発達障害とは?①~知ってるようで知らない発達障害の基本

発達障害

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「発達障害」「ADHD」「アスペルガー症候群」という言葉を聞いたことがありますか?誰でもインターネットなどで気軽に情報を調べられる今の時代、どこかで耳にしたり目にする機会があったかも知れません。私も、自分の診断が下りる前から言葉だけは知っていました。身近になったようで意外とその実態を知られていない発達障害について、当事者の立場から、病院や就労移行支援事業所で学んだことも含め、紹介しようと思います。

発達障害ってどんな障害?

日本では、2004年に施行された発達障害者支援法という法律の中で、その定義がなされています。それによると、「発達障害」という表現は、自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)などを指す、幅広い概念であることが分かります。本人の意思とは関係なく・突発的に・運動や発声が反復して起こるチック症状を引き起こすトゥレット症候群なども、その中に含まれます。共通点としては、生まれつき(先天的に)脳機能の一部に障害があることで起きるもので、通常低年齢(およそ18歳くらいまで)において症状が発現するもの、と定義されています。

障害ごとの特徴が、それぞれ少しずつ重なり合う場合も多く、患者本人の年齢・環境により目立つ症状に差が出るので、実際には障害の種類を明確に分けることは大変難しいとされています。診断された時期によって、診断名が異なる、ということもあり得ます。知的発達の遅れのある場合もない場合もあり、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)やADHDの人の中には、IQテストでは数値は決して低くなく、平均かあるいはそれ以上なものの、状況や分野によって高低に大きく幅が出る人がいます。これは、思考能力にムラがあることを示しています。

よくある誤解

①先ほど紹介した発達障害者支援法の中にも「低年齢で」発現、という文言があったように、子どもの病気、というイメージが強いかも知れません。しかし、私のように成人後、あるいはもっと後になってから診断が下りる場合もあります。先天性の病気であっても、周囲の環境によってカバーされていたり、本人が何らかの理由で受診しなかったなどで、発覚が遅れる場合があります。ただ、診断が下りていない場合でも、専門医に自分の幼少期の困りごとを思い出して伝えたり通知表での先生からのコメントなどを見てもらうと、その傾向を見つけることができる場合も少なくないようです。私の場合「遅刻・欠席回数の多さ」「(小学校低学年時)忘れ物・不注意の指摘」などがそれに該当するかもしれない、と教えてもらいました。

②誤解されやすい点ですが、「発達障害」はあくまで「脳機能障害」である、ということです。直接身体に影響を及ぼす、というより、脳の発達の仕方に生まれつき凸凹がある障害なので、その影響は言動に現れた時に本人にも周囲にも認識されます。それゆえ、「性格」や「やる気」の問題、ととらえられがちです。子ども時代に現れる場合は、しばしば「しつけや教育の問題」などと思われることも少なくありません。しかし、問題は本人の気分や、やる気があるかどうかではなく、「脳」にあるのですから、「薬を飲んで安静にしていれば改善する」「状況が変われば自然と改善されて問題は起こらなくなる」ということはありません。実際病院や支援事業所に通って行うのは、「障害の治療」ではなく「対処法を学ぶ」ことである、と支援者の方に言われたこともあります。

③ひとくちに発達障害といっても、その影響の現れ方はさまざまです。誰かにとって有効だった対処方法を取り入れればうまくいくというものではなく、時間をかけてその人に合った支援方法、対処方法を見つける必要があります。

発達障害は治らない? ~見方を変えると世界が変わる~

私の話ですが、はじめて「自分に合った対処の方法を見つけましょう」と言われた時に、すぐにその言葉を受け入れられたかというとそんなことはありません。私の場合発達障害の診断が下りるまでに眠れない(睡眠障害)や人混みの中にいると気分が悪くなり外出が難しい(自律神経失調症)などの症状に加え、長年悩んでいた「時間・期限を守れない」「忘れ物が多い」などの特性があったので、そこにとりあえず正式な名称がついた、ということへの安心感もありました。しかしこれからどうやってその障害と付き合っていけばいいのだろうという不安と闘っていた頃でもあったので、その言葉はそれなりの衝撃でした。例えば風邪は治ります。でも、発達障害「自体」が治って脳の発達の凸凹がなくなる、ということはないのです。このことからよくある誤解として、「発達障害のある人は生まれつき能力が欠けているから、ずっと改善・変化しない」というものがあります。

でも、ちょっと考えてみてください。

発達障害の対義語として、「定型発達」という言葉があります。簡単に言えば発達障害ではない人や状態のことで、「健常者」という言い方をすればより分かりやすいかも知れません。発達障害が障害として認定されていることから少数派、とするなら、ほとんどの人がこの「定型発達」という多数派に属していることになります。

わたし達は皆、時代背景や文化、社会状況、家庭環境、教育など、さまざまな外界からの影響を受けながら、一生かけて発達を続ける生物です。それは発達障害の人も定型発達の人も変わりません。つまり、誰にでも得意分野と苦手分野があるように、発達障害の人にもそれぞれ得意なことや能力を生かせる方法があり、取り組み方を変えれば改善されていく課題もあるので、必ずしも「絶対に改善しない」ということはありません。人にはそれぞれ個性があり、発達障害で現れる特性はあくまで、その個性の一つに過ぎないのです。

ここまで簡単にですが、発達障害について説明させていただきました。続く二つの記事では主にADHD(注意欠陥多動性障害)にスポットを当て、その特徴や対処方法について少し例を挙げてお伝えしたいと思います。

▶次の記事:発達障害とは?②~ADHD 基礎ワードと実例

参考文献

【厚生労働省政策レポート:発達障害の理解のために】
https://www.mhlw.go.jp/index.html

【文部科学省:発達障害とは】
https://www.mext.go.jp/index.htm

きらきら星

きらきら星

成人後、睡眠障害・自律神経失調症で病院に通院中発達障害の診断を受ける。現在就労移行支援所に通所し障害特性と対処を学んでいる。
目に見えて成果の残るものが好きなので、最近は編み物に挑戦中。読書も好きで、今は「吾輩は猫である」を読み返しているが、猫より犬派。

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