私がうつ病になるなんて
うつ病出典:Photo by Marah Bashir on Unsplash
あなたは自分がうつ病になると思いますか?大抵の人はNOと答えるのではないでしょうか。以前の私もNOと答えていたでしょう。
「うつ病」は誰しもが聞いたことがある言葉だと思います。私も聞いたことはありましたが、勝手なイメージで「うつ病になる人は心が弱い人」と思っており、私には関係がないことだと決めつけていました。
しかし、2018年10月、22歳だった私は心療内科で「うつ病」と診断され、非常にショックを受けました。
体調を崩し始めた要因
私が体調を崩し始めたのは社会人2年目の夏のことでした。当時、同時に3つの大きな出来事があったのが、負担になっていたのだと思います。
1つ目は、同じ部署の大先輩が退職し、私が引き継いだことです。40年ほど働いていた人の後だったので、大きなプレッシャーを感じました。そして、代わりを務めなければならないという思いが負担になっていました。
2つ目は、社会人2年目になり、学んだことや今後の目標などを資料にまとめ、役員の前で発表することになったことです。製作期間は数か月あり、何度もやり直しました。仕事が終わっても、1日中頭から離れず、休日も休んだ気になりませんでした。
3つ目は、同じ部署の派遣さんが辞めることになったのですが、その後の人がたちが中々続かなったことです。急に来なくなったり、コミュニケーションをとってくれない人がいました。1から教え直さないといけなかったのが負担でした。
仕事から帰宅後、一気に疲れ、食事とお風呂以外の時間は寝ており、休日も、夕方まで寝たきりになる日が多くなりました。今まで好きだったことにも興味がなくなってしまいました。仕事がある日は憂鬱で、通勤中は吐き気があり、ひどいときは駅のトイレで吐いて会社に向かう日々でした。
今思えば相当なストレスがかかっていたのだと思います。
心療内科に通うまで
心療内科に通うまで4つの内科にお世話になりました。吐き気があったため、最初は町医者の内科に行きました。そこでは夏風邪だと診断され、点滴を打ってもらいました。次の日には回復したのですが、数日後また吐き気がしたので違う町医者に行き、そこでは夏バテと診断されました。
その後も体調不良が続いたので母親が心配し、少し大きな内科の病院に連れて行ってもらいましたが、原因は分かりませんでした。私はあまりにもしんどかったので、その場でうずくまって動けず、検査入院することになりました。
入院中も体調は優れませんでした。仕事のことが頭から離れず眠れません。「病名が分かったら職場の人に休んでいた、正当な理由を答えれる」と考えていましたが、一通り検査を終えた結果は「異常なし」でした。私はガッカリしました。身体が健康で良かったと喜ぶのではなく、職場の人に何て説明したらいいのか、サボっていたと思われるのではないかと思っていました。何らかの病気であって欲しいと願っていたのです。今思えば異常でした。
先生からは、「原因不明です。もしかしたら精神的なものかもしれません。心療内科に行ってみては?」と言われました。私はその言葉を遮るように「それは絶対にないです」と答えたので、もっと大きい内科の病院を紹介してもらいました。
退院後も、体調は優れませんでしたが、元気を装って働いていました。不眠、吐き気、そして食欲がなかったので点滴を何度も打ちました。救急車で運ばれる日もありました。
そして、紹介された大きな内科の病院に検査を含め、何度も通いましたが、やはり原因不明でした。その病院で点滴を打っているとき、落ち着かなくなり、点滴が嫌になりました。そして泣きながら外して欲しいと叫んでしまいました。その時、私は自分が精神的におかしくなっていると気づき、自ら「心療内科に行かせて欲しい」と頼みました。 その日うちに心療内科で診てもらい、先生から病名は何も言われませんでしたが、睡眠薬、吐き気止め、食欲増進する薬を処方してもらいました。その心療内科は土日が休みだったので、土曜日も診察している病院を紹介してもらうことになりました。
それでも、私はまだ働こうと思っていたのです。
うつ病と診断される
私は、なんとかまだ働いていましたが、ある日帰宅している途中に涙が溢れ止まりませんでした。しんどくてしんどくて、辛くて辛くて、泣いていました。途中で父親に泣きながら電話をしてむかえにきてもらいました。この時にようやく自分が限界だと気付きました。次の日、上司に休ませてほしいと伝え、了承してもらいました。
紹介してもらった心療内科に行き、今までのことを泣きながら話しました。診断名はうつ病です。診断書を書いてもらい3ヵ月休職することになりました。最終的には、もう3ヵ月休職し、計6ヵ月休職した後、退職する道を選びました。
うつ病となった原因
私は現在、社会復帰に向けて就労移行支援に通い、自分と向き合っています。通うまでは、「どうしてうつ病になったのだろうか」と疑問に思っていましたが、自分の性格によるものだと分かりました。色々ありますが、1番関係していることは、完璧主義な性格だということです。何事にも「ちゃんとしなければならない」と自分を追い込んでしまいます。また「~すべき」だという"すべき思考"が働き自分を苦しめてしまいます。完璧主義なので、人に頼ることができません。「自分の業務は自分だけですべき」だと思ってしまい、抱え込んでしまうのです。
他にも、ストレスを感じても、そのまま突っ走っていました。働いていた時は、「しんどくても、社会人だから当たり前、泣き言は言ってはいけない」と勝手に決めつけていました。ストレスがあっても気付かないフリをしていたのだと思います。
最後に
過去を振り返ると、私は今まで、良い環境で育ってきたと思っています。親にも恵まれ、気付けば周りには友達がいて、好きな人もいました。バイト先も、就職先も良い人ばかりで親切にしていただきました。大きな挫折もなく、順風満帆な生活を送っており、これからも続くと思っていました。なので、謙遜はしていましたが、自分のことが好きで、自分に自信があったのだと思います。
私が伝えたいことは、「うつ病」は誰にでもなる可能性がある身近な病気なのです。自分は大丈夫だと思っている人ほど危険です。うつ病になったことを友達に話すと、とても驚かれました。1番うつ病にならなそうだと言われ、私もそう思っていました。
最後にもう一度問いかけます。あなたは自分がうつ病になると思いますか?
答えはYESです。今の私ならこのように答えるでしょう。
うつ病