向精神薬が供給不足?新型コロナで需要増か?
うつ病 双極性障害(躁うつ病)出典: Photo by Hush Naidoo on Unsplash
新型コロナウイルスの感染拡大で心の不調を訴える人が増えています。それに伴い、抗うつ薬の需要が増加しています。その中でもファイザー社の「ゾロフト」(日本名ジェイゾロフト)が供給不足になるとの話も出ています。この薬はうつ病の治療などで広く使われているものです。私自身も10年以上、服用している薬ですので他人事には思えません。
そこで、この「ゾロフト」がどんな薬なのか、無くなるとどうなるのか、そして、本当に不足しているのかについて私の体験談も踏まえて解説していきます。
ゾロフトとはどんな薬?
ゾロフトは、憂鬱な気分や不安感をやわらげ、意欲を高める薬です。主に、うつ病やパニック障害、PTSDなどの症状の緩和に使用されます。
脳内の感情や気分をコントロールするセロトニンだけを増加させます。脳内のセロトニン不足は、抑うつ、睡眠障害を引き起こすことが知られています。また、ゾロフトは効果のわりに副作用が弱く、離脱症状も少ないため1日1回の服用で効果が期待でき、多くの精神科で気分障害の薬として使用されています。
また副作用として、胃腸関係、口が乾く、頭痛、浮動性めまいが挙げられています。私の場合は、ゾロフトを飲み忘れた時に浮動性めまいが副作用として出やすいです。
何故、供給不足が報道されたのでしょうか?
新型コロナウイルスの影響でアメリカでは、今年3月の調査で精神安定薬のゾロフトの処方が、前年比12%増加したと報道機関が発表しました。さらに、5月29日にFDA(アメリカ食品医薬品局)が、ゾロフトの供給が十分ではないとして、不足医薬品リストに追加したのです。
各国の製薬会社も、ゾロフトの後発薬(ジェネリック)の材料を十分に入手できないとFDAに報告しています。さまざまな国から、月単位での入荷待ちが発生していると報告されています。
慌てないで医師に相談しましょう
ファイザー社の広報担当者は、ジェイゾロフトの有効成分を自社で製造していると説明しています。使用量が増えているため、一時的に生産が追い付いていないようです。また、不足医薬品リストに追加されたからといって、すぐに無くなるわけではありません。
ゾロフトと同系統の薬はありますが、人によって薬の相性や副作用もあるので、安易に薬を変える必要はないでしょう。
参考文献
【ブルームバーグ ファイザーの抗うつ剤が供給不足、コロナに伴うメンタル不調で需要増】
https://www.bloomberg.co.jp/
【くすりのしおり ジェイゾロフトOD錠100mg 】
http://www.rad-ar.or.jp/siori/index.html
【ひだまりこころクリニック セルトラリンの効果や副作用についてご紹介】
https://hidamarikokoro.jp/sakae
【ウィキペディア FDA アメリカ食品医薬品局】
https://ja.wikipedia.org
【おくすり110番 セルトラリン ジェイゾロフト】
http://www.jah.ne.jp/~kako
【Bloomberg Zoloft Falls Into Shortage as Virus Anxiety Strains Supplies】
https://www.bloomberg.com/asia
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