発達障害者の働く環境を支えるアプリ「CONDUCTOR」~クラウドファンディング1月末まで受付中
暮らし 仕事 発達障害昨年4月に「ハッタツソン」というイベントが開催されていました。テクノロジー方面から発達障害の生きづらさを解消すべく、当事者やエンジニアなどが一丸となりWebサービスやアプリを開発していくというイベントです。
イベント内では最も優れた計画案に対し表彰される「ハッタツソン賞」というものがあります。その最優秀賞に選ばれたのが、アプリ「CONDUCTOR(コンダクター)」です。イベント中2日間の開発でUI(ユーザーインターフェース)を研鑽していき、企画が完成しました。
しかし、現在はアプリの大枠を作ったにすぎず、これから当事者の声や要望を集めるためにフィードバックする窓口も設けていくそうです。それ以前に開発・広報・初期費用の工面を必要としており、100万円のクラウドファンディングを1月末まで受け付けています。
「CONDUCTOR」のプロジェクトが行うクラウドファンディングはAll-or-Nothing形式となっており、目標額が集まらなければすべて白紙となります。そうなれば発達障害者の就労を改善する道が一つ失われることとなるでしょう。
クローズドで二次障害かオープンで単純作業か
プロジェクト参加者の一人でクラウドファンディングの立ち上げ人でもある寺戸慎也さんは、就労支援の仕事に就いており自身もパニック障害の当事者です。寺戸さんは就労支援の場で、就職できても職場に定着できなかった人を何人も見てきました。
クローズドで就職すればうつ病などの二次障害で心身を壊し、オープンで就職すれば単純作業しか与えられないという障害者就労の難しさを社会の側から解決させる必要性に寺戸さんは気付いていました。そこで、新卒から5年間システムエンジニアをしていた経験を活かし「ハッタツソン」へ参加したのです。
ハッタツソンでの2日間、寺戸さんが属するプロジェクト「フェルマータ」では、発達障害の特性を調べて議論の末コンセプトを練り上げていき、優秀なUI(ユーザーインターフェース)を構築するまでに至りました。
コミュニケーションに具体性を持たせる
「CONDUCTOR」のコンセプトは、発達障害を持つ社員とのコミュニケーションを改善することにあります。焦点としているのは、「抽象的で分かりにくい指示」と「突然割り込む飛び込み作業」の改善で、どちらも矯正すれば定型発達同士でも円滑なコミュニケーションができるでしょう。
上司側はパソコンで操作し、タスクを作成して作業者側へ指示していきます。ここがUI(ユーザーインターフェース)で最も気を遣った部分であり、曖昧さのない具体的な指示が出来るよう工夫されているのです。作業量の管理なども視覚的に分かりやすくまとまっており、状況把握や今後の予想がやりやすくなります。
作業者側はスマホでの操作となり、タスクを時系列で把握することにより見通しを立てやすくしています。更にタスクの中でも部分ごとのサブタスクに分かれたり完了条件や優先度が明確化されていたりするため、作業者自身も進捗が分かりやすくなっています。何よりタスクの終わりを明確化しておくことはモチベーションを維持するうえで大切なことです。
チャット機能などフィードバックするための機能も備わっており、タスクのやりやすさや疑問などを上司へスムーズに伝えることが出来ます。このやり取りを通して作業環境を改善していくのが「CONDUCTOR」の狙いです。
クラウドファンディングは1月末まで。集まらなければ企画は白紙化。
「CONDUCTOR」の開発・広報・初期費用として、100万円を目標とするクラウドファンディングが1月末まで行われています。期限までに目標額が集まらなければ一銭も入らないAll-or-Nothing方式のため、集まらなければ企画そのものが白紙化することでしょう。
クラウドファンディングなので、ベータ版の利用権や発達障害に関する小冊子などの返礼品も用意されています。様々な金額や返礼品から、希望するコースで支援してください。
企画が始動すれば、改善点を開発者へフィードバックできる体制を作る予定です。一口に発達障害と言っても十人十色と幅広いので、職場で実際にどう困っているかまでは細かく把握しておりません。そのため、アプリの改善点や疑問点をフィードバックしてもらう必要があるのです。
アプリのリリースは今年6月を目途としていますが、肝心のクラウドファンディングが集まらなければ全て無かったことになります。障害者就労の改善に繋がる大事な企画ですので、少額でもご支援いただければと思います。
クラウドファンティングの概要
タイトル:【発達障害者の職場でのコミュニケーションを改善して働きやすい環境を作る】
サービス:CAMPFIRE
目標金額:1,000,000円
実施期間:2019年12月17日〜2020年1月31日
プロジェクトページ:https://camp-fire.jp/projects/view/151557
「CONDUCTOR(コンダクター)」について
「ハッタツソン 2019」にてプランナー、エンジニア、デザイナー、発達障害の当事者で結集されたチーム「フェルマータ」によって生み出されたプロジェクト。
フェルマータ公式Facebookページ:https://www.facebook.com/fermate.org/
参考サイト
発達障害者の職場でのコミュニケーションを改善して働きやすい環境を作る - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp
発達障害