バイトをしながら就労移行支援を利用してみて、伝えたいこと

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出典:Photo by K8 on Unsplash

就労移行支援に意味があると思います。働きやすくなった感覚があります。

私は就労移行支援を利用しながら、アルバイトをして収入をえています。

就労移行支援を受けながら働くことは基本的に禁止となっているので、珍しい事例だと思います。

このコラムを読んでいるみなさんの中には「就労移行支援には意味があるのか、実際の就労で役に立つのか」と不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

少なくとも私は、就労移行支援のスタッフさんから「就労移行支援を受けながら働くことは基本的に禁止となっている」と伝えられたときは、実際そう思いました。

このコラムでは「バイトで収入をえながら就労移行支援を利用している立場」から、就労移行支援の効果について書いていきたいと思います。

このコラムが、就労移行支援に対して不安を感じていらっしゃる方の役に立てれば幸いです。

働きながら就労移行支援を利用できている理由

働きながら就労移行支援を利用できている理由としては、私の居住する自治体が条件付きで就労の許可を与えていただいたからです。本当に運がよかったなと思います。

条件つきの就労の許可とありますが、具体的には2つあると聞いています。

1つ目は、就労移行支援事業所への通所への影響がない程度ということです。

当たり前ですが、学生がアルバイトをするにあたって学業が優先されるように、就労移行支援制度を利用するならば、就労移行への通所が優先されます。

2つ目は、働くことによって多額の報酬をえていないことです。

例えば「働いていることで月に100万もの収入がある場合、それはもう就労移行支援を利用しなくてもよいのではないか」ということで、就労移行支援の利用許可が下りないようです。

このような条件の下、行政から就労の許可をいただき、私は働きながら就労移行支援を利用できています。

私が就労移行を利用するにあたり、契約に向けて話を進めていたとき、スタッフの方から「就労移行支援を受けながら働くことは原則禁止」というのを聞き、私はてっきり働きながら利用できると考えていたので、そのルールを理不尽に感じました。「働く」と「就労移行を利用する」を天秤にかけた結果「働く」を優先し、その事業所との連絡を断ちました。

こんな私の身勝手な我儘に構ってくださり、ダメ元でも行政に相談していただいた事業所のスタッフの方々には本当に感謝しています。

※私の就労許可に当たって、行政とやり取りをしていたのは私ではなく、現在利用している就労移行支援事業所のスタッフの方々です。そのため、実際の理由と書かれていることに多少違いが生じているかもしれません。

どんなバイトをしているか

私は地域の小売店で週2日ほど働いています。働き始めてから現在で5年目になります。

業務内容としては、商品提案やアドバイス等を行う接客対応や、お客様の使用用具の点検・修理、在庫管理や顧客情報のデータ入力などです。

地域の小売店という特性上、専門性は低い代わりに取扱商品が多岐にわたるので、今でも分からないことがあれば上司に尋ねてから対応することがあります。

私自身の障害特性などが相まって、注意を受けることや叱られることは今でもありますが、人間関係は良好ですので現在まで続けることができています。

バイト先での就労移行支援を利用し始めてからの変化

就労移行支援の効果を働いているときに感じ始めたのは、利用を開始してから半年ほど経過したころです。

スタッフの方々との面談や自己理解プログラムの受講などが功を奏して、私自身の障害特性を徐々に把握し、業務中に自分を客観視することができるようになりました。

その結果、以前より業務中のミスが減り、トラブルや想定外の事態が発生した際にも落ち着いて対応することができるようになりました。

またビジネスマナープログラムを受講することで以前より自信がついたのか、以前よりお客様対応に落ち着きが出たように感じています。

これらのおかげで、注意を受けることや叱られることが減り、帰宅後の疲労感も軽減されていると感じています。

私の場合、病状との兼ね合いで就労移行支援を2年利用してから就職したいと考えていましたので、比較的スロースタートでした。また私は日常の変化も気づきにくい人間なので、同じ状況でもより早く変化に気づく方もいると思います。逆もまた然りです。

終わりに

就労移行支援を利用しながら「働く」を実践している身として伝えたいことは、とても難しいことだとは思いますが、あまり不安に思わないで欲しいです。利用している方には自信を持って欲しいです。

「利用すること」に意義があると思います。少なくとも私はそう感じています。

通所する、休息をとる、話す、好きなことをする、就職活動をする、できることは人それぞれですが、今やれることに資源を割いて、今を大事にして欲しいです。

あと感謝を口に出すなど、形にした方がいいです。感謝されるととても嬉しいです。

働いていると辛いときなどもありますが、お客様から笑顔で感謝を伝えられると、とても嬉しい気持ちになり、日々の疲れがその言葉だけで癒されます。助けられています。

人間は支えあって生活する生き物です。あなたも家族や友人、行政の職員や就労移行支援のスタッフさんなど、多くの人間に支えられて今を生きていると思います。

今はその人たちにできることは少ないかもしれませんが、感謝を伝えることはできると思います。感謝を伝えるだけでも人を支えることはできます。おすすめです。

つまり、私が伝えたいことは「今を大事に」「感謝伝えへん?」です。


参考文献

【就労移行支援に通いながらバイトは禁止【利用可能なケースや費用対策を解説!】 大阪版就労移行支援おすすめナビ】
https://www.xn--q6vw15bczbg0p.jp

ponkichiy

ponkichiy

20代男性(ADHD、うつ病)
高校生の頃から、母から発達障害ではないかと指摘されていましたが、実際に心療内科を受診したのは大学3年生の時でした。
散歩をしながらカメラで風景を撮影したり、家でコーヒーを作って飲んだりするのが好きです。

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