入院の仕方あれこれ〜回復に一番良い入院方法とは

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精神障害者の入院には、任意入院(自発入院)、医療保護入院(非自発入院、応急入院)、措置入院(非自発入院、緊急措置入院)があります。自分の経験から入院の仕方によって、症状の回復傾向がかわることをご紹介させていただきます。

任意入院

任意入院(にんいにゅういん)とは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に定められている精神障害者の入院形態の1つであります。精神保健法の昭和63年改正で明文化された入院形式です。精神科病院への入院であっても、まず本人自身のインフォームドコンセントを得ることを基本としています。

インフォームドコンセント(英: informed consent)とは、「十分な情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念です。特に、医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で(英: informed)、対象者が自らの自由意志に基づいて医療従事者と方針において合意する(英: consent)ことです(単なる「同意」だけでなく、説明を受けた上で治療を拒否することもインフォームド・コンセントに含まれます)。

患者本人が納得した上での入院なので、本人にとって精神的な負担は軽くなります。また、主治医との治療における話し合いもスムーズに運びやすいです。日常において制限もそんなになく、自宅への日帰りや外泊、病院外への外出等が比較的許可が出やすいです。病院内にずっと閉じこもっているわけではないので、退屈感もそんなになくゆったりと治療に専念しやすいと思います。

医療保護入院

医療保護入院(いりょうほごにゅういん)は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律33条に定められている精神障害者の入院形態の1つ[1]です。入院を要する精神障害者は、その性質上、自ら必要な医療にアクセスする判断ができないことがあります。(インフォームドコンセントが成立しない[1])。自傷他害のおそれがある場合は措置入院または緊急措置入院として強制入院となりえますが、そこまでの症状がなくとも強制入院させることが必要であると判断されるときに適用されます。

強制入院制度としては、自傷他害のおそれを要求しないこと、公権力の責任で行うものではなく病院と家族の意思に基づくことが比較法的にも特異であります。入院期間は原則1年以内とされています[1]。症状が安定するまでは制限があります。個室に入れられ、病室も施錠されて病室外には出れないことが多いです。状態が安定してくると病室が大部屋にかわります。フロア内は自由に行き来できますが、他のフロアや院外へは出れません。家族から希望があれば外出や外泊ができますが、家族が迎えにくるなどの手間がかかります。単独で自宅まで帰ることは家族の同意と主治医の判断で可能になってきます。院内だけでは閉塞感がありしんどいですが、外泊等をすることにより外の世界に触れて症状は次第に良くなってきます。安定したら退院です。

措置入院

措置入院(そちにゅういん)は、精神保健福祉法29条に定める、精神障害者の入院形態の1つです。行政行為あるいは強制であることを強調する場合は「入院措置」と言うこともあります。自他を傷つける行為に及んだか,もしくは及ぶ可能性が高いケースを対象とします。精神障害者は、その病状によっては自傷や他害に至ることがあり、しかもこれを認識して医療に自ら頼ることが困難な場合があります。同法は精神障害者の入院について幾つかの法形態を定めますが、入院させなければ自傷他害のおそれがある場合について、これを都道府県知事(または政令指定都市の市長)の権限と責任において精神科病院に強制入院させるのが措置入院です。

緊急性のため、入院までの手続を簡素にして72時間まで強制入院させるものとして緊急措置入院があります。ベッドにくくられて、体が動かせない状態で点滴栄養です。のどが渇いても水をもらえません。尿道カテーテルを装着されて、72時間この状態が続きます。患者にはかなり精神的にも肉体的にもしんどいを通り越して辛い状態になります。私的にはここまでする必要はないと思います。その後は措置入院と同じ形式になります。入院期間は措置入院より長くなります。入院中の制限も多いです。一日中何もすることがなくて、外出もできず退屈で仕方ないです。精神的にもかえってまいってしまって、良くなっているとは思えません。

入院は有効な治療方法だと思います。任意入院がお勧めです。何も考えずゆったりと過ごして、精神的に落ち着かせるにはいい機会だと思います。また、カロリー計算された病院食で体重も減少し、肉体的にも良い効果があります。医療保護入院も、主治医や看護師の指示に従って行動すれば、外出や外泊などの制限がとれて、穏やかな気持ちで入院治療に専念できます。措置入院は、入院させられたことによる反抗心からはじめは主治医や看護師に反抗的になりますが、それも徐々になくなって、普通の入院生活になってきます。ただ、入院期間は一番長いです。

私の経験から措置入院のはじめの72時間はいらないと思います。72時間ベッドにくくりつけられることに対する反抗心が消えず、退院後もわだかまりを抱えてしまって、また再発、入院になりました。入院は自分の病気と向き合う良い機会です。穏やかな気持ちで3食昼寝付きくらいに思って、精神的に楽にゆったりと過ごすことをお勧めします。

参考文献

任意入院・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org

医療保護入院・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org

措置入院・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org

インフォームドコンセント・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org

yukoばばあ

yukoばばあ

52歳。30代から統合失調症になる。40代になって強迫性障害も発症する。幻覚、幻聴、妄想状態になり、現実と妄想の区別がつかなくなるが、入院治療と退院後は服薬治療で症状は治まり安定している。強迫性障害は継続中で、すぐに不安になり確認行為が続いているが、少しづつ回復に向かっていると思う。これまでに事務職や相談援助職をを経て、現在人生最後の就職活動中。自分が建てた家の中庭を見ながら過ごす休日に癒されている。

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