歩きスマホについて~日常のヒヤリハットから思ったこと(後編)
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《画像は19世紀の歩きスマホ、ならぬ歩き讃美歌集》
前回のお話から派生する問題に、「スマホ・ゾンビ」、いわゆる歩きスマホがあります。この歩きスマホの問題を、視覚障害との関連で書いてみようと思います。
私も歩きスマホを…
白状すると、少ないながらも、私も歩きスマホをしてしまったことがあります。それでぶつかる等、事故を起こしたことは幸運にしてありません。しかし「わざわざ止まるまでもないだろう」という油断がどこかにあったと思います。なお、電柱にぶつかりかけたことは何度かあります。
なぜ人は歩きスマホをするのか?
思うに、歩きスマホは、前方から向かってくる人が避けてくれることを無意識に期待している行動なのではないでしょうか。歩いているだけでも、衝突予防に無意識によけていることは日常的にあります。相手がスマホを見ているならば、より「避けよう」という意識が高まります。個人的には、相手方の回避行動を勝手に期待していたふしがあります。電柱にはその甘えが通用しなかったということです。
そして視覚障害を有している方にも、私のこの甘えは通用しないわけです。自分は視線をそらしても相手は見ていてくれるはず、という前提はここでも修正を迫られます。
たとえば自動車の交通ルールに目を転じてみると、相手がルールを守っていることを必ずしも前提としていない部分があります。交通法規を守っている限りは、相手が多少の違反をしてきても事故を回避できるような安全マージンが設定されています。この点は、自動車教習所に通ったことがある人なら体感したことがあるかと思います。
どうすれば?
視覚障害も考慮に入れると、現状で歩きスマホを容認するのは難しいと言わざるを得ません。しかし長期的には禁止はうまくゆかないと思います。ゆくゆくは、いっそスマホに歩行者などを検知する機能をつけて歩きスマホを公式に認めるとか、スマホ歩き専用レーンを設置するなど、危険だけを除去する考え方のほうが「スマート」かもしれません。
参考文献
これで安全?、歩きスマホ専用レーンが登場 中国・重慶 CNN
https://www.cnn.co.jp/
歩きスマホを撲滅できないなら、逆に公認すればよい 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/