趣味で再び飛び出そう!~うつでも外出を目指して
うつ病出典:Photo by Christian Spies on Unsplash
外出って意外と難しい
うつ病などで引きこもりがちの方は、医師などから「外出したほうがいい」という指導を受けることが多いです。しかし、いざ外出しようとしてもいろんな理由で難しい場合も多いかと思います。将来的にデイケアや就労支援施設に通うとしても、それまでは外出するハードルが高くなりがちです。結果として社会復帰が遠くなることもあります。
そこで、私が見つけた解決法は「趣味を楽しむこと」でした。趣味を通して外出ができることが、社会復帰へどう繋がっているかをお話ししたいと思います。
どん底からの復活を目指して
私は正確にはうつ病ではなく、「双極性障害(躁うつ病)」と診断されています。気持ちが上向きになりすぎて、攻撃的になってしまい人間関係が崩壊したり、無計画な借金をしてしまうといった、「躁状態」という時期があります。そしてもう一つが、いわゆるうつ病のように気持ちが沈んでしまい、暗い気持ちのまま行動ができなくなったりする「うつ状態」です。それらを繰り返してしまう障害が「双極性障害」です。
私は前職から3年のブランクを経て就労移行支援で職業訓練を受けていますが、退職した際は酷いうつ状態になっていました。退職直前はシフト通りに通勤することができず、職場での居場所がなくなってしまい、今でも夢に見るほどトラウマです。
もちろん、そういった状態から急に元気になれるはずもなく退職後しばらくは、ほぼ家に引きこもっていました。それだけでなく、日中起きていることが苦痛なのに、夜は全く眠れず、入浴やトイレもままならない状態でした。
服薬を続けてなんとか日常生活が送れるようになったころ、医師に「外出して陽の光を浴びたほうがいい」と言われました。しかし当時はなかなか外出する気力はなく、引き続き自室にこもっていることが多かったです。ただ、「何か目的を作れば外出できるのでは?」と考えた結果、趣味のアーケードゲームを遊びに出かけることから始めました。
外出する「目的」
実は小中学生だった頃はアーケードゲームが趣味でした。学業や仕事で長いこと触れていなかったのですが、前職を辞める前に時間と資金に余裕ができたことで、ちょっとずつですが再び遊ぶようになっていました。活動する元気が少しずつ戻って、そのゲームを遊ぼうと思える気力も戻ってきたのです。
幸いなことに自宅からゲームセンターが遠くなく、自転車で通うことができました。体力も落ちている中、長時間電車に乗ったり歩いたりしなくてよかったのはメリットでした。時間に縛られることも、必ず通う必要もなく、自分の行きたいときに行けばいい、というのも気楽に動ける理由の一つだったのかもしれません。また、自転車で通っていたので、体力を付ける助けにもなりました。
そして何より、「好きなゲームを遊ぶこと」という目的ができ、外出する理由になったのです。その目的を達成するために、身なりを整えたりもできるようになりました。
自信も趣味で復活!
また、ゲームは私の身体だけでなく、気持ちも外へと連れ出してくれました。
現代ではSNSで気軽に同じ趣味の人と知り合うことができます。当時の私は前職で居場所がなくなったトラウマや、自信の無さで誰かと関わることが不安で孤独でした。そんな中、SNSで同じゲームが好きな人と関わるうちに、誰かに接することは怖くない、むしろ楽しいと再び思えるようになりました。そのうち他人や社会と関わることが怖くなくなり、本格的に社会復帰したいと考えるようになり、今の職業訓練に繋がっています。
そして私は今、就職に向けて就労移行支援を利用しています。最初はうつ状態の名残で生活リズムが安定せず、なかなか事業所にも通えませんでした。けれども根気よく続けることで、徐々に通所できるようになってきました。趣味のゲームも続けて遊んでいますし、それがきっかけで広がった人脈にもお世話になっています。
いろんな趣味で目指せ外出
こうして趣味によって気力や体力が徐々に戻り、社会復帰を目指せる状態まで回復できました。しかしそれは全ての方がすぐできるものではありません。できたとしても、時間がかかる方もいます。「自分の趣味ってなんだろう?」と悩まれる方、趣味があったとしても経済的な理由などで難しい方も多いかもしれません。
ただ、「できない」で終わってしまうのではなく、新たに趣味を探してみてはいかがでしょうか。例えば図書館に行けば、静かな環境の中、自分のペースで好みの本を無料で読むことが可能です。他にも、身体を動かすことが好きな方は、水泳などの選択肢もあります。市営などのプールであれば、障害者手帳の提示で利用料が免除されることも多いです。
趣味として楽しめることは意外と世の中にたくさんあります。元気が戻ってきて「何かしようか」と思えたときは、ぜひ、趣味を楽しんでみてください。
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