和歌山・那智勝浦にバリアフリー宿を建設するクラウドファンディングのお知らせ
その他の障害・病気 身体障害熊野古道などで有名な和歌山県那智勝浦町にバリアフリー宿を作るというクラウドファンディングが現在実施されています。クラウドファンディングを呼び掛けている片原桜子さんは、後天的な下肢障害で車椅子ユーザーとなった経歴をお持ちです。
車椅子ユーザーになる前から海外旅行が好きだった片原さんは、障害を負った後も様々な国や地域へ旅行に出ていました。明らかな変化は宿泊先の確保が苦痛になったことで、観光地のバリアフリーは整っていてもホテルはそうでないことがよくありました。玄関からユニットバスまで段差がないかどうか問い合わせねばならないという変化は、片原さんにとって褒める点のない変化でした。
こうした経験を踏まえ、出身地である和歌山の那智勝浦にもバリアフリーの充実した宿泊先を作ろうと思い立ったわけです。建設予定地となる物件は既に確保しており、あとはバリアフリー設備の整った宿舎へ建て替えていくだけとなっています。クラウドファンディングで集められた資金の用途は、その設備投資です。
バリアフリー宿の構想
バリアフリー宿は、片原さんが既に購入した築80年の物件を建て替える形で建設されます。片原さんご自身の経験や身近な障害者・福祉業界人などのアドバイスを踏まえ、多様な福祉用具を導入しつつオープン時期は来春を目指しています。
バリアフリー宿の構想は、エレベーター完備のワンフロア貸し切りとなっており、宿泊人数は1組につき3+1人(ベッド3台と布団1セット)までで、1名のみでも対応できます。宿泊プランも1泊2食から素泊りまで様々なものを計画する予定です。お世辞にも広いとは言えない敷地ですが、その中で最善を尽くします。
また、宿を開きスタッフを雇用していく中で、空き店舗だらけの勝浦に活気を取り戻していきたいとも考えておられます。
集まった資金は福祉用具へ
クラウドファンディングで集まった資金の用途は、宿舎で使う福祉用具になります。バリアフリーを備えた宿泊施設が増えない原因として、設備を導入するハードルが高いことが挙げられます。それは費用面だけでなく施工段階でも暗い影を落とし、業者によっては導入を渋られることもあります。例えば3モーター式の介護ベッドだけでも購入だけで1台30万円は下りません。
このプロジェクトではシャワー室にも拘っています。客室が多少狭くなっても、車椅子がらくらく入る程のスペースを死守しており、内部は手すりやシャワーチェアを備える予定となっています。室内は介護ベッドの他、聴覚障害者向けのアラームやインターホンなど、一つでも多くの障害に配慮した設備の充実を目指します。
目標額は80万円に設定されておりますが、超過した分も新たな別の福祉用具へ投資する予定です。例えば、お客様のお荷物が軽くなるように、使い捨ての介護・介助用品を備え付けておくなどです。
和歌山県が認定する「ふるさと納税型クラウドファンディング」
このクラウドファンディングは和歌山県の認定する「ふるさと納税型」というスタイルをとっています。そのため県外のみを対象とした返礼品のプランもございます。
食事処「市場ごはん しげ」を経営し、競りの権利も取得されている片原さんならではの返礼品が多種用意されています。地元の無農薬野菜・生マグロ・調味料や、開けてみてのお楽しみという「仕送りセット」、地元住民として片原さんがガイドをする熊野詣や那智勝浦巡り、講演依頼の受付などです。
まとめ
那智勝浦で生まれ育ち旅を生き甲斐として後天的に下肢障害となってからも続けてきた片原さん。その経験を踏まえたバリアフリー宿のプロジェクトは、どんな人も気兼ねなく那智勝浦の旅を楽しんで欲しいという願いのもと始まりました。
実は目標額の80万円は既に越えており、90万円以上が集まっています。しかし、現在の計画は下肢障害と聴覚障害にのみ特化しており、他の障害への配慮は不足しています。一つでも多くの障害へ配慮できるよう、引き続き支援して頂けると幸いです。
一口3,000円~300,000円まで様々な返礼品プランが用意されています。ご希望の返礼品とご自身の住所に応じてお選びください。締め切りは2020年11月30日までです。
クラウドファンディングサイト
那智勝浦町バリアフリー宿、クラウドファンディングページ
https://motion-gallery.net
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