暴言アカウントの通報は難しい
暮らしPhoto by Towfiqu barbhuiya on Unsplash
「(ヘイト言説アカウントは)見かけ次第通報しています。ヘッダーやアイコンにアニメキャラを使用して著作権侵害がなされているものについては著作権管理団体に通報しています。差別のイメージを付けられるキャラクターが可哀想ですからね。ネットの治安を守るため通報しましょう」(「ハンチバック」著者・市川沙央さんへのインタビューより抜粋)
SNS上で暴言やヘイトをばら撒くアカウントには、運営に通報するという対抗策があります。上手くいけばそのアカウントは凍結され、持ち主は己の舌禍を自覚させられることでしょう。しかし、これは肌感覚なのですが、アカウントを通報してもちゃんと受理されるか怪しい気がします。私のやり方が悪いのかもしれませんが、「あなたが通報したアカウントに問題は見られませんでした」という返信のほうが多く見かけます。
一方で、通報によって凍結されたアカウントというのも珍しくありません。「特定の層に対するヘイト」を理由に通報しているのは同じはずですが、どうしてこうも違いが出るのでしょうか。自分なりに推理してみました。
通報の理由を何にするか
通報する理由と該当の書き込みが噛み合っていないと通報が通りにくいのではないかと思われます。逆に言えば理由が合致していれば通りやすく、嫌っているミームを「個人情報」の理由で片っ端から通報して一掃した事例も知っています(本人が自慢していました)。ただ、「特定の人へのヘイト」と「暴力への賛美」のどちらがより当てはまるのか迷ってしまう事のほうが多いですよね。
絵文字や婉曲表現
ハッキリ申し上げますと、通報されるようでは二流に過ぎず、誹謗中傷として開示などされるのは論外です。一流のヘイトアカウントは、絵文字を利用したり直接的な表現を抑えたりして、“上手に発散”しています。例えば「発達障害と診断されてもいいじゃないか、障害者年金があるさ」と一見元気づけるような書き込みで、暗に障害者年金で楽しているかのようなイメージを植え付けようとするなどです。必ず下りるとは限らないという肝心なことが抜け落ちていますからね。
“庇護対象”かどうか
身も蓋もない話ですが、特定の層へのヘイトを理由に通報しても、その“特定の層”として判断されなければ不発に終わります。いわゆるポリコレの対象外だと、ヘイトを理由に通報しても「問題ありませんでした」と返ってくる確率が高いのではないでしょうか。だから弱者男性叩きが流行るのだと思います。
問題視するのは自分だけか
仮に通報が受理されたとの通知が来ても、凍結には至っていないことがあります。一人二人程度の通報で凍結されては逆に滅茶苦茶となってしまいますので、仕方のない所はあるでしょう。多くの人が投稿やアカウントを問題視して通報すれば、一瞬で凍結に至るかもしれません。仲間を寄せ集めて一斉に通報して凍結に追い込む“祭り”は昔からありましたからね。
いずれも推測に過ぎず、実際どうすれば「上手な通報」が出来るのかはその手の“名人”にでも聞いてみないと分からないでしょう。そんな名人が居ても逆に気持ち悪いですけれども。
余談ですが、ヘイトや誹謗中傷は必ずしも「それが憎いから」という理由でやっているとは限りません。書き込みを見た不特定多数が不愉快になればいいという理由で為されていることもあるそうです。どちらにせよ健全な心的状態とは言えませんが、炎上や開示請求などの強いショックを与えない限り治らないのは困った話です。
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