うつ病と甲状腺機能低下症~症状がそっくりでびっくり
うつ病 その他の障害・病気皆さんは、甲状腺機能低下症という病気をご存知ですか?私自身の病気である、うつ病と甲状腺機能低下症の関係性についてのお話をしたいと思います。
甲状腺機能低下症とは
甲状腺とは人間の首、のどぼとけの辺りにある内分泌器官です。甲状腺からは、全身の細胞の代謝を助けて働きを活発にする甲状腺ホルモンが分泌されています。このホルモンがうつ病と関係しているかもしれないのです。甲状腺ホルモンには、細胞の代謝を促す作用があります。そのため、甲状腺ホルモンが減ってしまうと細胞が代謝されにくくなり、肉体疲労が回復されず倦怠感に悩まされたり、神経伝達物質の一種であるセロトニンの分泌バランスが崩れ精神的に不安定になります。これを、「甲状腺機能低下症」と言います。
まるでうつ病みたい?
甲状腺機能低下症の症状である倦怠感や精神的不安定がうつ病の症状にそっくりなのです。便秘、発汗量の減少、過食症を併発する可能性があることもうつ病との類似点です。どちらの病気もセロトニンの分泌異常が関わっており、甲状腺機能低下症とうつ病には深い関わりがあることがわかります。実際に、甲状腺の機能低下が原因でうつ病になることもあります。
私の場合、もともと子ども時代に甲状腺機能低下症を患っており、大人になって安定していましたが、おかしな症状が出た時に先に心療内科へ行ったのでうつ病と診断され、その後甲状腺の検査を行うと低下していました。今となってはどちらが先という判断も難しいため、両方とものお薬を飲んでいます。
うつ病と甲状腺機能低下症の違いとは
大きな違いは、発症に至る経緯です。うつ病は主にストレスから発症すると考えられていますが、甲状腺機能低下症では、主に慢性甲状腺炎(橋本病)などの病気、遺伝、ヨード欠乏が挙げられます。私の場合は橋本病でした。
ストレスフリーな環境で過ごしているのに、うつ病の診断を受けた、またその時に甲状腺の血液検査をしていなかった、何年経ってもうつがよくならないなどありましたら、もしかしたらそれはうつ病ではなくて甲状腺機能低下症なのかもしれません。甲状腺の血液検査を受けてみてください(ふつうの血液検査では出ませんので、病院で甲状腺の血液検査がしたいと申し出てください)。精神科や心療内科などでも、血液検査をしないところや、甲状腺機能低下症自体があまり知られていないためうつ病と誤解してしまったり、単なる疲れのせいだと軽く見られてしまいがちです。実は、医療現場においても、甲状腺機能低下症とうつ病の関連性や詳細な違いについて、まだあまり知られていないのです。
甲状腺機能低下症は不足している甲状腺ホルモンを供給することで不快な症状は改善に向かいます。私の場合は薬の服用は基本的に一生涯と言われていますが、服用をしなくてよくなったという声も聞いたことがあります。ここまで読んでいただき、もしかして?と思い当たることがある場合は、ぜひ病院で相談してみてはいかがでしょうか?
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