就労継続支援B型事業所の通所して感じたこと~さまざまな通所者たち

仕事 その他の障害・病気
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就労継続支援B型事業所(以下、作業所とします)に約1年間通所して感じたこと、思ったことを中心に思い出しながら書いてみます。あくまで私が通っていた作業所の体験談として書かせてもらいます。

作業所の存在を知ったきっかけ

作業所の存在を知ったきっかけは、市役所の福祉課で就職活動をする前に、就労に向けてリハビリを出来る施設がないかを尋ねたからです。当時は、障がい福祉に関してどういう支援制度があるのかは自分自身が全く無知でした。市役所から紹介されて、通うことになった作業所は、精神障がい手帳を持っている人を対象とした作業所で、運営は精神科の病院がデイケアから作業所を1つのグループでまとまっており、通所している人達もその病院の患者がほとんどでした。当時は1人だけ身体障害の方おられただけで、他の方は、精神障害手帳を持っている方々でした。

理想と現実のギャップの違い

作業所に通いながら就職活動をしている人は、私が通っている作業所ではほとんどいないということを職員の人から教えられました。さらにこの作業所から就職まで漕ぎつけた人もいないという話を聞いて愕然としました。自分が思い描いていたイメージと違い、驚きと戸惑いを隠せませんでした。当時、私の認識ではB型作業所からA型作業所、もしくは就労移行支援事業所に通って就職をするために向けてステップアップするものだと思い込んでいたからです。しかし通所している人達の中には、就職などを考えておらず、作業所で時間が止まったままの人もいました。私が今までの人生で考えていた一般的な常識との認知の歪みが大きく、全く異質な空間に感じ取ってしまったのです。会社と違って、規則が緩く作業をしてもしなくても、特に注意を受けることがないという雰囲気に慣れるのに少し時間が掛かりました。だからと言って、自分がこの環境に慣れきってしまうと、就職した時に、一般社会でのリズムを取り戻すことに時間が掛かってしまうという危機感もありました。

作業所に通っていても、避けられないのが人間関係です。工賃だけでは生活が難しいため、午後は作業所で、午後からは作業所を経営している付属の病院で清掃作業に従事している人がいました。作業所のプログラムのレクリエーションで外出することがあり、その時たまたま、出会うことが有りました。その時、作業所通所歴30年以上の方が、杖でその方を指し、見下すように笑っていたのです。まるで、真面目に働くことに対して嘲笑っているように感じました。何故、そこでわざわざ杖を相手に指して笑うのか私にはわかりませんでした。その他様々なことが有りましたが、ここでは割愛させて頂きます。

作業所のは色々な方がいました。延々と誰かに話すように独り言を話す人もいれば、作業中にフラフラとうろついて、消えてしまう人、携帯電話を常に弄っている人など様々な人達がいましたが、ノルマがないためどれだけ作業をこなしても、一緒くたに同じ工賃でした。作業所で行っている作業は、コンビニで販売している手提げ紙袋の作成でした。月の工賃は通所した日数だけで決まっており、毎月の工賃は良くても、5000円程度でした。これではとても生活の足しにはなりません。当時私は、傷病手当を受給していたのと、貯蓄が有ったため、何とか生活が出来ていました。職員も工賃を少しでも上げようと、企業に飛び込み営業をして、何か出来る仕事がないかを探していました。しかし、単価が高い内職は難易度が高く、納期もシビアな面もあり、通所者が役割分担して納期に間に合わせるのが難しいため、見送ることも多々ありました。

通所者の中で、私がまともなコミュケーションが取れた方は、後天的に身体障がいになった方と職員のみでした。他の通所者と会話をしても、会話がかみ合わないことが多かったからです。ただ一方的に自分のことだけを話す人や、誰かに話しかけているのか、独り言なのか分からない人など。会話のキャッチボールが相手に合してすることが、私には困難に感じたからです。

通所して感じた黒い感情

作業所に通所していた方は障害年金だけで生活しているもしくは、生活保護を受給して通所している方々がほとんどでした。中には通院も服薬もしておらず、ただ仕事がしたくないという理由から、生活保護だけを受給することを目的に通所していた人もいました。生活保護を受給している人達の中では、欠勤も多く、職員に暴言を吐く、作業も真面目にしない人もいました。自分が働いて収めてきた税金が無駄遣いされていると感じてしまったのです。この現状を一般の方々が知ったら、生活保護を受給している人達に対する感情はどのように感じるでしょうか?

全員がそうではないと理性では分かっていても、どす黒い感情は渦巻くでしょう。こういうことをしている人が1人でもいれば世間で、「精神障がい者は生活保護や年金だけで仕事をしないで暮らしている。」という誤解を生む土壌になっているのではないでしょうか?上記の言葉は、私が実際に就職活動中に障がい者枠で面接を受けた時に、面接官に笑いながら言われた言葉です。その時は、作業所の現状を知っていたため、何も言い返すことが出来なかったのです。認知の歪みは誰しも持っているものと思います。一部の人間の行いで、人は拡大解釈で全てと感じてしまいます。人は無意識にレッテル貼りをしてしまいますが、仕方のないことだと思います。人の行動原理は感情で動かされます。全て理性で捉えることは不可能かもしれません。

1つの事象で全体を判断する傾向は、人間誰しも無意識にあると思います。報道でも、何か事件が起きて、容疑者が精神疾患を患っていたというニュースが流れると、今でもインターネットでは、精神疾患を患っている人は犯罪者になりやすいというニュアンスでよく書き込まれています。そうではないという意見があっても数の暴力で封殺されてしまいます。

就労継続支援B型事業所をこれから通う方へ

私は通所期間も利用期間に制限が無い為、人によっては、5年、10年、中には最長30年以上、世間から閉鎖された空間で、ただ単調な作業をこなす毎日を送るだけの社会と隔絶した生活で人生が完結していることに恐怖を覚えました。作業内容が一般就労に向けての何の訓練にもならないことに疑問を感じ、自分から動かないと何も解決しないと考え、行動を起こすことにしました。

それから、就職活動をどのように行うかを話し合うため、障害者就業・生活支援センターの担当の方、作業所の職員の方々を含め、これからの就職活動の方向性を決めるための会議を開催してもらいました。就職活動では、障がい者手帳を取得したことで、オープンで事務職での就職活動も見据えてPCスキルを上げることを目標にすることが決まりました。作業所から離れ、エクセル・ワード・パワーポイントを覚え、就職することができました。この話は以前のコラムで書かせてもらいましたので割愛させてもらいます。【私のパニック障害・うつ病闘病歴〜オーバーワークによる発病・休職からの復帰に向けて】

これからの人生で、こういう世界もあるというのを知ったということは、決して無駄ではなかったと思いたいです。作業所の職員の方々は、生活面や健康面でよく相談の乗ってくれました。就労継続支援B型事業所の存在が悪いのではなく、そこをどう利用して、そこから自分がどういう人生を歩むかは人それぞれです。また、社会保障に関して考える機会にもなりました。

作業所で行う内職の材料を受け取るため、作業所の職員の方とよく外出する機会がありました。何気ない会話の中で印象に残っているのが、「B型作業所にあまりに長く通所していると、就職しても馴染めず出戻りしてしまう」という言葉です。これは私自身も、完全に同意です。生温い環境に慣れ過ぎて、いざ就職しても会社に馴染めず、すぐに出戻りする人が過去に少なからずいたそうです。出来ない人に出来るようになれと言っているのではなく、何もせず、全てを諦めて自分から人生を閉ざす前に、少しでも出来ることを見つける努力を怠ることは、ただの怠慢です。開き直って、私は障がい者だから、働くことを自ら放棄するのは違うと思います。権利を主張するなら、最低限の義務は果たすべきです。自分を変えるには行動することが大事です。最初から諦めてしまっている、もしくはもう仕事をしたくないという理由で、作業所を利用している人にはきつい言葉かもしれませんが、これが私の考え方であり、生き方です。

参考文献

コトバンク 行動経済学
https://kotobank.jp/

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tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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