他人に求める合理的配慮〜それは本当に必要な配慮なのですか?

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unsplash-logo Chris Mai

障害者雇用の面接でよく聞かれることの1つに配慮事項は何ですか?という質問があります。合理的配慮について調べると「合理的配慮(ごうりてきはいりょ)とは、障害者から何らかの助けを求める意思の表明があった場合、過度な負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜のことである。」との事です。公的機関では義務ですが、民間では努力義務となっています。

自分が働いていた職場での例

企業が障害者を雇用する上で、中々採用までに至らない原因に障害者個人の配慮をどこまでしたらいいのかというのが有ります。また、障害者本人もどこまで伝えたらいいか分からないという方もおられます。足が悪い方ならスーツでも革靴ではなく、スニーカーで出勤を許可する。聴覚障害があるのなら、筆談用のホワイトボードで対応するなど様々な対応を取っていました。中々理解されにくいのは精神障害です。精神障害といっても範囲が広く、物理的に解決できる問題だけなら、ある程度は配慮できるでしょう。しかし、物理的に難しい配慮(聴覚過敏・視覚過敏・嗅覚過敏)などは、どこまで配慮していいのかは本人しか分からないことなのです。てんかんなどいつ発作が起きるか分からない障害に対しては、私の経験では採用や実習受け入れに関して控える傾向がありました。本人が薬で抑えられていますと言っても、いつ発作が起きるかは実際には企業は分からないのです。やはり企業としてはリスクを恐れます。

実習生対応での事例

私自身もうつ病を患い障害者枠で会社に雇用され、様々な障害をお持ちの方の企業実習生担当のOJTを長らく担当していました。会社の同僚も様々な障害を持っている方達でした。管理職だけは健常者です。実習前見学に来られた時に必ず聞くことは配慮してほしい点は何ですか?という問いでした。人によって配慮事項は様々です。特に無いと言う方から、こちらが覚えきれない程話す方も多々おられました。しかし、基本的なマナー(敬語が出来ない・挨拶ができないもしくはしない等)が出来ていないのを障害のせいにするのは違うとは常々思っていた事です。もし自分が本当に配慮してほしい事柄があるのなら、企業に行く前に箇条書きでもいいので、自分の中で整理して伝えるようにすれば、受け入れる企業も分かりやすいのです。配慮事項を伝えても、企業も出来ることと出来ない事があります。お互いに十分に話し合って、認識のズレを最小限にする事が重要だと考えています。

会社で実際に有った事例

ケース①聴覚過敏

会社に発達障害で聴覚過敏の方がおられました。会社の方針で個人の障害を公表していないので精神障害だと見た目では配慮事項が分からないのです。会社でお昼を食べながら同僚達と他愛のない会話をしていたのです。その時は何も問題が無かったのですが、後で上司から呼出しを受けました。お昼の話し声が気に障るという苦情があったという事です。特に騒いでいるわけではなく、楽しく会話しているだけだと思っていたのですが、苦情を訴えた人には苦痛と感じていたようです。結論としては、その場にいた関係者は別の部屋でお昼を取ることになったのです。これにはその場にいた人達は釈然としませんでした。何故なら文句を言った本人は一切会話せずスマホをいじっているだけで、わざわざそこで昼食を取らなくても、別の静かな部屋でも昼食が取ることが出来たからです。

ケース②視覚過敏

会社に聴覚障害の方がおられました。音や振動に対して敏感になるのは仕方が無い事ですが、僅かな音(革靴の足音や椅子を机に入れる際の振動)があると「音がうるさい」、同僚が自分の机の前を通っただけで自分の事を見ている「セクハラだ!」と、直接本人には言わず、上司を通して、苦情を入れていました。会社は配慮で可能な限り人が通らない所に机を置いて仕事をしてもらっていました。ある時、会社の隣の建物で暴行事件が発生した時がありました。怒声と叫び声が会社まで響き、パトカーが来て会社も騒然とした雰囲気になっていました。ふとその方を見ると全く気付いた様子もなく、淡々とパソコンに向かって仕事をしていました。それを見た時はかなり違和感を感じたのです。些細な音や振動で苦情を入れていたのに文句を言える相手がいないと何も言わないダブルスタンダードの姿勢が自分の中で怒りとして沸き上がりました。2つの実際に体験した事例を書きましたが、全ての障害をお持ちの方が無理難題を言う訳ではない事をご了承下さい。

上記の例は極論に感じる方もおられると思いますが、似たような事例はは日常茶飯事でした。細かく上げていけばキリがないぐらいです。、結論として感じたことは、「私は障害者、だから周りは自分に配慮して当然」というノイジーマイノリティーが他のサイレントマジョリティーも、健常者からこれだから障害者は・・・という誤解を与えるのを恐れているからです。あれもこれも全て配慮を求めることで本当に合理的配慮を必要としている方々まで誤解を受けるような事が無いことを切に願うばかりです。

参考文献

リタリコ仕事ナビ
https://snabi.jp

合理的配慮
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

ノイジーマイノリティ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

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40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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