心身の体調不良に有効な園芸療法とは?
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障害者ドットコムニュースをご覧いただき、ありがとうございます。本日は障害者や高齢者の健康促進のために効果があるといわれる園芸療法についてご紹介します。
園芸療法の歴史
木や花を育てる文化は、古くから私たちの生活の中では欠かせないものでした。精神疾患に効果があると提唱したのはアメリカのベンジャミン・ラッシュ博士と言われており、アメリカでは第二時世界大戦後に心身に傷を負った退役軍人を癒す役割として広く知られるようになりました。
この「園芸による精神療法」(Horticultural Therapy)は1990年代になって、日本でも園芸療法として注目されるようになり、兵庫県では2002年に園芸療法を広める役割を担う園芸療法士を育成する学校も誕生しました。
現在は障害者支援施設、高齢者福祉施設、デイケア、被災地のコミュニティ等、幅広く活用されています。
園芸療法がもたらす効果
園芸療法は多くの方にとって下記のような効果があると言われています。
【生活面】
・毎日決まった時刻に水やり、手入れする習慣をつけることで規則正しい生活に繋がります。
・外に出ることが億劫な人でも、花や植物を育てる楽しみや責任感を持つことによって、外に出る機会が増えます。
・太陽を浴びることで体内時計を整えます。
【精神面】
・土に触れることによって童心に帰ることができ、子供の頃の楽しい思い出を思いおこしたりと脳を刺激します。
・育てた花や植物を愛でることで、達成感を感じることができます。
・作業することで気分転換になったり、苦痛やイライラ感を束の間忘れることで、ストレスを和らげることができます。
・作業ができない日でも花を見たり、匂いを嗅いだり、触れたりするだけでリラックスすることができます。
【身体面】
・いつもの作業スペースや生活スペースから少し離れた畑に移動するだけでも運動になります。
・新鮮な空気を吸うことによってリフレッシュできます。
・立ったり座ったりをすることにより、個々に応じて楽しくリハビリすることができます。
・適度な運動により、筋力を維持することができます。
【社会面】
・支援員、職員、仲間などと共同で作業することによって会話が増え、自信の回復などに繋げることができます。
・農作物や植物の販売などで買い物客と交流でき、社会生活の幅を広げます。
自分で育てた花は格別に愛らしく、農作物は瑞々しくとてもおいしいです。まずは少しずつ、短い時間から無理なく作業しませんか?是非ご利用の施設やお住まいに近い施設で気軽に園芸を楽しんでみてください。
参考文献
Horticultural Therapy History and Practice
http://www.ahta.org/
園芸療法とは
http://www.awaji.ac.jp/
園芸療法について
https://web.pref.hyogo.lg.jp/