視覚障害者サッカー「5人制サッカー」とは?~東京パラリンピック正式種目の一つに迫る

身体障害 スポーツ

去る8月15日に、東京2020組織委員会はパラリンピックの特設ページにて、スペシャル動画「Experience the unbelievable」を公開しました。この動画では視覚障害者サッカーの「5人制サッカー」を題材としており、どういった競技であるかだけでなく選手たちの巧みなプレーも収録されています。

動画ではかつてFCバルセロナで活躍し現在もJリーグのヴィッセル神戸で活躍するアンドレス・イニエスタ選手が出演しており、音を頼りにする5人制サッカーを体験している様子も収められています。

5人制サッカーとは

覚障害者サッカーとしてパラリンピック種目に登録されている「5人制サッカー」についての解説から入りましょう。「5人制サッカー」は、キーパー1人とフィールドプレーヤー4人の5人チーム同士で争うスタイルのサッカーです。

キーパーは比較的視覚障害の軽い(あるいは健常な)選手が務め、フィールドプレーヤーは全て視覚障害者で行います。それでも選手間の障害には個人差がありますので、フィールドプレーヤーは一様にアイマスクを装着します。ちなみに、「5人制サッカー」には「ブラインドサッカー」という通称もあります。

とにかく音が頼り

みな平等にアイマスクを装着したフィールドプレーヤーたちにとって、プレーの要となるのは「音」です。ボールには鈴が入っていて転がると音が鳴る仕組みになっています。また、両チームに「ガイド(コーラー)」がおり、それぞれの相手ゴールの裏からゴールへの距離や角度など情報を呼びかける役割を担っています。

フィールドプレーヤーはボールの音やガイドの声を頼りに試合を展開します。そのため、プレー中は観客も静かにするよう規定されています。しかし、ゴールを決めた時などプレー時間外はその限りでなく、試合の動いた瞬間だけ熱狂するのが許されるメリハリもまた5人制サッカーならではの特徴といえるでしょう。

トッププレーヤーのイニエスタ選手も体験

スペシャル動画では、長年FCバルセロナで主力を務め現在もJリーグのヴィッセル神戸でキャプテンとして活躍する名プレーヤー、アンドレス・イニエスタ選手が出演しています。同じアイマスクを付けてブラインドサッカーを体験しつつ収録に臨みました。

メイキング映像ではイニエスタ選手がブラインドサッカーを体験しています。完全に音を頼りにする慣れない環境でもすぐにボールを扱えるようになりましたが、実際のプレーとなると攻守ともに思い通りにいかず四苦八苦していました。しかし、そこは名プレーヤーです。撮影の合間には現役選手に教えを乞うなど、サッカーへ真剣に向き合う姿勢がイニエスタ選手にはありました。

主将の川村怜(りょう)選手をはじめイニエスタ選手との共演に心躍らせる選手ばかりで、撮影は終始和やかな雰囲気のもと進みました。プレーを終えたイニエスタ選手は、ブラインドサッカーの難しさと選手の高い技量を実感したと振り返りました。

知らなければ気付けない

スペシャル動画では「知らなければ気付けない」というフレーズが使われています。パラリンピックは中継や広報が若干緩いためか種目の把握すら完全でない人も多いでしょう。だからこそ、知るきっかけとしてスペシャル動画が収録されたのだと思います。

「驚き」も動画で多く使われたフレーズです。選手たちにとってはサッカーを成立させるにあたって当たり前のことですが、一般人が音だけで成り立つサッカーの存在を知るとまず驚かれるでしょう。「驚き」をきっかけに、障害も健常も関係なく人間とは可能性の生き物なのだと実感してください。限界を決めずに進み続けたアスリートたちの姿がそこにあります。

参考文献

視覚障害者5人制サッカー - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org

東京2020パラリンピック競技 5人制サッカー
https://tokyo2020.org/jp

障害者ドットコムニュース編集部

障害者ドットコムニュース編集部

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