障害者手帳を利用することとは〜社会と自分に向き合って

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出典:https://www.pakutaso.com

私は、発達障害があり、昨年末に精神保健福祉手帳を取得しました。各自治体によって、適用範囲や内容は異なりますが、障害者手帳を提示することで、さまざまなサービスを受けることができます。とりわけ、大阪市営の駐車場が割引になるサービスはとてもありがたいものです。私には聴覚過敏傾向があるので、公共交通機関での移動が辛く、通勤・通所以外の日常の外出には車を使っているからです。

先入観にとらわれず確認する

私が通う大阪市営体育館のホームページには、「障害者手帳で駐車料金が割引されます」と記載されています。手帳の交付を受けたあと、施設のスタッフに割引をお願いしたところ、「身体障害者の方しかできないです」と言われました。スタッフは2名いたのですが、あまり詳しく知らない様子だったため、一旦施設を出て、再度、体育館の事務所に行って確認をしました。すると、障害種別、等級にかかわらず適用されるとのことでした。施設のスタッフには、身体障害者しか割引にならないと思い込みがあったようでした。

施設のスタッフには周知されていないようだと思った私は、事務所でなければ処理ができないのだと思い、それから毎回事務所まで行っていました。ある時、身体障害者の親族を連れて、体育館に来た時のことです。親族の車いすを見てすぐに、受付スタッフが「駐車券はありますか」と聞いてくれました。親族の身体障害者手帳を提示すると、すぐに、その場で割引の処理もしてくれました。事務所まで行かずとも、受付で処理してもらえることを、そのとき初めて知りました。さらに、私まで親族の付き添いということで、観覧券を購入する必要もなく通してくれました。施設に入場だけする場合、観覧券を購入する必要があります。子どもの習い事に付き添って入場していた私は、毎回、観覧券を購入していました。

この日初めて意識して探した結果、施設内の掲示板に、観覧券が「障害者手帳」提示で無料になるという一文に気が付きました。事務所に聞き、身体障害者以外でも、障害者手帳であれば適用できますよ、と親切に教えてくれました。また、これまで知らずに購入していたのか、ということも聞かれ、謝ってくれました。その後は、施設の入り口で毎回手帳を提示して、駐車料金の割引処理をお願いすると、そのまま通してくれるようになりました。

見えない障害のバリアフリー

大阪では他の自治体に比べて、身体・療育・精神の種別や等級による区別が少なく、福祉サービスが充実しているのに、スタッフに周知がされていないため、担当する人によって対応が全く異なる場合があります。そのため、利用する立場では、どれが正しいのか混乱することがあります。発達障害者などの場合、コミュニケーションに障害があるために相談や確認ができず、思い込みをしていることもあります。福祉政策に力をいれて、さまざまなサービスを提供していることを、自治体の職員はもちろん、利用する側にわかりやすく伝えることも「バリアフリー化」ではないでしょうか。

ただ、自治体の努力だけではなく、私達障害者もヘルプマークを活用するなど、積極的に困っていることを伝えることで、相手に伝える努力をする必要があると思います。特に、ぱっと見てもすぐに理解されない障害の場合は、積極的に情報を集め、わからなければ納得行くまで説明をしてもらうことが大事だと思います。

前向きに生きるために

私は、交付を受けたあとも障害者手帳を利用することに抵抗がありました。大人になって発達障害の診断を受けたのですが、家族以外には隠していました。

今では、バッグにヘルプマークをつけて外出しています。そして、親しい人には、発達障害があること、就労支援事業所に通所して、障害者雇用での就労を目指していることを伝えています。私にとって、障害者手帳を提示してサービスを利用することは、経済的な理由だけでなく、自分の障害を隠さず、前向きに向き合って生きることでもあるのです。

青りんご

青りんご

40代のバツイチ子持ちママ。6年前に発達障害の診断を受けるも、クローズで就労して転職を繰り返す。昨年秋から就労支援事業所へ通所し、障害者手帳を取得。障害をオープンにして事務職で求職中。

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