しんどい心をゆるめる読書録#5~『嫌われる勇気』
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こんにちは、かのんです。
しんどい心をゆるめる読書録第5回となります。
今回読んだ本は『嫌われる勇気』です。
統合失調症の当事者の1人から見て、どんな感想を抱いたのかをお話ししていきたいと思います。
この本は、有名で私が病気を患ってから、本を読めるようになった約3~4年前頃。
その時最初に手に取った本がこの『嫌われる勇気』でした。
精神にまつわる本はたくさんあれど、どの本から読めばいいか分からないとなったので、母がこの本を丁度持っていたので、借りて読み始めたのです。
この本は青年と哲人という2人の人物が5日の夜を過ごしながら、会話形式で書かれています。
優しく丁寧に話をしてくれる哲人に青年は疑問を投げかけ続けます。
その青年の疑問を哲人は青年によりそって話しを続けてくれて、内容は難しいというか厳しいお話もありますが、続きが気になって一気に読んでしまう、読みやすい本となっています。
青年の疑問はもっともな事ばかりですが、それが哲人、いわばアルフレッド・アドラーの見識としてアドラー心理学―哲学を色々と教えてくれます。
第1夜では人は変われるとお話してくれています。
前回のしんどい心をゆるめる読書録#4のコラムで、私は人は変えられないけど自分は変われるとお伝えし、そのお話が好きだとも言いました。
私自身、この本を読んでから、自分自身が変われると思い始めたのは、その3~4年前やそれ以前に、今の自分自身の状況が辛かった為、どうにかしたいという気持ち、どうにかならないだろうかという気持ちで精一杯だったので、この本の「人は変われる」に希望を見出したものでした。また別の機会に触れたいですが、この本を読んだおかげでアドラー心理学を知りたくなり、アドラー心理学を精神科の先生が書かれた本を数冊読ませて頂いています。それを読み、より一層頭を働かせ、知識を得たい欲に駆られたのです。
この第1夜のことから言えば、私は長年引きこもっていたり、孤立していたのは、その方が自分にとって都合が良かった。なぜなら外に出たくないという目的を達成しているとなります。それが幸せというわけではないですが、自身の中の人と関わって傷つきたくないという感情を優先するために、手段としてひきこもったと。私自身道を歩いていると人の目が気になってしまって外に出れないという事が続いていましたが、アドラー心理学ではトラウマも存在しないとなるそうです。大切なのは過去ではなく、今どうしたいか?という事。
過去に起きた出来事に、今現在どんな意味を持たせるかによって、考え方が変わってくるそうです。
私は長年過去の事で思い悩む時期が多々ありました。ですが、今過去に色々と経験しているからこそ、今現在の私がいる。就労でお仕事と呼べるようなことが出来るのも、こうしてコラムが書けるのも、長年悩みながら色々と書き続けてきたからこそ、書けるのだと。
過去の自分の辛かった出来事に、今現在の「いま、ここ」を全力で生きることが大事だと教えてくれます。
全編通してですが、アドラー心理学は「勇気」が大切だと。
そして人間関係の悩み。
私はこの本を読んで、今までの自分の人間関係は縦の人間関係だったのではないか?と思い起こしました。それと同時に、これからは横のつながりを作っていきたいとも切に願いました。
コロナ渦があって、それ以前の人達とはほとんど離れてしまいましたが、コロナ渦以降も繋がっている方々は何人かいらっしゃいます。
その方たちが私にとって横のつながりで、尊敬と愛を持って接しながら、これからもずっと大切にしていきたい人々なのではないかという気づきも得ることが出来ました。
この本は、難解ですぐには自分に落とし込むことができなくても、1度でも読んでいると、知識として覚えていて、間を開けてみたとき、「そいういえばこういうことなんじゃないのかな?」と、ふと気が付くときも出てくると思います。
私も本を読んで知識として得てから、自分にとって大切な人々。大切にしていきたい人々という気づきは、時間が経つと共に明確になってきた部分もありました。
というように、この『嫌われる勇気』は様々な人間関係においての気づきをもたらしてくれる本であり、自身を内省する機会にもなるのではないかと思います。
また次回のコラムでは、この本の続きともいえる『幸せになる勇気』も取り上げたいと思います。
それでは今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。
参考文献
『嫌われる勇気』
著者 岸見一郎
古賀史健
発行所 ダイアモンド社


