芸術家たちはいかにして障害を大きなパワーへと変えたのか

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unsplash-logo Yannis Papanastasopoulos

芸術家と精神疾患の関係性を耳にされたことはありますでしょうか?ここでは、多くの方によく知られているフィンセント・ファン・ゴッホとエドワルド・ムンク、そして草間弥生を取り上げて紹介したいと思います。彼らは障害を乗り越えたというよりは、障害から得たパワーを作品に落とし込んだように思われます。そんな彼らの作品と人生の一部にスポットを当てました。

ファンセント・ファン・ゴッホの場合

「ひまわり」などの作品で知られるゴッホですが、幼少の頃より酷い癇癪持ちで、極度の躁鬱状態を繰り返していたと言われており、何度か大きな発作を起こしては記憶を無くしたり、一晩中徘徊したりするような行動があったようです。画家になる前には幾つかの職業にも就きますがどれも上手くいかず、無職状態になり、弟からの資金援助により幼い頃からの趣味であったデッサンを素描していたところ、画家になることを思い立ち、画家を目指したのが27歳でした。画家になってからも自身の耳を切り落とすなどの奇行により、サン・レミ精神病院にて療養することとなり、この療養中に彼は代表作である「星月夜」を描き上げました。この、暗く静まり返った夜の街にまばゆいばかりの月と星を散りばめたという作品は、病室の小さな窓から見える夜景を描いたものだそうです。

ゴッホの画家としての活動期間は10年と短く、しかしながらその10年の間で900作もの作品を描き上げ、まさに寝る間も惜しんでの制作だったといえます。37歳と若くして亡くなったゴッホですが、おそらく双極性障害を患っていた(その他にもアルコール依存やニコチン中毒など様々な問題を抱えていたようです)と言われており、現在では、ゴッホの誕生日である3月30日が世界双極性障害デーと制定されています。

エドワルド・ムンクの場合

ムンクはノルウェーの名家に生まれ、幼少の頃に母と姉を結核で亡くしています。ムンク自身も虚弱体質であったと言われており、そこから得た「死」のイメージや「不安」「孤独」などをテーマとした作品は一部世間から受け入れられない時期もありましたが、今ではノルウェーを代表する画家となりました。

そんな彼の代表作と言えば「叫び」です。赤く染まったフィヨルドの夕焼けと不気味な形、橋の上にはムンク自身であると思われる、叫びに堪えかねて耳を塞いでいる男が立っています。究極にデフォルメされた人体、禍々しいまでの筆跡の背景と、画面からは、橋の上の男が感じた見えない不安が痛々しいほど伝わってきます。

ムンクはこの作品を描いた10年ほど後から、はっきりとした精神障害をきたし、精神科医のもとで療養生活を送るようになりました。精神症状は被害妄想が中心で、ムンクが統合失調症を患っていたことはほぼ間違いないと言われています。「叫び」が描かれた時期と療養期間にはズレがありますが、「叫び」自体が幻覚体験を表しているともいえ、この絵を描いた時期からすでに統合失調症の症状がみられたのではないかと推測されるそうです。

草間彌生の場合

長野県松本市の種苗業を営む裕福な家庭に生まれた草間は、幼い頃からスケッチに興味を持っており、近所の花畑などに行ってはスケッチをしていたそうです。そんな草間は10歳頃から統合失調症を患っており、当時は世間にあまり知られていなかったことから、はっきりと診断もつかず、幻覚や幻聴などの症状が彼女を苦しめました。そんな症状から逃れたいがために、草間は幻覚や幻聴の症状を絵に描きとめました。これが草間を代表するとも言える「水玉」のモチーフの原点です。そして16歳で草間は「第一回全信州美術展覧会」に選出され芸術家としての頭角を現しました。女学校卒業後は京都市立美術工芸学校で日本画を学びますが、古い考えに囚われていた日本画壇に失望し、松本に帰ることになりました。そして松本にて2度に渡る個展を開いた後、草間は27歳で渡米する決心をしました。そして、ニューヨークでの活動の中でパートナーであったジョセフ・コーネルの死に直面し、草間は精神的な不調に襲われ、日本に帰国し入院することになります。悲しみのどん底で彼女は小説や詩集を多数発表し始めます。1990年の初頭から草間の活動は活発になり、世界的にも評価は高まり、2012年にはルイ・ヴィトンとのコラボレーションを発表するなど、デザインの分野における活動も見られます。

まとめ

私自身もなんとなく聞いたことがあった画家達の精神疾患ですが、コラムを書くにあたり調べたことで新たな発見もありました。障害から引き起こされる不安、苦しみ、悲しみを発展させ大きなエネルギーとし、作品を作り上げた彼らの人生の一部を紹介しました。彼らが意図してのことでは無いでしょうが、障害が抱えながらも偉業を成し遂げた事実を垣間見ることで何か皆さんのプラスになれば幸いです。

参考文献

ゴッホについてあなたが知らない8つの事実!壮絶な人生が分かる本も紹介!
https://honcierge.jp

ゴッホもかかっていた「双極性障害」を知って!
https://kenko100.jp/#gsc.tab=0

統合失調症だった著名人
https://www.mental-navi.net/togoshicchosho

ムンクの代表作品・経歴・解説
http://lempicka7art.blog.fc2.com

草間彌生、その波乱の起き人生で「水玉」模様に込めた思い、少女期の病魔との闘いと、芸術への挑戦
https://www.seminarjyoho.com

草間彌生の経歴と生い立ち
https://media.thisisgallery.com

あおぞら

あおぞら

アラサー女のあおぞらです。抱えている障害は統合失調症。学生時代に芸術大学で学んでいた経験から、現在も美術鑑賞、イラスト制作は趣味で、最近はまっているのは韓流ドラマとお笑い芸人がパーソナリティの深夜ラジオ。最近頑張っていることはジムでのトレーニング。楽しいことや美味しい物が好きなマイペース人間です。現在は就職活動中です。

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