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障害者の鉄道運賃割引制度について、10月27日におよそ3万人の署名が国土交通省へ提出されました。主に適用条件などの不備を見直すよう求められているのですが、鉄道における障害者割引にはどのような不備があるのでしょうか。
指摘されているのは、「割引のきくICカードが介助者同伴でないと買えない」「単独乗車では、区間距離が101km以上でないと適用されない」「精神障害を対象としない鉄道会社が多い」といった点です。要するに、障害者は介助者と一緒でないと行動できないという前提が未だに残っているという訳です。これらの制限は1952年に旧国鉄が導入した制度を土台としており、70年以上も放置されたことで時代にそぐわなくなってきています。
障害者の大半は極めて収入が低く、作業所やリハビリへの交通費だけでもかなり大きな出費となります。作業所の工賃より交通費のほうが高いという人も多いのではないでしょうか。十分な障害者就労が行き渡って経済的余裕が生まれれば、日々の交通費で悩むこともなくなります。ですが、それは現実的に難しいので、割引の対象を広げるのは良い落としどころではないかと思います。
ただ、鉄道会社によって割引の基準や内容は違っており、国土交通省に大きな強制力があるという訳でもありません。鉄道会社にとっても収益がかかっていますので、譲れないラインもある筈です。色々と、今後の折衝次第となるでしょう。
なお、ごく一部の界隈では「電車で知的障害者をよく見かけるのは、障害者割引によってタダで乗り回しているからだ」などと信じられておりますが、鉄道の障害者割引はほとんどが5割引で、全額割引があっても対象は乳幼児までです。成人の障害者が全額割引を受けるケースは全体から見て非常に稀とみていいでしょう。
参考サイト
制限ばかりの鉄道「障害者割引」改善求め、当事者らが署名3万筆提出
https://www.tokyo-np.co.jp
遥けき博愛の郷
遥けき博愛の郷
大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。
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