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◀︎前回のページ:気になって仕方がない~強迫性障害とはどのような病気か?②
前々回のコラムでは強迫性障害の概要をまとめ、前回は私自身の症状についてお話しました。今回は、締めくくりとして、強迫性障害との付き合い方についてお話させて頂きます。なお、これからお話させて頂くことはあくまで私個人の見解です。同じ強迫性障害の方であっても、私とは意見を異にすることもあるかと思います。したがって、参考程度にお読みいただければと思っています。
強迫性障害の特徴
私の強迫性障害の症状としては、誰かに損害を与えたり相手を不快にさせたりすることを恐れるというもの、新品の物に傷が付いたり汚れたりすることを恐れるというもの、何か忘れ物をしたのではないかと何度も確認をしてしまうというものがあります。
もっとも、これらの症状は強迫性障害を患っていない人にもある程度当てはまるものと思います。すなわち、誰しも自分の言動で他人を不快にさせたのではないかと不安になることがあるし、新品のスマートフォンに傷が入るのを嫌がるでしょう。また、戸締まりをしたか、忘れ物がないかということが気になることもあると思います。むしろ、これらの不安はごく自然な感情であるし、日常生活をおくる上で必要なことであるとさえいえます。
これらが強迫性障害の症状と異なるのは、それが不合理な考えだと感じることはないし、したがって、やめたいとも思っていない点にあります。例えば、家の戸締まりをしたか不安になり、もう一度確認するという行為自体は同じでも、強迫性障害の人の場合は、自分が戸締まりを行ったことの確信はあり、もう一度確認する必要はない点も理解しているが、それでもやめることができず、その点に不快や苦痛を感じているのです。この点こそが、強迫性障害の特徴といってよいでしょう。
強迫性障害との付き合い方
強迫性障害を完治させることは非常に困難です。そのため、病気と上手く付き合いながら、どこかで折り合いをつける方法を探ることが肝要だと思います。
まず、私は自分を苦しめる強迫観念は脳のバグが引き起こした実体のないものであると理解し、強迫観念がわいてくるのは仕方のないことで、自分にはどうすることもできないと開き直るところから始めました。
その上で、強迫観念を早めに追い払うように心がけています。一般に、強迫性障害の症状は、強迫観念⇒不安⇒強迫行為⇒一時的な不安の低減⇒強迫観念の再燃・・・という(悪)循環として立ち現れます。そして、気を付けるべきは、このような円環を辿るうちに、強迫観念はより強固なものとなり、払拭することが困難になるという点です。そこで、強迫行為に及ぶ前に強迫観念を振り払い、円環を断ち切ることが必要となります。もちろん、これはたやすいことではなく、非常に苦痛や不安を伴うものです。しかし、ここで断ち切らなければ、強固になった強迫観念にしつこく追い回されることになります。
早めの強迫観念の払拭が大事であることは、強迫性障害の方ならよく理解していると思います。同時に、「それができないから辛い」とも思っていることでしょう。私も、強迫観念がわいてきた際に「もううんざり。今回こそは無視しよう」と決意したにも関わらず、不安に耐え切れずに強迫行為に及んでしまい、ズルズルと悪循環に陥ってしまうことが多々あります。しかし、最近では、強迫観念を早い段階で振り払うことが上手になってきたように思います。その際に心掛けていることは呼吸と姿勢です。強迫観念に捕まっているときは、呼吸が浅く速くなり、肩に力が入り上がっていることに気づいたのです。そこで、肩をリラックスさせ、深くゆっくりと呼吸をしてみると、強迫観念が薄らぎ、不安がやわらいでいくことを実感することができました。このようにして何度か上手くいくと、それが成功体験になり自信をつけることができます。
最後に
ここまで3回に分けて強迫性障害の概要、私の症状、病気との付き合い方についてお話させて頂きました。私の理解不足や言葉足らずのために、読みにくい箇所や不正確な表現などがあるかもしれません。ただ、自分の言葉で素直に書いたつもりです。このコラムが強迫性障害で辛い思いをしている方やその家族の方の一助になることを願います。
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30代男性。大学卒業後、それまで勉強などしたことはなかったが、法律に出会い勉強を開始。しかし、30歳あたりで幼少期からの強迫性障害が急激に悪化し、人生が頓挫。リスタートしようと思い、現在は就労移行支援事業所にてPCスキルを学んだり、セルフマネジメントに取り組んでいます。
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