裁断加工の技術を活かして障害者の就労支援〜大阪・テキスタイルワークス合同会社
ニュース大阪で以前より長岐にわたって裁断加工を手がけてきた町工場「有限会社川口」が2016年1月、障害者の就労継続支援A型事業所「ステップアップ」を開設しました。大型プレス機、レーザーカット機など本格設備を備えており、織物や樹脂、皮革などの加工・梱包を行っています。取引先が多く、様々な仕事を提供できるという強みを活かして、一般就労に限りなく近い形での就労訓練を行っています。
もともと有限会社川口は、取引先として就労継続支援A型やB型の事業所に仕事を出していました。代表取締役の川口智規さんは「取引をしている中で、もっと仕事できる可能性を持っているのに伸ばしていこうとしてくれない。無駄にしていることが多く、もったいない。それなら自分でやってやろう」と自ら障害者就労継続支援A型事業所を立ち上げました。現在、18名の障害を抱える利用者が一般就労を目指して働いています。
この事業所の期待のホープとして利用者の支援にあたるのは松原政美さん。自身も聴覚・視覚・体幹の障害による身体障害1級、解離性障害による精神障害2級、重度の知的障害(療育手帳A)と様々な重い障害を抱えながら支援員として事業所を支えています。
松原さんは「障害があると不便なことはあるが、不幸ではない。障害があっても私のように働ける場が多くなっている。あきらめないでほしい。」と同じ当事者の視点をもつピアカウンセラーとして重要な役割を果たしています。
そんな松原さんの夢は、好きな事務のスキルを活かしながら、20年間憧れてきた福祉業界での専門家となること。1年後にはサービス管理責任者の資格を取得して、更なる飛躍を目指しています。
「あえて合理的配慮はしない。配慮は与えられるものではない。ひとりひとりが主体的に相手の立場を考えて行なっていくもの。」と力強く語る代表取締役の川口智規さん。利用者が一般就労した先でもストレスに対応できる力を付けてほしいという思いから、現場では厳しい檄を飛ばすこともあります。川口さんは「これまでに一般就労した3名に続いて、全員を一般就労させたい。」と強調しています。
テキスタイル合同会社が運営するステップアップでは、一般就労を目指す利用者を欠員が出たら随時募集しています。問い合わせは06-6965-1061まで。
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