デジタルメディスンとは?薬の飲み忘れを防ぐ画期的な発明
暮らし薬の飲み忘れを防ぐために
皆さんは、統合失調症という病気をご存知ですか?心や考えがまとまり辛くなり、幻聴や妄想が聞こえたり見えたりする病気で、成人の100人に1人がかかるとされる病気です。
わたしはこの統合失調症をわずらい、一時は入院していたという過去があります。その時主治医に言われたのが「絶対に薬を飲むのを忘れてはならない」と言うことでした。薬を中断すると、再発リスクが増え、さらに重篤な症状になってしまうそうです。そこで今回は、薬の飲み忘れを防ぐ画期的な発明、”デジタルメディスン”について皆さんにご紹介したいと思います。
デジタルメディスンとは
大塚製薬とアメリカのプロテウス社が開発した、全く新しい医療のしくみです。抗精神病薬に摂取可能なセンサーを組み込み、患者の服薬情報を共有できるというもので、薬の飲み忘れなどで症状が悪化する事態を未然に防ぐことができます。服用後にセンサーが信号を発し、患者の身体に貼り付けたパッチ形状の検出器が信号を検地して服薬日時などのデータを取得できる様になっており、現在ではこの仕組みに他社も追随しているらしく、多くの会社がITを活用して服薬を適正化する研究に力を入れているそうです。今回は、エビリファイという薬を使ってデジタルメディスンが承認されました。
デジタルメディスンの特徴
錠剤を服用すると、センサーが胃内でシグナルを発し、患者の身体に貼り付けたシグナル検出器「マイサイト パッチ」がそれを検出。患者の服薬データのみならず活動状況などのデータも記録し、専用の「マイサイト アプリ」に送信します。アプリには睡眠やその日の気分などを患者が入力することもでき、これらのデータは患者の同意があれば医療従事者や介護者にも共有されます。なお、薬に埋め込まれたセンサーはシリコンと微量の銅、そしてマグネシウムで出来ており排せつ時に対外へ排出されるしくみとなっており、有害なものではないそうです。
エビリファイとは
統合失調症や双極性障害など、精神の病気をもっている患者が服用するくすりのひとつです。脳内に作用し、幻覚、妄想などの症状を抑えます。不安定な精神状態を安定させるとともに、やる気がしない、何も興味が持てないという状態を改善します。副作用としては 体重の増加、不眠、便秘、じっとし辛くなるアカシジアなどがあります。
参考:障害者ドットコム「エビリファイLAIってなんのこと?」
参考:くすりのしおり
まとめ
今回ご紹介したのは、エビリファイと言う薬のデジタル化でしたが、現在様々な医療関係企業が開発を行っているそうなので、近い将来「薬はデジタルで管理するのが当たり前」と言う時代がやってくるのかもしれません。最後に努力するのは人であり、飲み忘れを防ぐのは自分自身であるということもまた忘れずにいたいものですが、高齢者や寝たきりの患者さんなどにはこのシステムは大いに役立つのではないでしょうか。
参考文献
世界初のデジタルメディスン
「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCiteR)」 米国承認
https://www.otsuka.co.jp
究極の飲み忘れ防止 「デジタル薬」の可能性
https://newswitch.jp