私が就労移行支援に通って変わったこと

仕事

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現在私は就労移行支援事業所に通っております。就労移行支援とは障害を持った方が、一般企業の障害者採用枠を目指して、支援を受けながら様々な訓練を積む場所です。今回は私が就労移行支援に通うなかで変わったことや成長したことについてお話したいと思います。

生活リズム・体調が安定した

就労移行支援に通い始めると、まず体調安定の期間を設けられます。その中で就職後を見据えた体調を調整できるように生活指導がなされます。私の場合、就労移行支援に通うことになった当初は、午前2時就寝で施設に通っていました。これには生活指導の方から「遅すぎる」と指摘を受けました。

それから徐々に眠る時間を早くしていき、服薬時間も一定にしていきました。今までの職場では始業時間に合わせて睡眠時間を調整できていたので、体調安定にシビアになることに初めは懐疑的でした。しかし、実際振り返ってみると日中の眠気やイライラ感の軽減にも、生活リズムの一定化というのが有効だったように思います。結果的に、初めは辛かった就労移行への通所もだんだんと楽にこなせるようになっていきました。

また、体調安定を図っていく中で、自分にとって必要な就寝時間と言うのも分かってきました。よく言われる1.5時間の倍数の睡眠を取ればすっきりと起きられる、と言う話は私の場合は違っていて、大体8時間半〜10時間くらい睡眠をとればちょうどいいという事が分かりました。

また、頓服薬の利用法についても上手な使い方が分かってきました。飲んだらどういう副作用が出るか。私の場合、緊張が和らぐ代わりに強い眠さとだるさが襲ってくるのですが、その程度が分かったことで、よっぽどの時でない限りは頓服を使うのはやめようという判断を行うことができました。結果的に、以前に比べれば良好な体調で日々を過ごすことができるようになりました。また、日中に通える場所があるという事は、本当に心身に良いと実感しました。

ストレス耐性がついた

就労移行での研修の中に、ストレスマネジメント研修というものがあります。認知行動療法やコーピング(ストレスへの対処法)について学ぶ内容ですが、これが私にとっては一番の収穫でした。例えば、研修の一部に自動思考の修正というものがあります。これは人間には何かの出来事に対して自然と頭に浮かぶ考え(自動思考)があり、それが偏っていることがあるので修正していこうというものです。

こういった概念は、今までの自分の考えの中にはありませんでした。自動思考が浮かんでも、それにそのまま飲まれてしまって落ち込んでしまうことが茶飯事でした。ところが、今では日々起こる事に対してストレスを感じた時にも、それを一旦俯瞰してみたり冷静かつ合理的に考えるくせがついてきました。

これは過去のトラウマにも有効です。例えば、私は大学時代にゼミ合宿の企画をリーダーとして数人の委員とともに行っていましたが、宿選びで失敗し、一部のゼミ生から非難を受けたことがありました。その失敗を今日まで心の底で引きづってきていたのですが、この自動思考の修正というものを学んだことで、次のように修正する事が出来るようになりました。

「ゼミの企画はみんなで進めたものだし、宿選びも自分が押し付けられる形でやる羽目になったが、その中では全力でやった。自分だけの責任ではない。ただ、自分からももう少し他の人に協力を仰げれば、なお良かったかもしれない」というような風にです。この感覚はマインドフルネスに通ずるところもあると思いますが、一生もののスキルを身につけられたと思います。

主体性が身についた

就労移行に通う前や通ってしばらくの間は、自分には主体性というものが足りなかったと思います。何か嫌なことがあっても相手の責任と考えて、自分から動くという姿勢が足りませんでした。また、日本特有の「言わなくても察してほしい」という意識も強くあったと思います。しかし、就労移行に通う中で色々な困りごとやトラブルがあった時に「自分から発信する」ようにアドバイスを受けました。

これまで漫然と生きてきた自分にはなかなか難しい課題です。現在も、そしてこれからも取り組んでいく大きな課題ではありますが、取り掛かり始めたことで施設での活動だけでなく、プライベートの方でも役に立っている感覚があります。

誰かに手伝ってほしい時は「空気を読んでほしい」と考えるのではなく「手伝っていただけませんか?」と声を掛ける。誰かとの会話でショックを受けることがあれば「嫌な人だな」と禍根を残すのではなく「今のは少しショックでした」と自分の感想を言ってみる。私はこれを実行することで相手との関係を良好に保ったり、誤解を防ぐことに成功しました。

もちろん、言い出し辛かったり、いつもこれで上手くいく事ばかりではないと思いますが、出来る範囲で、この主体性を持って生きることを意識することで、かなり人生の質が変わってくるのではないかと思います。

ここまで、私が就労移行支援に通うことで変わったことや成長したことについてお話してきましたが、いかがだったでしょうか。この他にも就活の支援やPCスキルの向上・報連相の練習など企業に勤めるにあたって必要な様々な能力を向上させてこれたと実感しております。もし、障害をお持ちの方で就職を考えている方がいらっしゃれば、就労移行支援を利用してみることも一つの手だと思います。事業所によって行っている事や雰囲気も違うので、見学だけでもしてみるといいかもしれません。

HSPな30代男性。現在は就職活動中。
病名:社交不安障害・自閉症スペクトラム(グレーゾーン)・パニック障害・うつ病
趣味:ゲーム・音楽鑑賞。FalloutやSkyrim・Witcher3、Babymetalのファンです。

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