発達障害専門の就労移行支援事業所の奇妙に感じたルール

発達障害

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この記事では、就労移行支援事業所にあるルールのうち、入所当初は奇妙に感じられたものをお伝えしたいと思います。

1.連絡先交換の禁止

私が通っているのは、発達障害専門の就労移行支援事業所です。具体的に言うと、ASD(アスペルガー症候群)、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)の3つの障害を持たれている方のみ受け入れています。それ以外の身体障害や知的障害を持たれている方は、受け入れていません。

そんな私が通っている事業所には、ルールが2つあります。まず1つ目は、通所者同士のメールアドレスなどの連絡先を交換することが禁止されていることです。つまり、通所者は事業所以外でのコミュニケーションを禁止されているということです。これは一見不合理に思えます。例えば、就職活動や自分の障害が悪化するなど、精神的に辛い状況に置かれた時、支援員の助けがあるとはいえ、1人の力で乗り切ることは難しいでしょう。そこで、通所者同士で連絡を密に取り合うことで連帯感が生まれ、精神的に辛い状況を乗り越えることが出来ます。このように、一般的には通所者同士で連絡を密にすることはむしろメリットが大きいことのように思えます。

しかし、これにはデメリットがあり、発達障害を持たれている方の場合それは顕著になります。発達障害の方の一般的な特徴として、コミュニケーションに苦手さがあるというものがあります。健常者の方にもあり得ますが障害の特徴から、周囲の人間と自覚が無いうちにいざこざを起こしてしまうというトラブルが発生することがあります。それでは、このような自覚が無いうちに人間関係のトラブルを起こしがちな発達障害の方同士が集まったら、どのようなことが起こり得ると思いますか。より多数の、かつより深刻なトラブルが起こるのは容易に想像がつくのではないでしょうか。私が通っている事業所にも、様々なトラブルがありました。具体的に言うと、自分の感情を制御することが出来ず、他の通所者に暴力をふるってしまった方や、訓練中にも関わらず、他の通所者に一方的に話し掛け続けて、話し掛けられた方が作業に集中できず、とうとう本人がいない時に対策を話し合わなければならなくなるまでに発展してしまった方など、様々なトラブルを起こされた方がいらっしゃいました。ここで、トラブルの内容よりも注目すべき点があります。これらのトラブルは、事業所内で起きたことであるという点です。ですから、支援員の方が迅速に対処を行うことが出来ました。逆に言えば、一歩でも事業所を出てしまえば、対処できないということです。よりトラブルが深刻さを増してしまうという危険性を排除するために、通所者同士の連絡先を交換することを禁止するというルールが作られているのです。

2.月に1度は土曜日に開所

ルールの2つ目は、月に1度は土曜日にも開所することです。他の事業所でも、何かイベントがあれば不定期に土曜日でも開所することはありますが、そうではなく定期的に開所していることは珍しいのではないでしょうか。私が通っている事業所で、土曜日に行われているのは冠婚葬祭のマナーなど、一般常識に分類される内容です。ありふれた内容であり、わざわざ土曜日に時間を取って行うことではないと思われるかもしれません。しかし、発達障害の方にとっては必要なことなのです。発達障害の方には、様々なこだわりを持たれている方がいらっしゃいます。それにより、健常者の方では気にならないような事でも、気になってしまいそれ以上理解が進まないと言うトラブルが起こり得るのです。それを防ぐために、わざわざ土曜日に時間を設けているのです。その証拠に、土曜日の訓練では通所者からの質問が多く、1つのテーマについて3回か4回訓練を行うのが普通です。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。いかがでしたか。一見奇妙に思えるルールにも、よく見れば合理的な考えのもとに成り立っているのです。それが少しでも伝わったなら、幸いです。

チビ

チビ

大学生の時に、広汎性発達障害であると診断され、数年後の診断では自閉症スペクトラム障害と診断されています。今は、就労移行支援事業所で、就職に向けて様々な訓練を受けています。拙い文章ではありますが、皆さんのヒントになれば幸いです。

発達障害 注意欠陥多動性障害(ADHD) 学習障害(LD) 自閉症スペクトラム障害

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