双極性障害の人との関わり方~自身の体験から

うつ病 双極性障害(躁うつ病)

unsplash-logo Helena Lopes

双極性障害と聞いて何のことか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。私はうつ病と診断されてから後に双極性障害と診断されました。最初は何のことか分かりませんでしたが、躁うつ病と聞けば何となく聞いたことがあるのではないでしょうか。躁うつ病の症状として詳しく後ほど私の経験も踏まえながら記述しますが、簡単に言うと躁状態(普段よりもハイテンションで周りから見るととても元気であったり、怒りっぽかったりする状態)とうつ状態(普段よりも元気がなく口数も少なく落ち込んでいる状態)これらの躁状態とうつ状態を個人差はありますが行ったり来たりする病気です。

私が健常者の時に躁うつ病の人と関わった経験

私が住宅営業として働いていた時のことです。ご年配のお客様がいらっしゃり、当時私は入社2年目の若手社員でした。私のことを下の名前で○○君と呼んで頂けるほど非常に可愛がって下さりました。他社も営業に来ていましたが私を選んで下さり、契約間近となった打合せ日にそのお客様は酷く落ち込んでいる様子で、これまでの打合せの様子とは別人でした。「今日は帰って下さい。契約はしません。」と急な対応と気分の変化に戸惑った経験がありました。後々息子様からお話があったのですが、お客様は躁うつ病を患っておられるようでした。おそらく出会った当時は躁状態で、その後急にうつ状態になったのだと思います。私も病気になってから身をもって分かったのですが、躁状態が続けば続くほど急にうつ状態は訪れ落差が大きいのです。ジェットコースターのようなイメージです。当時はうつ病や躁うつ病など世間ではあまり知られておりませんでした。今でこそ病気を公表される芸能人の方がいたり、ニュースや本などで世間的にも認知されてきましたが、当時は偏った意見で大変申し訳なく思うのですが、変わった人、周りを振り回す人という印象を持っていました。

私が双極性障害(躁うつ病)になってから起こった症状

躁状態の時に起こった症状として、軽度なことから重度なことへと紹介していくと朝4時~5時に自然と目が覚める早朝覚醒。テンションが上がり一日中高揚感が続く。何でも出来そうな万能感が出る。2~3時間の睡眠でも平気になる。頭が活性化してアイデアが溢れてくる。起業を考える。人間関係に積極的になってしばらく会っていない人に連絡を次から次へとかける。多弁になる。活動的になっても疲れを感じなくなる。お金遣いが荒くなる。自分の思い通りにならないとイライラして人前で大声を出して怒ったり、泣いたりするなどです。

うつ状態の時に起こった症状としては、中途覚醒が多くなり睡眠の質が下がる。普段なら起こさない単純なミスが増える。日中の眠気が絶えずあくびが止まらなくなる。憂鬱な気分で布団から出られなくなる。甘い物に対する過食傾向が出る。一日中全身がだるい。何も出来ていない自分に対して自責の念に駆られる。表情がいつもより暗くなる。テレビや本などを見ていても内容が頭に入ってこない。会話のテンポが遅くなる。口数が少なくなる。体重が10㎏単位で増減する。動きがいつもより遅くなる。外出しない日は部屋着のままで髭を剃らないなど外見を気にしなくなる。電話やメールがくると憂鬱になる。会社を休みがちになる。全てのことに全く興味を持てなくなる。動悸が起こる。消えたい・死にたいと思ったり口にするなどです。

私が双極性障害になって気付いた周りの方の嬉しかった対応や言葉

私が当事者となって病気のことを打ち明けて嬉しかった周囲の対応や言葉についてお話したいと思います。対応としては、驚かないこと・特別扱いせず今まで通り接してくれたこと・否定しないこと・話をただ聴いてくれること・定期的に連絡をくれることです。嬉しかった言葉はたくさんあって書き切れませんが、「抱え込まず悩みをどんどん吐き出してこい」、「今の職場にうつ病の人がいるけど、すごく真面目に仕事に取り組んでくれているから、おれはうつ病という病気に対してネガティブな捉え方はしてなくて、うつ病になる人は真面目だからポジティブな印象がある。だから俺ならお前を選ぶよ」、「今日は来てくれて良かった。病気のことや悩みを打ち明けてくれてありがとう」など先輩や友人は今の私の状況を優しく包み込んでくれるような声を掛けて下さいました。

以上のように私の体験からですが、双極性障害の人と関わりがある方はその時の状況にもよると思いますが、基本的に今まで通りの対応をしてもらえるとこちらも変に気を遣わずに気楽に安心できて良いかと思います。しかし、私に起こった症状を見て頂いたかと思いますが、フラットな気分の時には問題ありませんが、いかにフラットな状態を維持するかが本人の課題です。普段に比べてあまりにも異常な変化が見られるようであれば、ご家族の方は一緒に病院へ付き添って状況を客観的に伝えてもらえると主治医の先生も適切な対応をとれるかと思います。再発リスクのある病気ですので早めの対応をおすすめします。

Lemon

Lemon

双極性障害の30代男性。新卒から営業職として勤めて中堅になってから鬱症状を発症。休職中に躁転し、その後病状が安定してから病気を伏せて就職するも再発し、再度休職、退職し現在に至る。現在は体調安定、自身の病気への理解、就職へ向けた研修を受けています。次の就職先では病気をオープンにして健康第一で無理のない仕事に就いて、長期就労を目指しています。

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