自閉症スペクトラム障害といじめ~いじめ防止のために必要なこと

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出典: https://unsplash.com

自閉症スペクトラム障害を抱える児童・生徒は、他の児童・生徒や教師の気持ちを読み取ることやその場の雰囲気を察知することが難しく、興味を持った特定の分野にのみこだわるという障害特性があるので、学校での集団生活に馴染めず、いじめに遭うことが多いです。しかし、自閉症スペクトラム障害の当事者がいじめの被害に遭う原因は本人の努力不足や人間性の問題ではなく、教師や周りの児童・生徒の無理解です。

自身が体験したいじめの被害(小学校時代)

思い返してみると、私は、小中高時代は学業成績が満遍なく良い「優等生タイプ」ではなく、「得意な教科だけが良く、苦手な教科はとことん苦手」という典型的な自閉症スペクトラム障害の障害特性を持つ生徒でした。また、人付き合いが極端に苦手で、友達を作りたい一心で、みんなの受けを狙って不自然におどけてクラスのみんなから馬鹿にされる生徒でした。

3年の1学期には、当時流行していたビックリマンチョコの「当たり」のシールをよこせ、と同級生に言われるようになり、日常的に暴力を受けるようになりました。担任の教師が新米の女性だったので、暴力を振るう同級生を押さえつけることはなかなかできません。父親の転勤で2学期からは新しい小学校に転校しましたが、今度は体罰が大好きな男性教師のクラスになりました。複数の女子に掃除をサボっていると因縁をつけられ、それを信じた担任に終わりの会でクラス全員が見ているところで胸倉をつかまれ、振り回されました。

5年生になる時にクラス替えがありましたが、6年の2学期から終わりの会で私だけがクラスのみんなから非難されるようになりました。そして、終わりの会の間中、担任の教師はクラスのみんなを止めようともせず、最後に私に謝るように命じるだけでした。

自身が体験したいじめの被害(中学校時代)

1年生の時の担任の教師からは、得意な教科や出来ているところを全く評価されず、苦手な教科や出来ていないところばかり非難されました。また、この時の副担任からは、授業中にみんながいる前で、名指しで悪口を言われ、「カス」と言われたこともありました。暴力の被害を受けることは少なくなりましたが、男子からも女子からも「きしょい」と言われる毎日でした。ひどい同級生には、下校時に私の家の間近まで三人で私の後をつけられ、「日直のやり直しをしろ」と言われました。

2年生になっても、いじめの被害は収まるどころか、むしろピークに達したので、両親が学年主任や校長に相談しました。すると、学年主任の教師には、「お前が変わらなければいけないんだ」と口癖のように言われるようになり、堪りかねた両親が教育委員会と法務局に苦情を言いに行き、表面的には何とか収まりました。

自身が体験したいじめの被害(高校時代)

高校受験では第一志望の学校と第二志望の学校に不合格になり、遠隔地にある私立高校の寮に入りました。小学校・中学校の同級生は周りにいない新しい環境に身を置くことになりました。しかし、入寮直後から盗難の被害に遭い続けました。また、寮で腹巻をしていたので、寮にいる同級生に「バカボンのパパみたい」だという理由から、「バカボン」というあだ名をつけられ、そのあだ名が学年中で流行しました。何より辛かったのが、同じクラスの出席番号が私の次の生徒に「寮で自慰行為をしている」という噂を流され、事あるごとにからかわれ続けたことです。この生徒からのいじめについては、担任の教師に相談しましたが、結局、この生徒からのいじめは収まることはありませんでした。そして、2年生の9月に、この高校を中退し、実家に戻りました。

実家に戻り、外を出歩くと、小学校・中学校時代の同級生に出会うことがしばしばありました。私が寮にいる時には界隈で出会うことはなかったのに、急に界隈で出会うようになったことから、かつての同級生たちには私が高校を中退したことを察知され、指をさされて馬鹿にされるようになりました。こうして、私は二次障害を発症してしまい、精神科医から「自閉症スペクトラム障害」と「反復性うつ病性障害」と診断されました。

まとめ

多感な時期を迎える中高生は、自閉症スペクトラム障害の生徒に対して残酷であり、自閉症スペクトラム障害に対する正しい知識と認識を持たない教師がいじめの加害者を指導するのにも限界があります。いじめの被害を受けた自閉症スペクトラム障害の当事者は、うつ病などの二次障害にかかり、人生を大きく狂わされます。いじめを防ぐためには、教師ひいては学校中が自閉症スペクトラム障害に対する正しい知識と認識を持ち、「いじめは絶対に許さない」という姿勢を示すことが不可欠です。いじめを許さない学校が一校でも増え、いじめの被害に遭う自閉症スペクトラム障害の当事者が一人でも減ることを願ってやみません。

サンライズ

サンライズ

40代の男性。2年生で高校を中退。その年にメンタルクリニックを受診し、抑うつ状態と診断される。うつ病と闘い、自身の発達障害を疑いながら博士課程に進学するも、博士号は取れずじまいで単位取得満期退学。これを機に、それまで主治医の方針で「疑い」のまま保留になっていた自閉症スペクトラム障害の診断を受ける。現在は一人暮らし。趣味は読書、音楽(邦楽)観賞、YouTube、クイズ番組を観ること。

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