高EEとは?家族との良好な関係が精神疾患の再発を防ぎます

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出典:https://www.photo-ac.com


みなさん、?「高EE」って言葉を聞いたことはありますか?今回は筆者の体験をもとに「高EE」についてお伝えいたします。私の物心がついた頃より、実家の母は統合失調症を患っております。統合失調症へ理解の足りなかった私は、母への接し方で間違えているところがありました。その誤った接し方を示す言葉として、「高EE」というものがあります。この言葉は、当初、統合失調症の患者さんに対するご家族のある態度を表すものでした。しかし、近年、この「高EE」の接し方は、統合失調症のご家族だけに当てはまるのではなく、うつ病、認知症、神経症などの他の精神疾患の患者さんをもつご家族にも当てはまることが、研究によって明らかにされました。

「高EE」とは



高EEの「EE」とは、「Expressed Emotion」の頭文字から来ています。EEは日本語にすると「感情表出」ということになります。

「感情表出」とは、文字通り、感情の表し方(表情、口調、態度など)のことです。精神疾患を抱える患者さんに対して、強い感情表出がなされることを「高EE」と言い、これは再発率を高める1つの要因と見なされています。

この高EEは、以下の次の3タイプに分けられます。

①批判的な感情表出
批判的な感情表出とは、「何もしないで寝てばかりいて…」「いつまでダラダラした生活しているの!」など、批判的な発言や態度を示すことです。

②敵意のある感情表出
敵意のある感情表出とは、「あなたなんていなければ良いのに」「あなたの病気のせいで私の人生が台無しよ!」などと敵視して攻撃するような感情や態度を示すことです。また、「無視する」ことも含まれます。

③患者さんの言動に左右され(巻き込まれ)すぎ
患者さんの言動に左右されすぎることは「巻き込まれ」とも言いますが、上記の2つとは全く逆
の態度を示すことですが、患者さんにマイナスの影響を与える感情の表し方とされています。例えば、「私がいないと何も出来ないから、私が守ってあげないと…」と、過保護、過干渉な態度を示すことです。


筆者の母の場合は・・・



私の母は、統合失調症のもつ特徴から体調が優れない時、些細なことが非常に気になってしまいます。例えば、母の体調が悪いときは「私が何も出来ずに寝込んでいるせいだ…」とか、階下で大きな音を立ててドアが閉められると、「私の体調の悪さに腹を立てているからだ…」などと、全部、家族が悪いせいだという解釈に至ってしまうのです。

病状が少し回復してくると、そのように思ったのは自分の考えすぎだったかななどとも思えるのですが、調子の悪いときはそのようなことは考えられません。「ああ、また怒っている、機嫌が悪い。みんな何も分かってくれない…」という思考回路になってしまうのです(自身の症状に対する周囲の無理解へ攻撃的になる)。

このような場合、母に対して高EEの態度を示すことは、患者さんの症状悪化や再発につながります。また、状態が思わしくないときにそばで一緒に不安になると、不安が余計増大してしまいます。筆者の母の場合は、体調の悪い時、より高EE的な態度に影響を受けやすかったのです。


高EEの関係を改善・修復するには?



高EEという態度を示すことは、再発させる要因になるということを理解しておくことが第一歩であると言えます。

ここで、ご家族が出来ることを3つ挙げたいと思います。

①高EE的な態度を極力示さない
ご家族もそれぞれの生活がある中、うつ病患者さんを抱えていることで、必然的に、負担も増えています。少しずつで良いので、高EE的態度は良い結果を招かないことを認識して、できる限り高EE的な態度を見せないことを意識しましょう。

②ご家族自身もストレスをためないよう、自分の時間をキッチリと確保して、ストレスを適宜発散する

③使える制度を利用する
うつ病の患者さんが一家の大黒柱であった場合、生活費の稼ぎ手がいなくなってしまうわけですから、生活が大変になります。それを補うために、利用できるのであれば、生活保護や障害年金などについて検討してみることも有用なことと思います。とにかく、一人で抱え込まないことが大切です。

次に患者本人について触れたいと思います。高EE的態度を示すのは家族なのだから、患者本人が出来ることなんてあるのかと思われるかも知れませんが、家族関係は、家族の構成員全員で作り上げるものです。ですから、高EE的態度の修正には、患者さんもそれなりの協力や努力をする必要もあるでしょう。

自分は患者であって、家族のことなど構っていられないなどとお考えの方もおられるかも知れません。しかし、結局、高EE的態度をとられることによって影響を受けるのは、患者さん自身です。再発防止につながるのですから、患者さん自身も、自らの行動を見直していきましょう。

具体的に患者さんが出来ることを2つ挙げたいと思います。

①ご家族に感謝の気持ちを忘れずにいる
感謝の言葉「ありがとう」「いつも悪いね」など言葉がけをすることと思います。

②ご家族が自身の楽しむ時間を持てるよう気遣うこと
ご家族にもご自身の時間を大切にしてもらうよう話をし、時には「食事にでも行ってきたら」とか「友人と会ってきたら」などと伝えるとよいでしょう。



高EE的態度の改善法としては、お互いに相手の立場を尊重し、ねぎらいの言葉をかけるなどの気遣いをしましょう。高EE的態度を示さると、患者さんの症状の再発の可能性が高まります。患者さんご本人の再発予防とご家族の心身の健康を保つためにも、高EE的態度を取らないよう、自らの示す態度に気を配るようにしましょう。再発を予防して、良好な家族関係を築きながら生活を送れるよう心掛けていきたいものですね。

西村 修

西村 修

大阪府出身 4年前に広汎性発達障害と診断されました。現在、生活保護受給者として就労移行支援事業所へ通所。「T・P・O」を弁えず「場の空気が読めない」ことがありますが、訓練を通して適切なコミュニケーションの取り方を勉強中。趣味は読書と音楽鑑賞。

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