今広がっている「こども食堂」とは
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当ホームページにお越しくださった皆様こんにちは。ライターのくろねこです。
既に掲載されている「孤食が心身に与える影響とは?孤食がうつを招くことも」のコラムを読んで、くろねこは次に書くテーマを何にしようか?と考えました。
「孤食」→「こしょく」→「こ+しょく」→「こども+しょくじ」→「こども食堂」。おお、テーマが見つかった!バンザーイ!バンザーイ!という少し強引な流れではありますが、今回はこの「こども食堂」について書いてみたいと思います。
はじめに
私たちの身の回りは物に囲まれていて豊かに見えます。日本は豊かな国に見えますが、先進国の中では子供の貧困率が高いと言われています。
そんな中、子供の貧困対策として注目されているのが「こども食堂」です。こども食堂とは
“地域の大人が子どもに無料や安価で食事を提供する、民間発の取り組み。貧困家庭や孤食の子どもに食事を提供し、安心して過ごせる場所として始まった。そうした活動は古くからあるが、「子ども食堂」という名前が使われ始めたのは2012年。最近は、地域のすべての子どもや親、地域の大人など、対象を限定しない食堂が増えている。食堂という形を取らず、子どもが放課後に自宅以外で過ごす居場所の中で食事を出しているところもある。”
引用:子ども食堂に関するトピックス
くろねこは、「こども食堂」について、周囲の友達がFacebookでたびたびやりとりをしているのを見て、その名前は以前から知っていました。でもその実際はどうなのかを深くは知りませんでした。今回寄稿するにあたり、知らなかったことに沢山出会いました。このことを皆様とわかちあうことができれば幸いです。
「こども食堂って何だろう?」
“経済的な理由から、家で満足な食事を取れない子どもに暖かい食事を提供する――。趣旨に賛同した地域のボランティアや子育て支援などに携わる大人が運営に参加し、こども食堂は社会運動のトレンドになりつつある。”
現在東京都内を中心に、全国各地に複数の食堂があって、食材、寄付金、ボランティアの情報が集まっています。こうした活動から、こども食堂に注目が集まっています。
こどもの発育と食事について
食事は生きる上で重要な要素を占め、多くの場合、こどもは親が提供してくれる食事のなかで生まれるコミュニケーションを通して様々な事を学び、肉体的にも精神的にも成長していきます。
こどもにとって、親とのコミュニケーションは社会生活を知る第一歩となる重要な学びの場であり、これが失われてしまうと、こどもの発達にも大きな影響が生まれるのです。
くろねこはこどもの頃、団地に住んでいました。お隣さんとは仲良し、同じ階段を使う他の階の人達とも仲良しなこともあって、親との食事以外にも、お隣さん達と一緒にごはんを食べたりすることがよくありました。
そんな環境のおかげで、くろねこはこどもながらに大人の方々からいろいろなことを教えてもらいました。もしこれがなかったら、他の人達とのコミュニケーションの方法を知らないまま大きくなって、うつ病を持って生きている現在よりもコミュニケーションで苦労していたと思います。
そう考えると食事って本当に大事。こどもの時にその環境が無いということは、発達したくてもできない、さらに掘り下げると発達すること自体を知らない、それが将来の生きづらさとなってしまい、障害を引き起こすのではないかとこのコラムを書きながら考えています。
くろねこは今両親と暮らしていて夕食は両親ととっているのですが、特に会話もなく、いつのまにか一緒にいるのにバラバラという状態に慣れてしまっていました。そんな食事は、10分ぐらいで終わってしまうただの作業といった感じがしていました。
ある日、特に意識していたわけではないのですが、久しぶりに両親とゆっくり会話しながら夕食をとりました。気が付けば30分ほどたっていて、食べ終わってからじわっとした満足感に包まれました。ゆっくり食べることで脳から物理的に満足信号が出ていたのもありますが、それに加えて一人じゃない、コミュニケーションができたということにも満足したんだと思います。それ以来夕食のときは会話することを意識するようになりました。
社会生活の仕方を食事から学ぶことは先述のとおり大切なことです。ただ、それと同じかそれ以上にこの「じわっとした満足感」という感情も大切で、こどもに必要なのはこれではないのかと気づきました。
こども食堂のイメージと現実
こども食堂に話を戻します。先述のこども食堂の趣旨からすると困っている親子のイメージが湧きますが
“実際にこども食堂を運営する人、現場を見た人はイメージとのギャップを指摘する。「貧困家庭の子どもがどのくらい、来ているか分からない」「困っている親子というより、安く健康的な食事ができるから来ている普通の親子が多い」……。「こども食堂」の存在を知るには情報収集力がいる。足を運ぶには行動力や交通費を捻出する経済力も必要だ。それができる人はおそらく、貧困のどん底にはいないだろう。では、こども食堂は貧困対策には役立たないのか。どうしたら、よりニーズの高い人に来てもらえるのか。”
“「そうですか。一緒に食事をしながら話しているうちに、お金のことや病気のことが心配という話が、昨日の参加者からも出てきましたよ」”
“「見た目には分からないと思います、また、見えないようにしています。様々な課題を見える化し、地域と共有し、支えあい、生きにくさを取り除ける場所。こども食堂というかたちで、誰でも来ていい、悩みを話せる、暖かい場所を作りたかったんです」”
と、こども食堂を実施しておられるNPOのスタッフさん達は語っています。
“ある親子の場合、子どもがチラシを見て「お母さん、これ行ったほうがいいよ」と勧めたそうだ。”
このような形で、こども食堂の利用につながったケースもあり、なにげない日常の中からニーズが発見されるということもあります。
「人々がつながるきっかけに」
“「社会との接点が少ないまま、個で生きている人が多い。困っていても、人に頼らず生きようとする人が多いし、支援を求めても自己責任と言われがちな風潮を知っているから、傷つかないようにすると支援を求められない。
横のつながりという言葉はよく聞きますが、どうしたらいいか分からない人が多いのが実情です。
でも、ここで一緒に御飯を食べることで、つながることができます。大事なのは支援の敷居をいかに下げるか。子どもの問題は親の問題であり、地域の問題。続けることに意味があると思います」。”
とこども食堂に従事するあるスタッフさんは語っておられます。
くろねこは今改めて、人間は周囲との関わりのなかで育ち、生きていく生き物なんだと考えています。また、その関わりは何もせずに最初からそこにあるわけではないことも感じています。人間はお互いが手を差し伸べ合うことでつながることができる。またそうした環境があることもとても大事なことなんですね。自分も今周りにいてくださる人々や環境を大事にしていきたいと思っています。最後までお読みくださってありがとうございました。
参考文献
想像と違った!「こども食堂」の本当の意義 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net