就労パスポートが導入されます~精神障害者の就労定着支援のためのツール

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これまで就労移行支援事業所ごとに、障害者の配慮事項の書類の書き方がバラバラだったため、企業側から厚生労働省に統一した情報共有ツールを作成して欲しいという意見がありました。それを受けて厚生労働省が作成したのが「就労パスポート」というものです。使用するかどうかは、障害者本人の自由とされています。一体どんなものなのでしょうか?

企業と障害者の情報共有ツール

就労パスポートは職務経験から配慮事項を自分自身で入力できます。どこまで記入して、どこまで情報を企業に開示するかは本人に委ねられています。口頭では伝えにくいことなど、就労パスポートを使用することによって、障害者自身の症状と配慮事項などを客観的に企業に説明できます。

統一される事のメリット

これまで、支援機関や公的機関などで、障害の配慮事項を書き込むさまざまなツールが存在していました。しかし項目が重複している、情報が散逸しやすいなどデメリットがありました。これらを統一することで、記入する障害者本人の負担が軽減され、採用する企業側が障害特性を客観的に視ることができるなどのメリットがあります。

精神障害者の定着率が低く、1年以内に半数が退職している現実があります。企業からは、精神障害は外見から分かりにくく、体調の波もあり「職場でどんな配慮が必要か分からない」「任せられる仕事を知りたい」といった声が多数出ていたため、厚生労働省が「就労パスポート」を作成したというのが今回の経緯です。

就労パスポートの記載内容を参照することによって、本人と雇用者、支援機関が共通認識を持つことができ、認識のズレを素早く解決するツールとして作成されています。就労パスポートは、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。まだまだ始まったばかりで、どこまで活用されるのか分かりませんが、障害者雇用の新たなツールとして期待したいですね。

参考文献

【厚生労働省 就労パスポート】
https://www.mhlw.go.jp/index.html

【一般社団法人全国地域生活支援機構】
https://jlsa-net.jp/

tkbn

tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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