発達障害を持つ人のお金の使い方~使いすぎないために

発達障害

出典:Photo by micheile dot com on Unsplash

発達障害を持っていてもいなくても、つきまとうのはお金の問題です。私の場合、ついつい使いすぎてしまった結果、支払うべきお金が払えなくなってしまった、経験が多々あります。今はちゃんと、お金を考えて使う事ができるようになりました。今回はどのようにしてそうなれたのか紹介します。

お金の考え方を分ける

母親に叱られながらも、払えるようになってきたのですが、お金に対する考え方が変わらない限り、浪費してしまう癖は抜けません。そこで「固定費」と「投資」という本から借りた2つの概念を使い私は対処しました。

固定費とは、携帯電話料金や保険料など毎月必ずかかるお金のことで、投資とは自分にかけるお金のことを指します。

親にもいわれたのですが、まずは固定費を全部書き出すことから始めました。何日に、何円が、どの目的で、どこから引き落とされるのか。それを全て挙げていったのです。

本では交友費なども固定費に挙げていましたが、私の場合はそれを抜きにして「必ず絶対に毎月必要になる費用」についてとにかく1枚の紙に日付順に書き上げていきました。

すると見えてきたものがありました。その当時は2台携帯を使っていたのですが、仕事を辞めてからはどう考えても無駄になっていたのです。親に叱られながらもすぐに解約の手続きに入り、1台にまとめました。

次に見えてきたのが保険のかけすぎです。元々親のすすめで、傷害保険には入っていたのですが、当時の私は心配になって、もう1社傷害保険に入り、更に就労不能保険と生命保険も入っていました。

親と相談しながら、追加で入った障害保険をまず切りました。就労不能保険も私の状況的には保険金がおりないということが分かったので、それも切ることにしました。ただ生命保険は、他社に比べてかなり安いものだったので残しておくことにしました。

クレジットカードは有能というけれど……

次に親に叱られたのは、クレジットカードの多さです。当時私は、4社のカードを持っており、それぞれのメリットを使い分けていました。

ただ、それがよくなかったのです。4社すべてで均等に使っていた結果、支払いがとんでもない額になっていました。親に全部解約するようにいわれましたが、1社だけは何かあったときのために、残しておくようにしました。

本では「クレジットカードの最も優れた点は、キャッシュレスうんぬんではなく『無料帳簿作成サービス』だと僕は考えています」とのことでしたが、親に指摘されて気づいたのですが、支払い明細が来るまで自分がどれだけ使用したか、分からなくなっていたのです。

そこで私は、全部現金で支払いするようにしました。インターネット通販での支払いも、コンビニ支払いに変えるようにして現金で支払うようにしたのです。そうすることで自分でも「あれ?今月使いすぎてない?」と気づけるようになりました。

また、節約のためにどうすればいいか親に相談すると「支払いで必要なぶんだけ別に封筒を作りなさい」とのことでした。散髪代や、病院代といった毎月必ずかかる現金で支払う必要のあるお金について、銀行の封筒に「散髪代2,000円/月」と書き、そこに2,000円入れるようにしました。

そうしていくことで、お小遣いも同じように封筒で4週間分管理できるようになり、随分と無駄遣いが減りました。

本ではクレジットカードは便利といっていますが、私の場合は全部現金でやり取りする方が障害特性や性格にあっていました。

生活を楽しむために

そこまでやっても中々貯金はたまりませんでした……。休日など暇になるとついつい外に出て、コンビニのジュースを買ったりしていたのです。そこで本を読んでみると、「家での生活を楽しむ」ことが大事だと書かれていました。

家の中にいれば当然コンビニでの買い物もありませんし、飲み物も水やお茶なども飲めばいいです。家での生活を楽しむために、本でいう「投資」をしようと考えました。

パソコンは持っていましたし、ゲーム機本体もある程度はそろっていたので、何とかお金をためて、それらで遊べる飽きがこなくなるようなものを買うことにしました。今では休みの空いた時間は、ゲームをすることで外に出たい欲を抑え、満足感をえるようにしています。

喉が渇いたらキッチンでお茶を飲むようにしますし、ゲームに飽きてきたり、テレビを見るのにも飽きたりしたら寝るようにしました。寝るというのは心の安定には一番いいですし、脳を休めるのにも都合が良かったのです。

そうやっていくうちに外に出ていく気にはならなくなってきました。家での生活が楽しくなってきたのです。また、そのおかげか少しずつではありますがお金が貯まるようになっていました。

金銭感覚が完全におかしくなってしまった私が、貯金できるようになるためにどうしてきたかを書いてきました。

発達障害を持っていると、突発的に買い物をしたくなってしまうときもあると思います。

ただ、そういう衝動とたたかうために、家での生活を快適にしてしまって、できるだけお金を使わなくて済むような環境づくりのために、投資する。これができるようになれば、貯金もぐっと進むようになります。みなさんもぜひ、試してみてはいかがでしょうか。


参考文献

【『発達障害サバイバルガイド―「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』 借金玉著 ダイヤモンド社 第10刷 2021年 53~86p】

猫目漱石

猫目漱石

20歳の頃に広汎性発達障害と診断されて以降、大学を卒業後30歳まで健常者として仕事を行なう。2022年に障碍者手帳を取得し現在は障碍者雇用を目指し勉強中。
座右の銘は「孤高であり、至宝であれ」。一人として自立し自律出来るようにしつつオンリーワンの価値を見出すために日々奮闘中。

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