障害を受容する

暮らし 発達障害

出典:Photo by Julien Labelle on Unsplash

差別、偏見、優生思想などなど、障害を抱えて生きていると何かと苦労にさらされます。

いったい私たちが何をしたというのでしょう。

しかし、どのみち障害を持って生きる以上、楽に生きるためには自分の障害特性を受容しておくに越したことは無いと思います。

ただ私自身もそうですが、受容には長い道のりを要します。なかなか嚙み砕けず、消化できません。

今日においては、障害受容に関する説は様々存在します。このコラムでは、私の経験に準じている「障害受容の5段階」という説をもとに、私の経験について書いていきたいと思います。

障害受容の5段階の引用元によると、身体的な障害を持つようになった人が対峙する受容過程のようですが、この説は他の障害にも通ずるものがあると思いますので、この説を参考に書いていきます。

私のこれまで

まずは私のこれまでについて簡単に説明したいと思います。

ADHDは、先天性の脳機能障害です。物心がついたあたりから、どこか人と違うと感じる場面が多々ありました。

ADHDを初めて指摘されたのは、2016年です。母から「発達障害ではないか、病院に受診しないか」といったものでした。

2次障害であるうつ病を発症したのは、2020年だと思います。そのころに自分の中の太い糸が、バチンと音を立てて断裂したような感覚がありました。

心療内科を受診したのは、2021年です。ADHDとうつ病であるとの診断を受けました。

ADHDは生まれつきの障がいであるにもかかわらず、適切なサポートを受けるスタートラインに立つまで21年の歳月を要しました。

ネガティブな期間

次に「障害受容の5段階」という説をもとに、私の障害の受容過程について書いていきたいと思います。

私は4段階目の「解決への努力期」あたりにいると思います。

まず1段階目は「ショック期」です。

自分自身に何が起こったのか理解できない状態の期間です。この期間は長く続かないようです。

私の場合のショック期は、母からADHDではないかと初めていわれた2016年にあたると思います。

母からいわれた障害という文言が自分にとっては鮮烈なまでに衝撃的でした。私の場合、このショック期は長く続かず、数分から数日だったように記憶しています。

ショック期が落ち着くと「否認期」に入ります。

自分の障害から目を背け、認めようとしない時期です。気持ち的なショックを和らげる意味で重要な時期だそうです。

私の場合、2016年〜2020年の4年間にあたります。私にとっては非常に長かったです。

母からの指摘を受けて、自分なりにADHDについて調べてみると、まさに私の状態が書かれていましたが、かといって自身が障害であることを認めるわけにもいきませんでした。

4年という長い年月ですが、その間ずっと否認していたわけではありません。

具体的な境界線を引くことはできませんが、否認期の中にも「自身の障害を否定する期間」と「そのことを考えることから逃避する期間」の2段階があったように思います。

次に訪れるのが「混乱期」です。

怒りや悲しみ、抑うつなどが生じる期間です。

私の場合、2020〜2022年にあたります。怒り悲しみ抑うつ、全ての感情が強烈でした。まだ短いですが、人生で一番辛かったです。

コロナ渦も相まって、私はうつ病になり「何で自分がこんな目に遭わなければいけないのか」という社会への怒りが強烈となり、気の済むまで周囲の人間に当たり散らしました。

結果、友人と信用を失い、少しばかりの人からの感謝と、10万円という人生を賄いきれるはずもないはした金をえました。

理性的でない状態でその様な行為に及んでしまったことに申し訳ない気持ちはありますが、遅かれ早かれこうなっていたと思います。周囲の人のためにも、やってよかったと思ってます。

ネガティブからの脱却

混乱期が落ち着くと「解決への努力期」に入ります。

様々なことをきっかけにし、病気や障害に負けずに生きようと努力する時期です。

私はいまこの時期ではないかなと思います。就労移行支援を利用して自分なりにもがいているからというだけですが。少なくとも、怒りなどの感情が湧くことはなくなりました。

解決への努力期をへることでやっと「受容期」が訪れるそうです。

自分の障害をポジティブに前向きに捉えられるようになる時期です。

障害を受容することで「現状を受け入れることで、障害と折り合いをつけて生活し、共存していく」ことができるようです。

終わりに

こんなことをいっては元も子もない感じがしますが、障害の受容過程は人によって違い、様々な過程をへて受容へと向かっていきます。

障害受容自体だけでも大変なのに、楽しいことや辛いこと、不条理なことなど色んなことを経験します。

しかしそれらもやがて受容へと向かうきっかけになると思います。

時間がかかると思います。焦ってしまいます。経験上難しいですが、私は焦ってほしくないです。

焦ってこけてしまったときに出来る擦り傷は、ジンジンとずっと痛いです。その傷がまた治るのにも時間を要します。

一緒に頑張りましょう。とりあえず生きときましょう。

人生は意外と生きるに値すると信じて。

参考文献

【障害受容について 総合リハビリ美保野病院】
http://www.mihono.jp

ponkichiy

ponkichiy

20代男性(ADHD、うつ病)
高校生の頃から、母から発達障害ではないかと指摘されていましたが、実際に心療内科を受診したのは大学3年生の時でした。
散歩をしながらカメラで風景を撮影したり、家でコーヒーを作って飲んだりするのが好きです。

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