新しい支援のカタチ「株式会社ALLii」

仕事
「明るく 働く 生きる。」 いち起業家の視点から、障害者と健常者の明るい未来を創造する vol.1 <毎月28日連載>

発芽ニンニクによる社会貢献



え?発芽ニンニク?と思われる方がほとんどだと思います。私自身も全くこの「発芽ニンニク」と「社会貢献」という、2つの言葉が結びつかず、お話をよくよく伺うまで全くと言っていいほど理解できませんでした。

“All life is interconnected and interdependent.” (すべてのものは支え合って生きている)

この言葉を社名に掲げ東京で活動する「株式会社ALLii(オーリー)」。高齢者や精神障害を含む障害者、シングルマザー、待機児童を抱える家庭の主婦、そして増加する“ひきこもり”等々の就労困難者に向けて、就労機会や経済活動の支援を行なっている会社です。事業内容の一つの、とても珍しく、ユニークな「発芽ニンニク」を使った支援が、今非常に注目を集めています。発芽ニンニクを使用して就労支援事業を行っているのは全国でもALLiiだけ。


ALLiiの事業目的



ALLiiは「発芽ニンニクを通して、農業および就労支援を基とした社会貢献で、より多くの人々が社会参画できるために尽力する」 と、事業目的を掲げています。

現在では、発芽ニンニクだけでなく、古本プロジェクト、空き家活用プロジェクト、地域コミュニティ、家事代行など、幅広い分野で有効なネットワークを繋ぎ、トータルで社会的弱者に対する支援活動を行なっています。


株式会社ALlii を設立された目的



代表取締役の篠崎秀彦氏によると、「本活動の一番のきっかけとなったのは東日本大震災。 実は、震災直後から現在に至るまでボランティア活動に従事し、東北地方に深い関わりを持っているのですが、未だに復興が進まない地域や、住み慣れた家に帰れないまま未だに仮設住宅に住み続けなければならない現状がここにあります。そして、働く意欲はあるけれど、本来の仕事、特に農業には戻れないという声が非常に多く、また災害から働く場所を失った高齢者、障害者の方々も本当に多いのですね。その方達に向けて、僕自身何かできないかと模索した結果、発芽ニンニクに辿り着きました。」と語ります。


ALLiiの取り組み



発芽ニンニクを皮切りに、障害者雇用のための「古本プロジェクト」、社会的弱者に向けた住まいの問題を解消し、空き家問題を解決する「空き家活用プロジェクト」、孤独を防止するべく高齢者のための「コミュニティづくり」と様々なネットワークによるシナジー効果で、数々の事業を行うALLii。今後も、どんどん新しい事業を増やしていきたい、と篠崎代表は意気込みを見せています。


NPO法人ではない理由



「なぜNPO法人にしないのか、疑問に思われる方も多いのですが、NPOって確かに素晴らしい団体ってイメージですよね。でもその一方で、寄付金や助成金で運営しているって思われたくないんです。それに、障害を持っているからって、弱い立場ではなく、ちゃんとビジネスやれるんだってところを見せたいんです。それは僕が、障害児学童で働いていた時、この子たちの将来を明るくするにはどうしたらいいか、ってことを日常的に考えていたところから、ずっと思ってることなんですけど。働いたら、絶対に対価が支払われなければならないです。それは健常者、障害者とか全く関係ないんですよね。そこを解決するにはNPOでなく、株式会社の組織でやりたいって、僕個人が思ったからなんですけど。もちろん今後、状況に応じて体制を変えたり、新法人を設立していくことは考えています。ALLiiが組織として成長した時に、実はこの会社は障害者で構成されていたんだ、って何かかっこいいじゃないですか。」と、篠崎代表は、笑顔で語ります。

次回は、その興味深い「発芽ニンニクプロジェクト」について、詳しく伺いたいと思います。


参照
ALLii http://allii.jp/

CHIHARU

CHIHARU

東京都出身。2児の働くワーキングママ。本業の傍ら、「障害者に関連する企業の会」に所属し、そこでの出逢いをきっかけに数々のNPOを支援する。「まずは知って欲しい」と強い思いを込めて、福祉等々のコラムを執筆中。
連絡先:<a href="mailto:info@mamama.site">info@mamama.site</a>

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