ここがヘンだよ、日本の「履歴書」

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unsplash-logo Ana Juma

こんにちは、ジョンとSです。企業への就職を考えた時に避けては通れない「履歴書」。これは、健常者であれ障害者であれ誰もが通る道です。が、健常者でさえ、年齢を重ねるにつれて転職先が見つかりにくくなったり、短期間で転々と仕事を変えていたりする場合も、新しい就職先が決まらなくなりがちです。こと、障害者の就労となるとなおさらです。これは、一般的にそうなのでしょうか?それとも、日本特有の文化なのでしょうか?今回は「履歴書」について、日本とアメリカを例に挙げ、比べていきます。

国によって、履歴書もさまざま

はじめに、「履歴書」と聞いて、どのような書式になっているか、思い浮かべてみてください。今、思い浮かべられた皆さんの履歴書は、ほぼ同じようなものと想像します。じつは、皆さんがイメージされた履歴書というのは、世界中みな同じ形式ではありません。日本には日本特有のスタイルがあり、海外にはその国ごとのスタイルがあります。ここでは、日本の履歴書とアメリカのそれとの、大きなちがいを紹介します。

基本情報に関する決定的な違い

日本の履歴書には、当然のように「性別欄・年齢欄・顔写真を貼る欄」があります。一方、アメリカの履歴書には、これらすべてがありません。それどころか、アメリカで経営者が人材を募集する時、履歴書にこれらの欄を付け加えたら「違法」となり、法的に罰せられます。理由は単純で、人を雇う上で、応募者の性別や年齢、どんな容姿かということは、業務に直接的な影響を与えるものではないからです。つまり、仕事さえしっかりしてくれたらそれでいい。という考え方です。良し悪しは置いておいて、人柄以上に「能力」を重視しています。

一方、日本で「性別欄・年齢欄・顔写真を貼る欄」が暗黙の了解になっているのは、同じ業務内容でも性別で給与に差があったり、そもそも性別ごとに就ける仕事が違ったり、高年齢だと長く働いてもらえないと経営者側に先入観があったり、外見でその人物を判断する文化が根付いていたりする、などがあるからです。こちらの理由には「差別」のイメージが付いてきます。では、なぜ2つの国を比べただけで、こうも違うのでしょう?

「島国文化」と「移民文化」

日本とアメリカを地理的・歴史的な視点で見ると、明らかに違う点は、日本は島国かつ鎖国をしていた時代もあり身内との調和を重んじる「島国文化」と言えます。アメリカは大陸ではあるものの元々先住民が暮らしていた所にヨーロッパから入植してきた人々が支配して創られた「移民文化」の国家と言えます。アメリカなど多民族国家やヨーロッパなど隣の国と陸続きの国々では、人種や宗教といった様々な要素が自然に混ざり合います。もちろんアメリカでも黒人差別やメキシコとの国境に壁を造ろうとする動きはありますが、人(従業員)を見る時に相手の性別や外見に対して日本のような目線で見るのとは異なり、その人の能力を基準に見るというのは(経営者の視点としては)理にかなっています。また日本においても、歴史が進むにつれて他国の文化が少しずつ入ってきたとはいえ、聖徳太子の「和をもって貴しとなす」の精神が現代まで受け継がれていますので、「右へならえ」的な異端を排除しようとする傾向が強いのも、うなづけます。このように見ると、それぞれの文化にそれぞれの長所短所が共存していることが分かります。

まとめ

一枚の「履歴書」を採り上げてみても国により実に多様です。そして、同じ書類にこうした違いが出来る背景には、国ごとの歴史・文化・民族性・地域性など、あらゆるものが複雑に絡み合っていることが分かります。障害者にとって、日本版の履歴書に書かなければならない内容によっては不自由を強いられる場面が健常者以上に出てくることもあります。私の場合ですと、女性として実生活を送っていますが公的な書類の性別が男性のため履歴書の性別欄に「男」と書かざるを得ません。顔写真についても同様で書類の性別と見た目の性別が一致しないため、今後の本格的な就職活動でも、書類選考を通過する段階で壁は高いだろうという予想はしています。そんな私は「郷に入っては郷に従え」的な空気に少なからず違和感を持ってしまうのですが、日本で企業への就職を考えるなら、その点を把握した上で就職活動へ臨むことも活動する中での大事なポイントになるでしょう。

ジョンとS

ジョンとS

企業の正社員として10年勤めました。性同一性障害への理解が得られず退職しました。
退職後、広汎性発達障害とも診断されましたが、現在の主治医には「当てはまらない」と断言されています。
現在は、就労移行支援事業所へ通いながら、性別への理解がある職場探しをしています。
趣味は、日本中を自転車で旅する、芸術鑑賞、詩を書いたりクイズを作ったり、本当にたくさんあります。

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