就労移行支援事業所におけるOJT
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OJTとは英語で「On the Job Training」と言われるものの略で、日本語では「現場研修」「職場訓練」「実地研修」など様々な呼び方があります。その内容は端的に表せば「職場で学ぶ」というもので、一般的には企業での社員に対する研修、教育を実際の仕事場において、実務を通じて学んで貰おうという制度です。
就労移行支援事業所は就労を目指す障害者の方々が訓練をする場ですが、ここでもOJTは訓練のひとつとして行われています。事業所により「職場実習」「職場体験」「企業インターン」と呼び名は様々ですが、利用者に一般企業で実務を体験してもらうプログラムを設けている事業所は多くあります。
就労移行支援事業所におけるOJT
就労移行支援事業所では様々なOJT/職場実習を提供しています。私が見てきたものでは、企業、商店、工場に出向いて実際に働く体験ができるもの、ポスティング(広告をポストに投函する作業)を企業から請け負って行うもの、又、製品の組み立てや包装を企業から請け負って事業所内で作業するものなど様々な形式がありました。事務系の作業を行う実習もあるようです。何れも実務、実作業を通じて利用者が学びを得ることにより、就職活動に役立ててもらうという目的は同じだと言えます。
事業所によって提供できるOJT/職場実習は特色があるので、これから就労移行支援事業所を利用しようと考えている方は、見学または問い合わせの折に、その事業所ではどのような実習が可能なのか確認すると良いでしょう。
職場実習の体験談
就労移行支援事業所が提供する職場実習としてコンビニエンス・ストアでの実習を1週間体験しました。作業は主に品出し(商品を陳列棚に補充する作業)と店内の清掃です。初めての経験で緊張しましたが、就労移行支援事業所からの実習ということで障害者に対する理解もあり、実習を無事終えることができました。
次に実習を経験したのは量販店の荷受け作業です。これも1週間体験させて頂きました。大量に入荷する商品を受け取り、伝票とチェックする作業です。実務の複雑さや現実の職場の忙しさを体験して、自分の足りない部分や体力的な課題を測ることができました。作業指示も丁寧にして頂き、現場で困ることは殆どありませんでした。
就労移行支援事業所内での訓練も有効ですが、職場実習を経験することで事業所内での座学や訓練とは違う色々なことに気付きました。自分ではできると思っていたことが意外とできなかったことが発見できたのは就職に向けての課題に気付くという意味があったと思いますし、逆に、思っていたよりも出来ることがあったのも発見でした。
職場実習の場では、利用者としても分からないことは質問して積極的に仕事に取り組む必要はあるでしょう。しかし企業側も就労移行支援事業所の実習ということで障害者に対する理解がありますから、臆せず臨むことができます。就職に向けて訓練する方々が実務を体験することで得られるメリットは大いにあると思います。
参考文献
就労移行支援ガイドブック:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/