自分は本当に有能?~自己愛性人格障害と発達障害

発達障害 その他の障害・病気 双極性障害(躁うつ病)

出典:Photo by Mic Narra on Unsplash

「自己愛性人格障害」とは、自分のことを大事に考えるあまり、自分を過大評価・他人を過少評価してしまう人格(パーソナリティ)障害の1種です。

そのため他者を思いやる気持ちが欠如しており、職場や夫婦間での人間関係が上手くいかない場合が多いです。

今回はそんな自己愛性人格障害について、詳しく書いていこうと思います。

自己愛性障害の症状と傾向

自己愛性人格障害の症状として、自分を一番に愛し他者の気持ちを大事にしない点が真っ先に挙げられます。

また、愛するための行動は「自分が一番ということを揺るがす事実を直視せず、批判的になりやすい」「自分への自信が強く、他人を軽視する」「他人を自分の引き立て役だと思い、賞賛や支持を過剰に求める」など様々ですが、共通して他人に共感することが極度に少ないのが特徴です。

他人との同調が取れず、トラブルが起きやすいという直接的な問題だけではなく、理想と現実のギャップから様々な心の病になることがあります。

具体的には不眠症、うつ病、摂食障害、不安障害などが挙げられ、精神疾患を持つ人の内2~16%は自己愛性人格障害を併発しているといわれています。

また様々な年齢や性別でこの病気は見られますが、男性にやや多く、他の人格障害と比べると中年層に多いとされています。

発達障害や双極性障害との関連性

自己愛性人格障害と「発達障害」には明確ではありませんが、関連性があるとされています。

自己愛性人格障害の仮説のひとつに乳幼児期に親からの共感が得られなかったためというものがあります。

発達障害の場合には、親が育てにくい子供であるという印象をもち、親に共感されないことが多くみられます。

そのため、自己愛性人格障害になりやすいのではないかと推測されています。

また、ASDはコミュニケーションが苦手で、こだわりが強い点において自己愛性人格障害と一致しており直接的な関連性が指摘されています。

さらに、自己愛性人格障害は躁鬱状態を交互にくり返す「双極性障害」と生物化学的な関連があるといわれています。

躁鬱の躁状態においては、自己愛性人格障害ととても良く似た反応・症状を示します。

この状態では自信が満ち溢れ、仕事や学業などに意欲的になり、色々な物事で成功しやすくなります。

しかしながら、失敗などの影響で鬱状態に陥った際には、自分に自信がなくなり極端に自己愛性が低くなります。

酷い場合では、自ら命を絶つ場合もあるため、注意が必要になります。

自己愛性人格障害の見分け方

自己愛性障害は主に以下の9つの症状が出やすいとされています。

・自分の才能や存在について、過去の業績や根拠のない自信から必要以上に優越感を感じる。

・現実感のない業績、影響力、権力、知能、美しさ、完璧な恋などの「理想」を重要視している。

・自分が特別であり、自分や一部の有能な人以外の他人を見下している。

・いつも際限なく賞賛を受けていたいと思っている。

・身分や立場を盾に、他の者よりも優れていると考えている。

・目標を達成するために他者を容赦なく利用する。

・他人の感情を考えにくい。または、興味がない。

・より有能・賞賛を受ける他者を嫉妬する。または、賞賛を受けている自分が羨望の目で見られていると信じている。

・他人に対して、見下すような態度や行動を取る。

このうち5つ以上が持続的にあてはまる人は、自己愛性人格障害が診断される場合があります。

もちろんこれらはあくまでも目安なので、必要以上に気にする必要はありませんが、こういった面が出ないよう少しは心に置いておきましょう。

よく似た人格障害について

人格障害には3つのグループがあり、自己愛性人格障害はそのうちのB群に含まれます。B群は「演技的・感情的で移り気」であるとされ、他に似た症状の3つの人格障害があります。

B群の1つである「境界性人格障害」は、気持ちや行動、対人関係などが不安定であり、衝動性が強いのが特徴です。

普段は相手の気持ちをしっかり思いやって行動できるものの、相手の心が離れそうなときには感情をコントロールできなくなります。

2つ目の「演技性人格障害」は他人からの注目を集めたい欲求が非常に強く、外見や発言、行動が派手で装飾されたものになることが多いです。

注目をひこうとするたあまり物事を虚言や大袈裟な発言をしてしまい、周囲があきれて次第に距離を取られてしまう場合もあります。

最後の1つである「反社会性人格障害」は後先を考えずに行動を行い、暴力などの攻撃的な行動が多くみられる人格障害です。

また、他人の感情を考えず快楽のために違法行為や虐待を行い、人によっては逮捕されてしまうなど社会的な問題に発展する場合もあります。

B群では共通して感情的になりやすく衝動的に行動を起こすことが多く、4つの内いずれかを併せて発症する場合もあります。

特に境界性人格障害は自己愛性人格障害との共通点が多く、区分が難しいとされています。

もし先程の9つの症状に多くあてはまる人は、これらの人格障害も覚えておいて損はないでしょう。

おわりに

自己人格愛性障害は現在IT社会の発達により優越感が得やすくなり、年々患者数が増加しているといわれています。

ただしこの症状は自分ではとても気が付きにくく、知らずに他人との関係を悪化させてしまう場合がよく見られます。

今回の記事を参考に自分を振り返り、心当たりがある人は、少し普段の人間関係に気を配ってみた方がいいかもしれません。

参考文献

【自己愛性人格障害ガイド】
https://narcip.com

【MSDマニュアル|自己愛性パーソナリティ障害(NPD)】
https://www.msdmanuals.com/ja-jp

【公益社団法人 日本精神神経学会|林直樹先生に「パーソナリティ障害」を訊く】
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic

中学生時代にパニック障害を発症。一度は回復したものの、社会人になって再度発症し、その際にかかった精神科にて、検査を勧められ、発達障害と診断されました。以降悪戦苦闘しながらも、社会に適応しようと奮闘中です。

趣味はゲーム全般で、最近はカードゲームに力を入れています。

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