うつ病持ちからのメッセージ~職場への適応はほどほどに
仕事「過剰適応問題を念頭に、適応すべき範囲・程度により意識的であるべきである。」
これには次の3つの理由があります。
①適応も度が過ぎると「他と同じ」になってその人の魅力・強みが失われる
②過剰適応によって負担をかかえこみすぎ、うつを発症するリスクが高まる
③「適応できすぎている事例」を提供してしまい、結果的に他の人への適応圧力になる
生物の進化は、環境への適応が生存の成否を決めることを物語っています。現代のビジネスの世界でも変化に対応できるかどうかが、その企業の盛衰を左右します。そして個人のレベルにおいては、職場に対する適応要請があります。職場の雰囲気・常識に合わせて振る舞うということです。これが全く出来なければ組織の中で動くのは難しくなります。しかし私は、現状においてしばしば、適応が過剰になっていると考えます。どこまで適応し、どの程度自分を出していくか、この点についてより意識的であるべきと思うのです。
強みが失われる
その理由の第一は、適応が過剰になると「他と同じ」になってしまい、各人の魅力・強みが失われる点にあります。ある程度のアピールはしないと、あなたがどんな人なのか周囲に伝わらないのです。上手にアピールできる人は、自分の強みも失わずに組織で活躍できるということになります。無難なだけでは本当に企業で必要な人材になるのは難しいものです。
健康リスク
もうひとつの理由は、過剰適応によってうつ等を発症するリスクが高まることです。うつはパワハラによってのみ起きるものではありません。やりたいことをやらずに抑える、やりたくないことを無理して進める、そうしたことの繰り返しでもうつになり得ます。実際に私がうつ病を得たのには、不本意な業務を続けたことも一因としてあります。会社で長く働き続けるために、ストレスの逃がし方は確保しておきましょう。
他者への影響
また適応できすぎる事例を提供することによって、結果的に他の人への適応圧力となる危険がある点も重要です。適応の程度が全員問題ないレベルであっても、過剰適応している人が目の前にいれば、相対的に他の人が怠けているように見える可能性があります。はみ出すことや自分をアピールすることが、周囲への配慮を意味する場合もあるのです。『自分が自分を押し殺しているのと同じ分だけ、相手も自分を押し殺してくれないと怒りを持つように』(JUSTホームページ)なるという面もあります。
さいごに
職場の適応が過剰でなくなれば、障がい者がその職場で働きやすくもなります。自分はどうありたいのか、自分のことを正確に把握するのは意外と難しいことです。常識に配慮するのと同じくらいに『「好き勝手に生きることを全力でやっていく」ということ』(ログミーホームページ)も大事ということです。なお、私は適応過少のようで、必要以上に自由奔放としばしば言われます。私はもう少し周囲の空気を読んだほうが良いようです。
参考文献
精神疾患の人はユニークで個性的–バイアスをなくした日本がたどり着く未来 – ログミー
http://logmi.jp
過剰適応 – JUST
https://www.just.or.jp