障害者雇用という選択

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出典:Photo by JESHOOTS.COM on Unsplash

私はADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。そんな私は昔から、しっかりしてそう、賢そう、優しそう、と第一印象だけはピカイチでした。

この第一印象と実際の能力とのギャップに悩んできたこと、そして障害者雇用で働くという選択にいたった経緯をお話します。

発達障害を疑う その1

困り事が増え始めたのは、高校生のころです。ことあるごとに、周囲との理解力の差に違和感を持ち始めていました。

親に発達障害の傾向があるのではないかと伝えたところ「あんたはそんなんじゃない」と、とても強く否定されたことを覚えています。

私は中学生までは、お勉強ができて大人のいうことには素直に従ういわゆる真面目な子どもでした。一方、私の兄弟は勉強が苦手でやんちゃな、ちょっとした問題児でした。

兄弟と比べれば手のかからない子どもが「発達障害かも」なんていっても、納得できませんよね。

これ以降、親には悩んでいることを話さなくなりました。

発達障害を疑う その2

大学卒業後、メーカーに入社。持ち前の第一印象を買われ営業部に配属されました。

でも第一印象だけで乗り越えられるほど、営業の仕事は甘くありません。

仕事では困り事が多発しました。見積書の金額ミス、書類の完成はいつもギリギリ、商談中は相手の話が整理できないのでただニコニコと頷くだけで何の提案もできない、仕事の効率が悪く残業続きで寝不足の毎日。

当然、得意先からの信頼はえられず、重要な要件は私ではなく先輩に連絡が入ることもしばしば。

先輩からは「最初はすごくできる子だと思ったのに、意外とそうじゃなかったね」なんて冗談もいわれました。

仕事が辛くてたまらず、再び発達障害を疑い上司に相談することに。すると「普通に話せるのに、何が障害なの?もっと頑張ればいいんだよ」といわれました。

自分の考え過ぎだった、努力が足りないんだ、そう思い受診にはいたりませんでした。

でも、どう努力すればいいのか分かりませんでした。自分がなぜこんなに困るのか理解できていなかったからです。

しんどい状況を変えることはできず、退職を決めました。

ついに診断を受けるときがきた

その後、医療系の仕事に転職し病院勤務となりました。

ここでもミスが多発し、同僚から「人が死にますよ」とまでいわれました。事実だからこそ、今でも思い出すと息が苦しくなる辛い言葉です。

このまま医療の現場にいていいのか不安になり、ようやく受診を決意しました。そしてADHD・ASDと診断されました。

ショックや不安は一切ありませんでした。それどころか「これで今まで困っていたことに説明がつく!」と安堵と解放感でいっぱいでした。

一般雇用で働いてみた

一般雇用で事務職に転職しました。

理由は、落ち着いた環境で仕事ができそう、とにかく人の命に関わらない場所で働きたい、というものでした。

ところがここでも、仕事を覚えられない、書類のミスが無くならない、電話対応では伝えることを忘れる、といった困り事が多発しました。

主治医に相談したところ「環境が合っていない」という結論にいたり、約1か月で退職することになりました。

退職の直前、上司にこういわれました。「実はあえて忙しい部署に配属していた。バリバリ働く方が合っていると思ったから」

ああ、またそう思われていたのか……。一見誉め言葉ですが、働きやすい環境を求めて転職した私にとってはショッキングな言葉でした。

私が障害者雇用を選んだワケ

次に入社する時は「仕事ができそう」という第一印象と、実際の能力とのギャップをできるだけ埋めてから入社したい、そう思いました。

発達障害の診断を受けていても、一般雇用で働いている方は多くいらっしゃいます。

実際に私も「自分に合った環境さえ選べれば、一般雇用でも働ける」といわれたことがあります。

確かに一般雇用に比べると障害者雇用の収入は低く、仕事の幅も狭くなる傾向にあるといわれています。それでも私にとっては障害者雇用の方にメリットが多いと思い、障害者雇用を選択しました。

もし一般雇用の面接で「実は仕事で困ることが多くありまして……」と伝えたら、きっと面接官は驚いてしまうでしょう。

これが障害者雇用であれば、雇う側も「何かに困っている人だな」とある程度の構えを持ってくれているはずです。この構えがあるだけでもギャップを埋めるハードルは低くなると考えました。

おわりに

どんなに自分に合う職場が見つかっても、このギャップは無くなることはないでしょう。

これからも上手く付き合っていかなければならない、私の課題です。

にわかせんべい

にわかせんべい

ストレス発散法は月に一度のひとりカラオケ。
リフレッシュ法は笑うこと。涙活ならぬ笑活。
ツボは映画「南極料理人」。

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