双極性障害で半生を共にした親友に自殺されて~後悔と慟哭の日々

双極性障害(躁うつ病)

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31歳で躁状態になり措置入院してからの体験談をお話ししたいと思います。

本当の友達はあなただけ

退院して身体が動くようになった頃から、私はベランダでガーデニングをしていました。植物を育てるのは癒しにもつながります。親友は結婚して5時間かかる他県に住んでいました。お盆休みには戻ってくると聞いていたので、来た時に見せようと仕事帰りに日日草の苗を買ってきました。午後8時過ぎ電話が鳴りました。「姉が死にました。今、お通夜が終わって、明日の朝、身内だけで告別式をします。あなたにだけは連絡しておこうと思って。姉は本当の友達はあなただけだったと言ってました。大阪でもお葬式をする予定なのでまた連絡します。」親友の妹さんからでした。私は信じられませんでした。家を間違えてかけてるんじゃないかと何回も確認しました。信じられなかった。親友のフルネームを言って確認しました。誰かと間違ってるんじゃないか。本当に親友のことなのか。でも、間違いじゃなくて、なにがなんだかわからなくて混乱しました。ショックでしばらく寝込みましたが、とりあえず連絡をひたすら待ちました。

現実感のない永遠の別れ

お葬式が始まる前、妹さんに時間を作ってもらって話を聞きました。私が海外旅行のお土産にあげたTシャツを棺の中に入れてくれたそうです。私からもらったって言ってくれてたのか。なのに私はどんなTシャツだったかも思い出せませんでした。親友のご主人も私を見つけると、すっ飛んできてくれました。憔悴しきっていましたが、私を気遣ってくれました。自分よりも付き合いが長かったし一番の親友だったから。お葬式が始まってもまったく実感がわきません。どうしても現実と思えませんでした。こんなことで友人代表になんてされたくなかった。私は泣きませんでした。もともと人前で泣くタイプじゃありませんでしたが、友人代表を立派に務めようとしてたのかもしれません。もう火葬も済ませて来たので、お焼香をして終わり。私は妹さんに頼んで遺影を近くで見せてもらいました。いつもどこかさみしそうな顔をしていたのに、遺影の親友は見たことないような穏やかな微笑を浮かべていました。その下に置いてある白い布で包まれた小さな箱。なんでこんなんになっちゃったのよ!ばかやろう!私の目から涙があふれました。

私の異変に気付いた親友

小学校・中学校で2年しか同じクラスではありませんでしたが、一番の親友でライバルでした。躁状態になって措置入院する前、親友は私からの電話で異変に気付き、大阪まで飛んできてくれました。親友と私が高校1年の春に、親友の母が自殺し兄が精神病院に入院。電話口の私が普通の状態でないことに気が付いたのです。私は自分は寝てないだけで、眠れさえすれば大丈夫、ビッグチャンスの仕事をつかんだんだ。なんで親友のくせに私の邪魔するんだ。どうして親友がわざわざ飛んできたのか、そこまで頭がまわりませんでした。私の母と結託して病院に連れて行こうとしてる、ぐらいの認識でした。私がうっとおしがって逃げ回っても、親友はどこまでも私についてきました。スーツケース片手に近場のホテルに逃げても、同じホテルの隣の部屋に宿泊していました。何も言わずにただ黙って、どこまでもどこまでもついてくるのです。私の母には連絡しているようでした。あとのことはよく覚えていません。気が付くと病院で身体拘束されていました。私が病院に入院したのを見届けてから家に帰ったようでした。そこまでしてくれた親友が、私だけが本当の友達だった、と言ってくれた親友が、いきなり自殺してしまったのです。あんなにしてもらったのに、私は何もできずに親友を死なせてしまった。私がもっと電話していれば、なんとかなったんじゃないか。止めることはできなかったのか。ただただ悔しくて悲しかったのです。

措置入院させられたときは、怒りと憎しみしかありませんでした。憎しみというのはエネルギーが必要なものです。ここで終わってたまるか、という私のエネルギーは親友の死によって完全に0になってしまいました。
   
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フジコ

フジコ

31歳のときに双極性障害を発症して入院し、8年後の夏オリンピックのときに再発入院。
また8年後に躁状態になったが自発的に対処できたため入院はせず。
その後主治医の許可が出たため、現在は就労移行支援施設で訓練中。
障害を隠して仕事をしてきたが、障害者雇用枠での長期就労を目指す。

双極性障害(躁うつ病)

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