誤解されやすい非定型うつ病〜新型うつという造語・現代の魔女狩り

うつ病

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数年前にマスコミで若い世代を中心広がっていると報道された、新型うつという言葉がメディアで大きく取り上げられ、「まがまま」「甘え」という言葉でテレビや雑誌で大雑把に「うつ病」は甘えという論調が展開されました。日本精神神経学会では公式に「新型うつ」という病気はありませんとアナウンスをしています。しかし、何故、ここまで世間で広まってしまったのでしょうか?

新型うつという言葉を作ったマスコミ

新型うつ病という造語が出てきたのが、2010年頃と言われています。「精神科医にさえ理解不能な新しいうつ病で、会社に出てこなくなる若い社員が増えている」という形で報道されました。ふつうはうつ病だと宣告されると「私はそんな病気ではない」と否定するのに、彼らは平気で受け入れてしまいます。これまでは「病気になった私が悪い」と自責の念が強い人達が多いとされていましたが、彼らは上司や同僚など他人のせいにしてしまうというなどという報道(2012年9月にNHKスペシャル「職場を襲う新型うつ反響編」)や、休職して職場にはいかないくせに、外出して楽しいことには出ているという誤解を招く発言、書き方などがマスコミを通して蔓延していました。こうした報道のされ方をしたせいで、「それはただのわがままじゃないのか」「病気ではなく怠け者だ」という、猛烈なバッシングを招くことになりました。それに便乗して誤解を招く報道がされるなど、言葉だけが一人歩きしていました。

しかし、そもそも正式な精神医学の用語には「非定型うつ病」という定義はあっても、「新型うつ病」という言葉はありません。結局は、{この言葉は}中小企業などではうつ病などで休職した場合、解雇や退職勧告をするための便利な言葉に過ぎなかったのではないでしょうか?{繋ぎ}私自身がうつ病を発症してから休職している時に、退職勧告を受けた経験があるからです。

うつ病と非定型うつ病の違いはどこにあるのでしょうか

非定型うつ病は、定型うつ病と誤診されるケースもあります。共通点は、抑うつ感が現れること、集中力の低下、思考力や判断力の低下です。しかし、両者で異なるのは、症状の現れかたです。

落ち込みっぱなしの定型うつ病
楽しいことがあっても憂鬱のままです。食欲が落ち、不眠に悩まされることが多く、集中力が無くなり、朝から憂鬱な状態が続きます。抑うつと言われる状態です。中年の男性に患者が多いと言われているのが特徴です。

気分の高揚に問題ある非定型うつ病
夕方から夜にかけて、抑うつ発作が現れる事が多く、楽しい事があると、元気になる「気分反応性」が見られます。過食、過眠、夜間覚醒が多いのも特徴です。主に若年層に多いのが特徴です。この若年層に多いというのがいわゆる「最近の若い者は」という昔からある精神論が根底にあるのではないでしょうか?

非定型うつ病はほかの病気と併発しやすい

複数の精神疾患を併発することを「コモルビディティ」(共存・併存という意味です)と言います。非定型うつ病では高頻度で併発することが多いと言われています。ここでは併発しやすい精神疾患と誤診されやすい精神疾患を書いてみます。

併発しやすい病気【不安障害・パニック障害・双極性障害Ⅱ型】

もともと心の根底に不安気質を抱えている方は、他の精神疾患を併発しやすい特徴があります。非定型うつ病と併発しやすいと言われているのが、不安障害・パニック障害など多くあります。逆にパニック障害から神経が過敏になり非定型うつ病になりケースもあります。躁状態とうつ状態の両方が現れる双極性障害は見落としされやすいので要注意です。誤診されやすい病気に【境界性パーソナリティ障害・季節性うつ病・慢性疲労症候群】などがあり、治療法も違いますので、必ず医師と相談しましょう。非定型うつ病は様々な精神疾患に似ている所があり、誤診されやすい病気でもあります。非定型うつ病とは、治療法や薬の種類が違い、専門医でも見極めが難しいという事もあり、自分の考えや周りの意見をそのまま受け止めて決めつけず、病院に行く勇気を持ちましょう。

歴史を紐解くと、非定型うつ病は1959年イギリスで発見された病気です。かなり昔から知られていた病気なのです。専門家を名乗る精神科医が無責任な言動で扇動したため、会社にとって不都合なものを切り捨てる方便として使われているように思えて仕方がないのです。「無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり」これはソクラテスの言葉です。この言葉でこのコラムを締めさせて頂きます。

参考文献
やさしくわかる非定型うつ病【監修】貝谷久宜

参考にしたページのタイトル・サイト名
社会学者による「新型うつ」批判について、私が考えること(前編)
https://www.huffingtonpost.jp/toru-kumashiro/atypical-depression_b_11688324.html

「新型うつ」に関するゆきんのまとめ
https://togetter.com/

tkbn

tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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