生きる!生きる!心の叫び

「生きる!」 生きる!生きる!心の叫び vol.12

スポーツ

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生きる!生きる!心の叫び vol.12 <毎月30日連載>

苦しい。身も心も。
困難の連続で、最後に必勝なんかあるのだろうか。
素晴らしいゴールを夢見るから途中の難儀に耐えられるんじゃないか。

もう無理だ。症状が加速的に進行している。
普通、人は日々の変化を感じにくい。
数年前の写真とかを見ると、若かったなとか有るかも知れない。
でも、日々、老けていってるなぁとは思わないし気が付かない。
自分の場合は身体の制御がどんどんと失われていくのが分かってしまう。
あまりにも急速だ。運動機能はあるのに統制が取れなく、フラストレーションが溜まる。
精神的苦痛だけではない、思わぬケガをする度に命の危険さえも感じる。
先日はトイレで必死に立ち上がろうとした際、勝手にウォシュレットのボタンを押してしまいビショビショになった。頭では水を避けたいと思うが、身体は震えるだけで動作せず成すがまま。濡れたパンツとズボンを一心不乱で履き、ぐっしょりとした喪失感だけが残った。
それでも外に出て車椅子を漕がなければならない。
筋力が落ちてきている腕、言うことを聞かない筋肉、前に進むにも体力が限界を迎える。心も限界だ。
誰か助けてくれ。
頼む、助けてくれ。
そう願っても、喧騒の中、一人沈み込むこの風景が変わることは無かった。

目的地が霞む。
そもそもどこへ向かっているのか。
ただ単に、症状が進行して、生きることが苦痛になっていくだけじゃないか。

エッセイを書いてきた。
水泳を続けてきた。
それを知った患者仲間に泣かれた。
佐久間さんのようには出来ないんだよ、生きる希望が持てないんだよ、と。

俺も泣きたい。
自分自身の状況にもだし、
患者仲間にだって、どうしてあげることも出来ない。
お互いに、どうすることも出来ないことが良くわかっている。
それでも寄り添いあうことは素敵な掛け替えのない貴重な時間だと思っている。

「生きる!」「生きる!」心の叫び。
同じ病気だった母と叔母。
ずっと会えていない息子達。
嬉しい時、悲しい時、楽しい時を共有することが出来なかったけれど、
佐久間勇人、俺はここに生きていたよ。


佐久間 勇人 Powered by スマイリーエッジ

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2010年、小脳が萎縮し、伝達神経系が徐々に破壊されていく神経難病脊髄小脳変性症であることを知りました。そこから今日までは沢山の経験・後悔がありました。人と出会い、生まれた笑顔、そのありがたみを人一倍感じとり、今まで気が付かなかったようなことを学べてきたような気がします。ハンデがある。でも、それは「個性」でもある。そう思うようになった時、生き方がかわりました。そして、障がい者水泳というスポーツに出会うことが出来たのです。目標を持ち、チャレンジし、全国障害者スポーツ大会(2015わかやま大会・2016いわて大会)においては新記録を樹立しました。まだまだやりたい。まだまだチャレンジしたい。継続していくことに最大の意義があると思います。何もしないで、後悔するのではなく、「いま」できることを思いっきりやりたい。限りある時間の中で出会うべくして出会えた“こと”。体験の中で見つけた思いをお伝えしています。

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