統合失調症を患う当事者である私と私を支えてくれる家族との関係性

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私は一人っ子で現在も父、母、私の3人で暮らしています。8年ほど前、大学生の頃から統合失調症の兆候がありましたが、当時は統合失調症という診断は受けず、気分障害などの診断で心療内科に通っていました。その後、体調悪化のために入院した経験もありますがどんな時でも家族は私を見守ってくれました。

大学2年生の時に初めての入院

大学での講義、サークル活動、アルバイトと予定を詰め込み過ぎた結果、プツンと糸が切れてしまったように私は家族以外の人とコミュニケーションが急に取れなくなりました。それが、大学2年生になる直前の春休みのことでした。引きこもりがちだった私に、その後妄想の症状も現れ始め、家を飛び出してしまったことで家族によって入院させられてしましました。させられてというと少し語弊があるかもしれませんが、当時の状況を思い出すと随分家族を驚かしてしまっただろうなと思います。入院中も自宅から病院まで車で30分位の距離がある中、ほぼ毎日面会に来てくれて私の話を聞いてくれました。

通院を続けながらも大学へ通う毎日

その後退院したものの、なかなか大学に通えず休学した時期もあり、復学しても1時間強かけて電車で大学に通うということがなかなか出来ず、母に車で送り迎えしてもらうことも多々ありました。体調が良くないことと、大学では休学すると留年という扱いになりますから、なかなか新しいクラスメイトと馴染めず居心地の悪さに何度も中退を考えました。それでもなんとか通えたのは、特別励ますような言葉をかけてもらっていた訳ではありませんが、私が求める事はしっかりと受け止め、また気分がふさぎ込んだ時には一緒に出かけて気分転換させてくれたこと等の家族の支えがあったお陰でした。

なんとか大学を卒業

私は芸術系の大学に通っていたので卒業論文ではなく、作品を提出する卒業制作という課題で卒業資格を得たのですが、この卒業制作もかなりの頻度で父に手伝ってもらい、なんとかランプを制作しました。しかし、最終提出の頃には体調が最悪で外出出来なくなり、この時にも父が代わりに大学まで提出に行ってくれてなんとか提出はしたものの、作品についてのプレゼンテーションや作品展示は出来ず、卒業は絶望的だと思っていましたが「可」というギリギリの評価で卒業できました。

体調悪化により統合失調症と診断を受ける

大学卒業後は、元々奈良県に長年住んでいたのですが、父の転勤に伴って愛知県に家族で転居することになりました。当然、就職の決まっていなかった私も家族と一緒に転居したのですが、急な環境の変化もあり、妄想や幻聴の症状も酷く、再び家を飛び出してしまったことから2度目の入院をすることとなります。この頃に統合失調症と診断を受けようやく病状に合った治療が受けられるようになったとも言えます。

2度目の入院

2度目の入院の時も、家族は毎日のように面会に来てくれました。入院中はよく、お菓子や暇つぶしのジグソーパズルを差し入れてくれて、自宅にて外泊できるようになってからは一緒にレンタルショップに行って映画のDVDを借りては自宅で鑑賞するということ繰り返していました。母は、私の好物もよく作ってくれました。入院中はとにかく自宅に帰りたいという思いが強く、家族が迎えに来てくれると毎回ホッとしていたことを思い出します。

現在

2度目の入院も今では約2年半前の話となり、私の病状に合ったお薬にも出会え、就労移行支援事業所にて訓練できるほどに回復しました。妄想や幻聴などの症状も今では全くなく生活できていますが、その分回復した今は実家暮らしだと小言を言われることは多々あります。とはいえ、母は毎日お弁当を作ってくれたり、父も休みの日にはどこかに連れて行ってくれたりと、甘やかしてもらっているなと思うこともよくあります。今も特別励ましの言葉をかけてもらっているわけではありませんが、支えてもらっているなという実感はあります。

ざっと私の病歴と、その時々の家族の私への接し方についてお話させていただきました。特別励ましの言葉をかけてもらってはいませんが、どんな時でも家族は私に困った顔を見せることなく私の要望には答えてくれる、そんなさりげない優しさに支えられて日々過ごしています。現在は就職活動中ですので、無事就職した時には父と母にしっかりと恩返しをしたいと思う毎日です。

あおぞら

あおぞら

アラサー女のあおぞらです。抱えている障害は統合失調症。学生時代に芸術大学で学んでいた経験から、現在も美術鑑賞、イラスト制作は趣味で、最近はまっているのは韓流ドラマとお笑い芸人がパーソナリティの深夜ラジオ。最近頑張っていることはジムでのトレーニング。楽しいことや美味しい物が好きなマイペース人間です。現在は就職活動中です。

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