高齢の母と万博に行き、車椅子レンタルをしてみた。

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出典:Photo by Steven HWG on Unsplash

2025年のわたしの大きな思い出として、母とふたりで大阪・関西万博に行ったことがあげられます。

9月中旬に行ったのですが、まだまだ残暑が厳しく、日陰として有効なのは大屋根リングの下がメインでしたので、そこはまさにすし詰め状態でした。体力的には厳しい部分もありましたが、とても楽しい思い出になり、いい経験ができたなと感じています。

そんな万博の障害者に関する事やアクセシビリティの部分を少し書いてみたいと思います。

素晴らしいアクセシビリティ

会場は埋立地という特性を最大限に利用した効果か、全面がほぼシームレスな感じの段差がない構造になっていました。

母は高齢であり、リウマチの症状などもあるので車イスをレンタルしてわたしが押していたのですが、振動を感じることも少なかったそうで、あまり身体への負担はなかったようです。わたしとしては車イスに乗っている母の体調も気になって仕方なかったので、この部分は本当に嬉しく思いました。

優先枠の穴

車椅子や歩行器を無料レンタルできたり、優先入場のレーンが設けられていたりと、長時間の待機列が厳しい方への配慮が多くなされていました。わたしと母もこの恩恵にあずかりましたし、とても助かりました。

しかし、ここには大きな抜け穴がありました。

車椅子のレンタルや優先入場には特に提示するものが何も必要ではなく、すべて自己申告であったり、係員の目視での判断になっていました。

そういった"ゆるさ"から、意図的に悪用する人も出てきました。わたしが直接目にしたケースでも、誰も乗っていない車椅子を押しているだけでも、優先レーンに案内されていました。

知人に聞いた話でも、悪用する人がカラの車椅子を、乗るわけでもなくただの"パスポート"として持ち込むことがあると聞きました。

今後の課題?

悪知恵が働くことはある意味では尊敬できますが、その原因にはシステムのゆるさがあることも否定できないと思います。

これによってわたしたちが不利益を被ったことはありませんが、健常の方同士での「あれはおかしくないか?」という意見を生み出すことになっており、運営への不信感を生むことになっていたのではないでしょうか。

今後も2027年に花博こと「国際園芸博覧会」が横浜で行われます。こちらにも多くの来場者が予想されるため、厳密な入場の区分であったり、優先入場の方にはチケットを確認した上で腕章をつけるなどの対応が必要になってくるかもしれません。

とても楽しい万博体験でしたが、ほんの少しのモヤモヤも思い出として残ってしまいました。


参考文献【大阪・関西万博】ファストパスとしての車椅子、ベビーカー問題 https://nuinui358.dreamlog.jp/archives/59229983.html

新井 一生

新井 一生

社会人になってからパニック障害、統合失調症などを患った精神障害者。
精神病になってからも沢山の失敗を経験しながら、なんとか生きている。
好きなものはゲーム。

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