様々な観点から異なった意味を持つ物だと思います。中でも筆者は「共生」は障害者間同士によるモノと、障害者、健常者間によるモノ、の大きく分けて2種類ある、と考えています。
そこで今回は以前筆者が執筆したグループホームに関するコラムにも関連していますが、筆者のような身体障害者と知的障害者がお互いに尊重して「共生」していく為に必要な事とは一体何なのか、筆者の考え、様々な観点を交えつつ皆さんと一緒に考察していきたいと思います。
観点①
障害の特性が理解できない。
グループホームに入居しておられる知的障害のある方に対しても、また今まで出会った知的障害のある方に対してもそうですが、なぜそのような行動を取るのかという事が到底理解できません。なので、なぜこの場面で大声を出すのか、なぜ食事中であるにも関わらず周囲を徘徊するのか、等々理解できないのでただただストレスが蓄積され、完全に拒絶とまでは言わないですが、筆者自身知的障害のある方に対してどうしても少しばかりの苦手意識を持ってしまっているのが正直な気持ちです。
観点②
行動が理解できない事により伴う身の危険性の観点
上述した①の観点とも類似していますが、行動が予測できない事で身の危険を感じた事もありました。
例えば筆者が以前自宅から大学までの往復の道のりを電車通学していた際にホームにて電車が来るのを待っていたのですが、その時に知的障害者と思われる方が私が座っていた電動車いすのレバーに興味を持ったのか、そのレバーに手をかけて触ろうとしたのです。一歩間違えばホームから転落し、大けがを負う、という事態になりかねませんでした。
この一件があってから私の中で「知的障害のある方にはいつどんなに突発的な行動をされるのか分からないので、自身で常に警戒しておかなければならない」という意識になり、知的障害のある方の障害の特性を理解し、歩み寄ろう、という意識まではなかなかに到達する事ができていません。
改善策
ここまでは筆者が知的障害のある方に対しての接し方が分からず困惑している、という話しをしてきましたが、ではどのように接する事ができればより快適な暮らし、ひいては共生に繋げていく事ができるのでしょうか。
現在筆者が入居しているグループホームでは、接し方が分からないので、とにかく接触を避けて一人の時間をなるべく多く過ごす、という対応しかできていないのが現状です。確かに、このコラムを執筆するにあたって情報収集の為に拝読した参考文献の中には 混乱を避けるために複数の物事を一度に言わない事や、きちんと目を見て話す事等が知的障害のある方との適切なコミュニケーションの図り方として挙げられています。
しかしながら、筆者のように今まで知的障害のある方と関わった事がほとんど無い者にとっては、いきなり参考文献に書かれているような意識へと変革していく事は難しく感じます。
とはいえ、具体的な何かしらの行動をこちら側が起こさずとも、そのような「意識付け」をしているだけでも以前の見解とは少なからず変化し、円滑なコミュニケーション、共生へと繋げていく事ができる可能性がある、という事もできるのではないでしょうか。
結論
今回は知的障害のある方と身体障害者がどのようにすれば最も良い形で共生していく事ができるのか、その為に必要な障害者理解とは具体的に何なのか、という事を考察してきました。
ありきたりな結論になってしまいますが、身体障害と知的障害で障害の種別がそもそも異なるため、すぐに適切な対応を取ったり、コミュニケーションを図る事は極めて困難だと言えます。
しかしながら、すぐに行動には移せなくとも状況に応じた模範的な行動が頭の中に入っているというだけでも、何の予備知識もない状態とは意識に差があるために円滑なコミュニケーション、ひいては共生に繋げていく事ができるのではないか、という結論に達しました。
後に別コラムでも紹介しますが、障害者、健常者間での共生、という観点においてもこの「意識付け」は非常に重要な要素だと言う事ができます。
この「意識付け」を各々が徹底する事がより住みよい社会への第一歩となるのではないでしょうか。
参考文献
出典:『みんなの障がい 知的障がい者への理解を深めよう!知的障がいの特徴や接するときの注意点』より
https://www.minnanosyougai.com/
出典:『yomiDr. 街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー 知的障害のある人と話す時は、どんなことに気をつければいい?』より
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190325-OYTET50037/
出典:『LITALICOジュニア 知的障害とは』より
https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/chiteki/