精神病院の善し悪し〜私が入院してきた精神科病院の比較

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私は統合失調症を患いました。幻覚・幻聴・妄想に苛まれ、現実と妄想の区別がつかなくなり、妄想の世界を現実だと思い込んでしまいました。日常的な言動も攻撃的になり、毎回家族に無理やり入院させられていました。その入院先での病院について書きます。

病院A

約20年ほど前に、大阪のはずれにある精神病院に始めて入院しました。刑務所のような檻のついた個室に入れられ、小さいせんべい布団が一枚敷いてありましたが、その布団には尿と血液がついていて汚れたままで、部屋の中も小さい虫が壁中にはりついてて、不潔そのものでした。食事も時間通りには来ません。まだ食事もしていないのに7〜8人の看護師が檻の中に土足で入ってきて、ふとんの上で土足で自分の靴の裏の汚れをなすりつけます。自分で薬は飲めるといいましたが、両腕を押さえつけられて、口の中いっぱいに粉薬をいれられて、息ができなくて窒息しそうでした。水を飲んでものどに流し込めないくらいの大量の粉薬でした。若い女性の看護師が檻の中のトイレの掃除に来たときのことです。トイレ掃除をしたモップを私の顔につけようとしたので、私は大声で激怒し、その看護師は慌てて檻から出て行きました。入院して4日目に入浴がありました。女性から入浴でしたが、私が風呂場から出るとすでに男性の患者が女性の脱衣所にたくさんいました。
この話を聞いて、父があきれかえって、すぐに私を退院させ、しばらくは自宅療養になりました。

病院B

それから約半年後、自宅療養中ではじめは症状は良くも悪くもなく過ごしていたのですが、徐々に体調が悪化し、大阪北東部にある公立の病院に家族に連れて行かれてました。医師の診断もなく、暴れていたわけでもないのに、看護師にいきなり睡眠薬を注射されて、目が覚めると保護室という個室でベッドにくくりつけられていました。食事のときだけベッドのしばりつけをはずされ、食事が終わるとまたベッドにくくられました。排尿はおしめでした。のどが渇いても体が自由に動かせないので看護師を呼びますが、なかなか来ません。のどが渇いたので水を飲みたいといっても知らん顔です。そのうちベッドにくくりつけられていたのははずしてくれました、このときの水が飲めなかった経験から入院中は積極的に水だけは確保するようにしていました。あるとき食後の薬のときに粉状の薬を口の中にいっぱいいれられたので、むせてしまって咳をしたら薬が看護師の顔にかかってしまいました。その看護師は私の腕をひねり、私が「痛い」というともっと腕をひねり、また私をベッドにくくりつけました。次にその場にいたほかの看護師が、布団を私の顔の上にかぶせて、布団の上から顔をなんども殴りながら、「お前はこうされてもあたりまえじゃ!」と大声で叫んでいました。私は思わず、「この人たちは狂っている!」といいました。
3週間保護室にいて、それから大部屋に移りました。施設も古くて食事もそまつでした。もちろん医師の診察はほとんどありません。看護師は横柄な態度をとります。大部屋に移ってすぐに退院しました。退院のとき自分の症状が良くなっているとは思えませんでした。入院に対する不信感が増大しました。

病院CとD

次に入院したのは今から4年ほど前のことです。しばらくは体調は安定していましたので、私が薬を勝手に断薬してしまい、これが原因でまた体調が悪化、大阪市内の公立の病院に行きました。「心電図をとります。こっちのベッドに寝てください。点滴もします。」といわれると、横から別の看護師が来て、私のひじの静脈に直接睡眠薬を注射したのです。目覚めると地下通路のようなところで体全体に幅の太いベルトでベッドに体をくくりつけられ、尿道カテーテルを挿入されておしめの状態になってました。こんな状態にするならするで、前もって説明をしてくれたらいいのに、何の説明もないまま、丸3日この状態で過ごしました。のどが乾いて看護師に水を飲みたいと言っても無視されて、何度も水を飲みたいと言うと、やっと少しだけ水を飲ませてくれます。ようやく体が解放され堺市内の民間の病院「D」に搬送されました。

病院Dは新しくきれいな病院で、検査もしっかりと行ってくれてました。普通の個室で洗面所もトイレもついていて、掃除の行き届いたきれいな病室でした。疲れたときは自分の個室で休むことができ、元気なときは談話スペースでほかの入院患者さんたちと仲良く話をしました。シャワーもあいていれば好きなときにはしようできて、また、毎日売店でお菓子を買ってたべるので太ったくらいでした。医師には不満はありましたが、設備の整ったきれいな病院で、心身ともに落ち着きをとりもどせました。

病院E

病院Dを退院後、私はすぐに働きに行き始めました。不幸なことにちょうどその時期、父が亡くなったことで、家族との間でいざこざが起きてしまいました。薬はきちんと飲んでいたのですが、私は家族に乱暴的になり、東大阪の民間の病院「E」に入院させられました。今考えれば、一つ前の入院のときに、完全によくならないまま退院したのかもしれません。はじめの1週間くらいは鍵のかかる個室でしたが、トイレもあり不自由はなかったです。その後4人部屋にうつされました。食事は栄養士がカロリー計算をしているので食べても痩せました。味もおいしかったです。主治医はあまり来なくて、若くて頼りなく、他の患者さんからの評判もそんなによくありませんでした。問題は看護師です。勝手に私の荷物を隠したりします。同じ部屋の人が見ていたそうです。私は激怒して看護師の詰め所に言いに行きました。それからは荷物を隠されることはなくなりました。患者を見て態度を変えている看護師が2〜3名いて、冷たく扱われている患者さんがかわいそうでしたが、私は看護師にいじめられてはいませんでした。4人部屋でしたが、自分のベッドに横になり今までの自分を反省する良い機会になりました。

入院というと抵抗がある人も多いと思いますが、私は入院治療はお勧めします。ただ、問題はどこの病院に入院するかです。設備の整った特に清潔な病院をお勧めします。清潔だと看護師始め職員の対応は一応悪くないです。また落ち着いて治療に専念もできます。自分のベッドで横になって穏やかに自分を見つめ直す時間がたくさんありますし、自分と同じ精神疾患を患っているほかの患者さんのいろいろな話も聞けるし、入院治療は悪いとは思いませんが、病院はよく調べて選ぶべきと思います。入院治療による効果を期待するなら、よくよく病院選びには注意しましょう。

yukoばばあ

yukoばばあ

52歳。30代から統合失調症になる。40代になって強迫性障害も発症する。幻覚、幻聴、妄想状態になり、現実と妄想の区別がつかなくなるが、入院治療と退院後は服薬治療で症状は治まり安定している。強迫性障害は継続中で、すぐに不安になり確認行為が続いているが、少しづつ回復に向かっていると思う。これまでに事務職や相談援助職をを経て、現在人生最後の就職活動中。自分が建てた家の中庭を見ながら過ごす休日に癒されている。

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