こころの病を改善するセロトニンを増やす6つの習慣
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セロトニンはうつ病やパニック障害などのこころの病気に大きく関わっています。今回はセロトニンについてご紹介させていただきます。
セロトニンとは
近年、セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれたりしていますが、セロトニンは気分以外にも多くの作用を持った物質です。セロトニンは消化管に約90%、血液中の血小板内に約8%のセロトニンが存在し、脳に存在しているのは1~2%ほどに過ぎません。
脳におけるセロトニンの役割
①意欲・自発性
セロトニン神経は前頭前野でシナプスを形成し情報伝達を行っているため、セロトニンの量が少なくなると前頭前野の働きが悪くなります。前頭前野のはたらきが低下すると、計画を立てたり考えたりといった意欲や自発性の低下が現れます。うつ病ではセロトニンが低下すると考えられており、それにより前頭前野のはたらきが低下すると次のような症状が現れます。
・考えられない
・現実をネガティブにとらえてしまう
・仕事にいけない、人と会えない
・やる気が出ない
②不安を抑える
セロトニンは海馬・偏桃体において、過剰になったこれらの活動性を抑えることで不安を軽減させています。このため、セロトニンを増やす作用を持つ抗うつ剤が不安障害に効くのです。
③痛みの制御
セロトニンは痛みを和らげる働きも持っています。実際、うつ病の患者さんの症状として「痛み」が生じることも多いと言われています。
④睡眠
セロトニンは睡眠にも関わっています。セロトニンは脳の松果体でメラトニンというホルモンになります。メラトニンは主に睡眠を導いたり、体内リズムを調節はたらきを持ちます。
セロトニンを増やすには
こころの健康のためにはセロトニンを増やすことが重要です。ここではセロトニンを増やす習慣を6つ紹介します。
①たんぱく質の摂取
セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を原料にして作られます。トリプトファンは、タンパク質を多く含む食べ物に含まれ、肉類や魚類などの動物性タンパク質に多く含まれています。また、豆類などの植物性タンパク質にもある程度含まれています。
②日光欲
日光を浴びることでセロトニンは活性化します。セロトニンを増やすためには、毎日1回は外に出て、日の光を浴びるようにすると良いでしょう。
③適度な運動
運動の中でもランニング・水泳・サイクリングのような単調な有酸素運動がもっとも良いと考えられています。多くの研究でもうつ病の治療に運動が有効だと報告されています。
④感情を動かす
生活の中で、人と会う・出かける・様々な文化に触れるなど喜怒哀楽が生まれる状況に身を置くことが大切です。
⑤十分な睡眠
睡眠をしっかりとることはセロトニンを増やすために重要です。睡眠不足はうつ病発症のリスクになります。
⑥服薬
お薬を使ってセロトニンを増やす方法があります。主にうつ病や不安障害などこころの病気の方に使われる方法です。
いかがでしたでしょうか。簡単にではありますがセロトニンの働きと増やす方法についてご紹介させていただきました。みなさまもセロトニンを増やす習慣を心がけてみてはいかがでしょうか。
参考文献
セロトニンにはどんな作用があって、どうすれば増えるのか
blank"http://seseragi-mentalclinic.com/