左から、長島確さん、雫境さん、牧原依里さん、日比野克彦さん、島地保武さん
東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団は、ことし東京で開催される世界陸上とデフリンピックに向けて、3つのアートプロジェクト「TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム」を展開します。
その一環として“ろう者とろう文化に対する社会的認知”と“ろう者と聴者が互いに共通理解を図ること”を目的とした、ろう者と聴者が遭遇する舞台作品「黙るな 動け 呼吸しろ」が国立大学法人東京藝術大学と共に制作され、2025年11月29日(土)に東京文化会館大ホールで上演されます。
ろう者と聴者が交差する
舞台「黙るな 動け 呼吸しろ」は、ろう者にとっての“オンガク”と聴者にとっての“音楽”の本質を探求し、言葉や文化が異なる両者が創作の場で遭遇する、日本手話と日本語によるオリジナルストーリーです。
どうせ通じないからと黙り、どうせ変わらないからと動きを止める、そうした空気の停滞を打破するために出会いがあり、共に何かを創っていく場があります。世界の情勢や人々の認識が絶えず動いていく中で、異なる言語や文化が持つ呼吸のリズムが集まる時、そこに何が生まれるのでしょうか。
作品の詳細などは後日発表となっておりますが、出演者のオーディションについては3月16日(日)まで募集されています。オーディションで選ばれるのは、ろう者20名程度と、メインキャストとなる聴者3名程度です。また、夏には聴者側のエキストラを追加でオーディションする予定です。詳しくは公式サイトをご確認ください。
https://duk-tokyoforward2025.jp/audition/
この他にも、ろう者と聴者が協働する中で互いに感じた気付きや発見などの人間模様も追い、公式サイトやSNSで順次発信していく予定です。
命令形のタイトル
今のところ目を惹くのは、強い命令形のタイトルです。このタイトルの原点は、ろう者と聴者の間にある文化の違いが気付かれていないことです。まず両者の共通点として「呼吸」が出てきました。音声で発話する人のリズムと、手話の人のリズムは違っても呼吸はします。
互いに「動く」「黙る」をどう解釈するかは、ろう者と
制作陣も参加した公開ワークショップの様子
「違い」から始まる創造
ろう者と聴者の協働によって気付きを得ていくプロジェクト。既に得た気付きはあるのかを伺いました。
「今まで何度か聴者とクリエーションなどをやりましたが、必ず何かしらで揉めます。やはり、異なるという前提をもつろう者と、みんな同じという前提の聴者で食い違いがあって、本プロジェクトもその状態からのスタートでした。色々と議論を重ねて1年間、やっと互いに合意を得られてスムーズに進むようになりました。今はとてもスムーズでやりやすい環境です。その環境を一緒に作って来られたのが良かったですね。対話を重ねてどのような作品が完成するか、今から楽しみです」(牧原)
また、総合監修の日比野さんにはろう者との出会い、それで変わったこと、今後の展望などについて伺いました。
「記者会見の中で“障害者”とは言っていませんでした。ろう者は障害ではなく文化だという考えからです。世の中には障害者施設や障害者手帳といった単語があふれていますが、最初に障害者アートを知ったのが1990年代、アール・ブリュットなど知られていなかった時代からです。美術に限って言えば、個性的なものを互いに認め合い、単一でない答えでその人らしさが出る魅力があり、そこに障害の有無は関係なく魅力的です。アートから見れば、障害というより個性と言えるのが私の価値観です」
「舞台稽古の中で初めてのことも多いです。今やっているのはデフリンピックが大きなきっかけですが、個人的には10年前の出会いからろう文化に触れる機会が増えたかというとそうでもないので、今後に期待です」
「ろう者と聴者、それぞれの文化を互いに知るには、実際に作品を作ることです。学校など色々な場所で再演してもらえるような作品に仕上げていきたいですね」
https://www.youtube.com/watch?v=fmlJ3_GHtSo
「黙るな動け呼吸しろ」公式サイト
https://duk-tokyoforward2025.jp

障害者ドットコムニュース編集部
障害者ドットコムニュース編集部
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