私が就労移行支援に通うまで~体験談 Part.2「悪化してから休職を経て……」

仕事 うつ病

出典:Photo by Johann Trasch on Unsplash

これは私が就労移行支援事業所に通所を開始するまでの実際の体験談です。うつ病の発症からクローズ就労を経て、就労移行支援訓練に通い始めるまでの約10年間の話になります。全4回。今回は「2.悪化してから休職を経て……」です。

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27歳、ショーアシスタント

うつ病を悪化させた原因はショーを失敗させてはいけないという緊張感と、1日に何回もショーの準備をしなければいけないという業務過多による疲労です。

入社したのは9月終わり頃。夏休みが終わったばかりの9月の終わりから10月の始め頃は1日に2回くらいだったショーは11月の終わり頃には冬休みの時期ということもあり、忙しい日は1日に5回くらいはショーを行っていました。その度に舞台の準備をし、ショーの最中には舞台装置の操作をします。ショーとショーの間は約1時間。ショーが終わる度に私は舞台の上や観客席を走りまわりました。

夜にはその日の反省と舞台の練習があり、朝7時から働きだして終わるのは夜20時近くというハードスケジュールでした。時には深夜まで研修を行って会社が用意したホテルに一泊して翌日もそのまま勤務なんて日もありました。

同じ職場の人たちは上司も職人気質の人が多く、怒号が飛び交うことも多々ありましたし、注意を受けることも多々ありました。職場で働いているとき、私はそれまで特にストレスは気にしていませんでした。むしろ気にする余裕がないくらいに日々の業務が忙しかったのです。

しかし、一度家に帰るとものすごく落ち込みました。

いくら忙しくてもアルバイトはアルバイトです。社会的な補償もなく、給与は月によって替わる時給。同じ職場で働いている社員からは馬鹿にされ、アルバイトの先輩からは年下であっても子分のように扱われました。

徐々に私はストレスを抱え込んでいったのです。

そして、4カ月目に入るくらいのときでした。出勤時に激しい動機とめまいを感じ、そのまま職場の医務室へ。その時、初めて自分がうつ病であるということを職場で告白しました。医務室では担当医に優しく接してもらったのを覚えています。しばらくしてショーの責任者がやってきて、その日はそのまま家に帰ることになりました。

しかし私は家に帰らず、そのまま家の近くに新しくできた心療内科に向かい、再びうつ病の検査を受けました。結果は極度の疲労と職場のストレスによる「重度の抑うつ状態」。この時、何故か私はうつ病とは診断されませんでした。職場には医師から連絡してもらい、そのまま休職に。

その後、半年後に退職することになりました。

休職期間中は起き上がることも困難になり、ほぼ寝たきりの状態になりました。起きていたとしても良からぬ考えが頭の中で渦巻いており、いつ行動を起こしても不思議ではない状態でした。一度、失踪したこともあります。それでも私は「障害者手帳の申請を行いませんでした」。

何故か。

見得です。

余計なプライドです。

この時、「まだ大丈夫だ」と「まだいける」。

「症状が治まれば、前向きになったらまた普通に働ける」そんなことを考えていました。

28歳、意地を張った結果

28歳にもなると、同年代の親戚やら友人が次々と結婚し、家庭を持ち始めます。幸いなことに私にもお付き合いしている女性がいます。結婚するお約束もしています。この時、私が1番感じていたのは「焦り」です。

正社員でバリバリと周囲が働いているのに、自分はアルバイトで何をやっているんだと。

結婚相手を待たせてるのに、自分は……。

誰に言われてるわけでも無いのに1人で藻掻いていました。

そういう時こそ、一回落ち着いて休むべきだったなと、今では思っています。

意地やプライドを張って無理して自分を良く見せようとしても、後から来る反動が非常に大きく、その結果、私は身体も心も悪くしてしまいました。

28歳、再び訪れた転機

アミューズメントパークを退職してから1年後。私は再びクローズ就労で就職をします。

仕事の内容は「Webデザイナー」。公共職業訓練で学んだことがついに役に立つときがやってきました。就職する前も2回目の公共職業訓練に行ったり、独学で学んだり、技術の習得に励んでいました。その努力の結果が実を結んだのです。実に喜ばしい出来事でした。

が。

今度は今度で厄介ごとに巻き込まれます。実はその求人、「起業」に伴う求人だったのです。

つづく……

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ムギチャ

ムギチャ

32歳、うつ病で精神障害3級の手帳持ちです。
現在、就労移行支援訓練に通っています。
趣味はガンプラ!

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