双極性障害で親友自殺の大きすぎる衝撃~再び不眠に

双極性障害(躁うつ病)

出典:https://www.photo-ac.com

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31歳で躁状態になり措置入院してからの体験談をお話ししたいと思います。

夢と現実のはざまで

私は睡眠薬が手放せなくなりました。眠ってるときは何も考えなくていいからです。でも、夢に親友が出て来るんです。親友が遠くで元気にやってる夢。お互い筆不精だし電話もろくにしませんでしたから、今までと変わりありませんでした。なぁんだ、夢だったのかぁと思いました。どっちが現実でどっちが夢なのか、わからなくなりました。起きて母に尋ねます。「ねぇ、本当に死んだんだっけ?」そして、眠るのも怖くなりました。河島英吾さんの「酒と泪と男と女」いい歌だと思ってましたが、「泣きつかれて眠るまで泣く」という意味が初めてわかりました。「悲しいから泣くんじゃなくて、泣くから悲しい」という言葉もありますが、もうよくわかりませんでした。そんな状態でしたから、満足に仕事ができなくなり、辞職を願い出ました。半年での辞職ということもあり、仕事の紹介者とは揉めに揉めました。「わしの友達なんか戦争でみんな死んだ。親友が死んだぐらいで情けない。」と言われました。就任時と同じく市長室で辞令を頂き退任しました。あんなに仕事にこだわっていたのに、もうなにもかもどうでもいいと思いました。  

受け入れられない親友の死

お盆に親友に見せようと思って、電話があった日の仕事からの帰り道に買った白い日日草。夏が過ぎ、秋も過ぎ、冬になっても、年の終わりまで咲いていました。夏の花でろくに手入れもしてませんでしたが、他の夏の花々も年末まで咲いてました。花も私と一緒に親友を待っているようでした。親友とは昨年の年末に近場の温泉に行って、焼肉食べて飲んで、カラオケで歌って、買い物して、とっても楽しくて充実した2日間を過ごしました。まさかあれが親友との最後の別れになるなんて思いもしませんでした。私はなぜか自分のほうが親友より先に死ぬと思ってました。一人娘だしひとりぽっちになっちゃっても、親友がいるから大丈夫。さみしくないと思ってました。親友とは思い出が多すぎて、特に12月はつらく感じました。去年の今ごろは…と考えるからです。亡くなると1年たった後のほうがきつく感じます。「去年の今ごろ…」がなくなるからです。お正月、毎年律儀に元日に届く、親友の汚い字の年賀状も来ませんでした。お土産だけ渡しに来るんじゃないか、どこにも行かず待ってましたが、親友は来ませんでした。本当にもうこの世にいないんだな、と思いました。

親友を思い出しては涙の日々

親友が亡くなってから、人づてにいろいろ聞きました。私のことをいろいろな人に話してくれていました。思えば結婚式で初めて会った、親友の会社の同期や学生時代の友人は、みんな私のことを知っててビックリしたことがありました。「いつも聞いています。ライバルで親友だって」親友から紹介された婚約者が開口一番言ってくれました。とてもうれしかったのを思い出しました。学生時代からよく夢や野心などを親友に話していました。他の誰に褒められてもちっともうれしくありませんでした。親友が結婚して専業主婦になっても、私にとっては一番のライバルでした。面と向かってお互い言ったことはありませんでしたが、聞いてて恥ずかしくなるようなことも言ってくれていたようでした。いくら一番身近にいた存在だと言われても、しょせんは他人で親族ではありません。親友の家は複雑でしたので、お墓のこともどうなるかわかりませんでした。お墓参りしたら気持ちの整理もつくかと思っていました。17回忌も終わったと思いますが、今現在もお墓の場所はわかりません。

親友の葬儀はすでに済んでいたので、私が出席したお葬式は今でいう「お別れ会」のようなものでした。ご遺体とは対面していません。白い包みの骨壺と遺影を見ただけです。人は遺体に対面することで、「死」を確認し、悲しみが癒されるといいます。これは「悲嘆の科学」といわれ、科学的にも実証されています。父の死よりも受け入れられず、いつまでも悲しみが続くのはこういうことだったのかと後で知りました。

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参考文献

「死化粧師」 著作:三原ミツカズ 祥伝社

フジコ

フジコ

31歳のときに双極性障害を発症して入院し、8年後の夏オリンピックのときに再発入院。
また8年後に躁状態になったが自発的に対処できたため入院はせず。
その後主治医の許可が出たため、現在は就労移行支援施設で訓練中。
障害を隠して仕事をしてきたが、障害者雇用枠での長期就労を目指す。

双極性障害(躁うつ病)

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