つい最近までパニック障害を誤解していた事

パニック障害・不安障害

unsplash-logo Ashim D’Silva

ここ数カ月の間、ジャニーズの若手が相次いで活動休止したことを皮切りに「パニック障害」の認知度が少しだけ上がりました。パニック障害をカミングアウトした大物芸能人も結構います。

パニック障害とは、前触れもなく激しい動悸や呼吸困難等に襲われる「パニック発作」、再び発作が起こるのではと疑う「予期不安」、不安に伴って電車移動など逃げ場の無い状況を避ける「広場恐怖」の3つによって成り立っています。発作自体は10人に1人が経験するとされており、予期不安などが重なって障害へ進展します。

パニック障害に関する基礎知識はこういったところでしょうか。調べてみれば10分もかからず分かることですね。ところが、私はその程度の知識すら得ようとしなかったあまりに恥ずかしい誤解を長年抱いていたのです。ここからは本題として精神疾患の知識を得る大切さを私の体験から説明しましょう。

誤解のきっかけはリサーチ不足

A型作業所に居た頃の話になります。私は人付き合いやスキンシップに関して避けたい方でしたので、利用者仲間が何の障害なのかはほとんど把握していませんでした。把握していたのは3人だけです。1人は手の障害、もう1人は目の障害、あとの1人がパニック障害で、ソースは本人の発言でした。しかも雑談を小耳にはさんだレベルのことです。

この時パニック障害について知見を得ようと動いていればよかったのですが、「彼と世間話をすることもない」と高を括っていた私はネット検索すらしませんでした。ただ「パニック」という言葉の響きから、不安や心の不均衡が身体全体から出てくるようなものだろうと考えていたのです。

そんな誤解を抱えたまま、彼はいつしか職員に採用されていました。(ところで、A型作業所で利用者が職員に登用されるケースってよくあるのでしょうか?)

勝手にパニック障害の当事者代表としてしまう

利用者から職員へステップアップした彼は、総評すると「やる気は十分だが、それが空回りしがち」な人でした。時は2017年、4月の法改正でA型事業所の経営が厳しくなると目されていた時期になると職場がかなりピリピリしだしたのですが、そこで彼の“良かれと思って”が散見されるようになります。

まず、「ちゃんと仕事をしているか監視するソフトを入れる!」と言いだしました。ライティング業務の上で必要な調べ物に対しても「サボってネットサーフィンしているのではないか!?」と疑ってかかる始末です。あまりに疑心暗鬼が過ぎる体制を他の職員に注意されたのかすぐにやめてくれました。

次に、「利用者との物理的距離」です。気に入らない態度があれば文字通り飛び込んできて肩をベシベシ叩いてくるといった事が数回ありました。利用者さんに「気安く叩かないでください」と注意されて怯んだ時もありましたが、その利用者さんは数日後に辞めてしまいました。仕事ぶりの良い方を失ったので、以後ボディタッチはなくなりました。

極めつけは「朝礼中に利用者と口論しだした」ことです。前日、私が通院で欠席していた間に別の利用者さんと一悶着あったようで、それが一晩経っても尾を引いていました。で、朝礼中に「その態度は何だ!一般就労は無理だ!」と、その利用者さんに怒鳴りつけて喧嘩になり、場のムードを最低調にしてしまいます。「皆の前で怒鳴りつけるのはよくない」と指摘されても、「どこの会社でもそうだ」と返す有様で、事業所長に指導されるまで反省していませんでした。

責任感ややる気に満ちている事は分かっていたのですが、それを考慮しても彼は直情的過ぎました。そして、パニック障害について何も知らないままの私は、「パニック障害はアンガーマネジメントが全然出来ない障害なのか。上司にすると大変だろうな。」と誤った認識を持ったまま数年を過ごします。

決めつけた時はすぐ調べる!

ジャニーズ若手の休養報道から、テレビでは時々パニック障害について触れられるようになりました。その中でふと「自分の記憶と違うなぁ……」と感じ、調べ直してみたら完全に自分が間違っていたわけです。目から鱗でした。

精神障害というのは調べるまで分からない事が非常に多く、精神科医や臨床心理士などの専門家でさえ解釈が個々人でブレる不安定な知識です。このネット時代でさえ、調べて理解の及ぶ範囲はごくごく僅かでしょう。それでも、付け焼刃の小さな知識量にしかならないと分かっていても調べてください。そして、致命的な誤解を正し、無理解から遠ざかっていきましょう。

聞きかじりの知識をひけらかすのも問題ですが、これからの時代に障害への誤解や甘い見積もりを放置していていいこともないでしょう。

まとめ

過去の経験から抱いたパニック障害への誤解と、それを正した些細な行動についてお話ししました。パニック発作そのものは10人に1人と、誰にでも起こりうるレベルです。こうしたことに理解を示さず厳しい態度で突き放していると、いざ自分に降りかかった時に誰が理解者になるのでしょう。

誰にでも起こりうる障害や疾患について少しでも理解をしておくことは、無理解からくる理不尽な行動を防ぎ、それが巡り巡って自分の保険となります。身近な人の障害へ寄り添うレベルへは更に踏み込んだ勉強が必要となってきますよ。

それにしても、「パニック障害の当事者は職場で怒鳴る」なんて誤解は我ながら酷すぎます。ただ「カミングアウトした所で社会人として望ましくない行いを許されるわけではない」くらいの言い訳はさせて頂きたいです。配慮すべき点と譲ってはいけない点の弁別はこれからの課題となるでしょうし。

参考文献

なぜパニック障害に悩む芸能人が多いのか|プレジデントオンライン
https://president.jp

パニック障害について|メディカルノート
https://medicalnote.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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