再就職したいと思ったら~自分に合った「就労移行支援」の使い方
仕事出典:Photo by Zulian Firmansyah on Unsplash
「適応障害で仕事を辞め、転職したいと考えているけど、急に働くのは体力的にも難しいし、どうしよう……」と感じていませんか?
症状もだいぶよくなってきて、そろそろ働こうかなと思っていたころ、私自身がこの不安に襲われました。
そんな私が「就労移行支援」に出会い、新しいお仕事の内定をもらうまで、どのように支援を利用していたかをご紹介します。
利用までの大まかな流れ
就労移行支援を実際に利用するまでの大まかな流れは以下の通りです。
1.気になった事業所で見学・体験をし、自分に合いそうな雰囲気か確認
2.利用開始(自分にとって無理のない通所日数でスタート)
3.1か月ごとを目安に、通所日数を1週間当たり1日ずつ増やし、週4日くらいになったら転職活動を開始
それぞれについて、具体的に説明します。
1. 気になった事業所で見学・体験をし、自分に合いそうな雰囲気か確認
まずは、どこの就労移行支援に通うかを決めるところからスタートします。
就労移行支援といっても、全国にいろいろな事業所があります。私は現在通っているところも含めて2か所に見学にいきましたが、最初にいった事業所は、雰囲気があまり合いませんでした。
このように、ミスマッチを防ぐため、気になる事業所があれば事前に見学や体験にいくことをお勧めします。
では、実際にどうやって事業所を探すかですが、一般的なやり方としては、自治体の福祉課やハローワークに相談したりして情報をえるようです。
ただ、私は当時その方法を知らなかったので、たまたまネット検索で引っかかった某事業所に見学と体験に行き、通所を始めました。
その事業所は、雰囲気もよく、スタッフさんも親切かつ適切なアドバイスをくださるので、私にはとても合っていました。
もし気になる事業所が見つかったら、見学前にGoogleマップなどでその事業所を検索し、口コミを確認してみることをおすすめします。
2. 利用開始(自分にとって無理のない通所日数でスタート)
いきたい事業所が決まり、契約が済んだら早速、利用開始です。
ここで気をつけたいのは、自分の体調に合ったペースで通所日数を決めることです。
早く就職したい、という焦りがあるかもしれませんが、数か月働いていない場合、同じ場所・決まった時間に継続して通うことは、意外と大変です。
私は9か月ほど働いていなかったため、週2日~スタートしました。週に〇日通所しないといけないという決まりはないので、支援員さんと相談して、無理のない範囲でスタートすることをおすすめします。
事業所ではいろいろな活動ができます。私が通っていた事業所の代表的なものが以下になります。
・PC訓練(WordやExcelを使った簡単な資料作成など)
・軽作業
・自己理解やストレスマネジメントに関するプログラム(講座)
※事業所によって内容は異なります。
就職後のことを考えると、仕事は基本的に「アウトプット」の作業になるため、プログラムなどのインプット系の作業よりもPC訓練などアウトプット系の作業をなるべくメインでおこなうように心がけていました。
ただ、再就職してまた症状がぶり返さないようにするために、自己理解やストレスマネジメントのプログラムも受講し、自分がどんな状況でストレスを感じるか、ストレスを感じる出来事があったときにどう対処するかを学んでいました。
3. 1か月ごとを目安に、通所日数を1週間当たり1日ずつ増やし、徐々に転職活動を開始
事業所の雰囲気にも慣れ、気持ちに余裕がでてきたら、通所日数を1週間当たり1日ずつ増やしてみます。
これをくり返して、週4日くらい通所できるようになったころに、私は転職活動を始めました。
私は以前、一般企業で5年間働いていたことと、適応障害の特徴(特定のストレス源から離れれば症状は改善する)を踏まえて、障害者雇用ではなく一般雇用で求人を探しました。
障害者雇用か一般雇用か、それぞれメリット・デメリットがあるので、支援員さんと相談しながら自分に合った雇用形態を選ぶことをおすすめします。
また、事業所によっては「企業実習」といって、提携の企業様へ数日~2週間程度の間、実際の仕事に近い作業を行える取り組みもあります。
働く勘を取り戻すためにも、企業実習へ参加することもおすすめです。
終わりに
適応障害はストレス源から離れれば症状は改善するといわれていますが、回復したと思って無理をしてしまうと、また症状がぶり返す可能性があります。
働いていない期間が数か月ある場合は、いきなりフルタイムの仕事に就くのではなく、就労移行支援を上手に利用して、一歩ずつ前に進んでいく気持ちで過ごしてもらえればと思います。
事業所での過ごし方も人それぞれなので、自分が今後どんな働き方をしたいか?(障害者雇用を選ぶか?一般の非正規雇用か?正社員か?など)自分の理想を叶えるために、どんなステップを踏めばよいか支援員さんと一緒に考えてみるとよいでしょう。